成瀬家T07:44 a.m.
ばあちゃん:「金太郎、そろそろ起きやー」
金太郎:「ええええぇ〜(笑)」
ばあちゃん:「じいさんなんか、もうジョギングしてマラソンしてきたんやで」
涼:ジョギングしてマラソンしたのか……スゴイな。
金太郎:「うーん……あと、あともう少しなんや……(ムニャムニャ)」
ばあちゃん:「早うしないと、学校遅れるで」
金太郎:「今日は休みやろー……」
ばあちゃん:「何を言いよるんかね、この子は……。今日はまだ、金曜日やで」
金太郎:「はあ? ……今日は月曜やろ?」
じいちゃん:「金太郎〜、早ようこんかい、『週末占いカウントダウン』始まったで〜」
金太郎:「……はあ?」
涼:今日……何日?
GM:10月6日、金曜日。
金太郎:………………。……ちょっと待て、ちょっと待て、わい。……落ち着け。落ち着いて……。──んで…………寝るか。
一同:寝るのかーッ!
澪:「朝だぞ、いいかげん起きろー。……早くしてくれないと、あたし学校遅れちゃうんだけど」
涼:「ぅーん……」
浩之介:……誰?
チャーリー:保健医デショ。
GM:(バレてたか、さすがに)
浩之介:同棲してたのか、コイツ……。
GM:プレイヤーは知ってていいけど、PCは知らないことになってるから。
澪:「今日はハムエッグが食べたいぞー」
涼:(のろのろと起きて)「ハマグリが食べたい? ……今、焼いてやるよ」
澪:「早くしないと、学校遅れるよ」
涼:「体育の日が移ったんだよ。知らないのか?」
澪:「それは月曜日でしょ。今日は……金曜日」
涼:「月曜月曜」
澪:(新聞を見て確かめて)「金曜日だってば」
涼:「いつから」
澪:(ため息をついて)「……もう勝手にしなさい」(学校にいく支度をする)
涼:記憶は、あるんだろ?
GM:ん?
涼:時が巻き戻ったってこと、解ってていいんだろ?
GM:いいよ。……澪は、そういうことがあったって知らないみたいだけど。
涼:「で……金曜?」
GM:『めざましテレビ』の天気予報とかで、今日が金曜日であることを知っていいよ。
隆志:……妄想過多かな。
涼:何でそうなる(笑)。
GM:んで、8時を回ってワイドショーが始まる。「昨夜、新宿区に住む21歳の女性が行方不明となりました。警察ではここ一連の連続誘拐事件との関係も考慮した上で──」
ヒフミ:「また誘拐事件なの?」
隆志:「うん」(生返事)
ヒフミ:「アナタも小鈴ちゃんのこと、ちゃんと見といてあげてね」
隆志:「うむ」(生返事)
浩之介:……本当に恋愛結婚だったのか?
隆志:え、教授の娘だから結婚したんだよ。
小鈴:「早起きしたのにもうこんな時間。……いってきまーす!」(パンをくわえて走る)
隆志:小鈴は、時間が巻き戻ったことを知っているの?
GM:プレイヤーが都合で帰ってしまったからね。知らないことにしよう(以後、小鈴はNPCとなる)。
隆志:じゃ、私もいくか。
GM:お弁当、受け取っていってね。
GM:登校の時間だよ。
チャーリー:「ふう……やっぱりアレは、僕は女の子とうまくいきかけても、結局はダメだという夢だったのデスね……」
GM:まどろっこしいヤツだな。
チャーリー:ブルーな気分で登校しマース。
涼:投降するのか。……そりゃブルーだろうな。
GM:では、服装チェックよろしく。
浩之介:スカートの長さチェーック! そして今日も、ピアスに気づかない。
隆志:ルーズリーフに気づかないのだね。
GM:気づけよ、『2回目』なんだから。
涼:聞いて回ろう。「今日何曜日だっけ?」
同級生:「金曜だろ。ドラえもんの日」
涼:「なんかもっと他にあるだろ、ミュージックステーションとか、金曜ロードショーとか」
同級生:「いや、金曜といえば、ドラえもん」
涼:とにかく、金曜なんだな。……うーむ……。
チャーリー:あれ、今日は金ちゃんお休みデスか?
浩之介:進吾とかの反応はどうなの? 妹がどうとか言ってない?
GM:あれ、妹のこと知ってたっけ? ってかんじだ。一真や二葉たちも、時間が繰り返していることには気づいていない。ま、PCだけだと思ってくれれば。
さてさて。どうやって自分と『同じ立場』にいるものに気づくのか。どうやって、この現象を打破するための協力者を見つけるのか。上手にPCを誘導していけるかどうかは、プレイヤーの腕にかかっているワケで。
GM:ホームルームの時間だよ。
ヒゲ先生:「また誘拐事件が起きたようだな。未成年の凶悪犯罪も後を断たないようだし」
信也:「オレもやっちゃおっかな〜」(どっ、とクラス中が笑う)
ヒゲ先生:「最近変な事件が多いから気をつけるように、悩める17歳の諸君」
出ていくヒゲ先生。その直後、教室に飛び込んできたのは……金太郎である。
金太郎:(手をぱんぱんと叩きながら)「はーいみんな席につく〜。チャイムとっくに鳴ってるよ〜」
GM:んー……誰も相手にしてくれないねぇ(笑)。
金太郎:「先生今日は、みんなに聞きたいことがあります。……今日は何曜日ですか?」
GM:やっぱり、無視。
金太郎:「マジメに聞いとるんじゃ、ボケーッッ!」(マジギレ)
隆志:いつもとキャラクターがあまり変わらないから、誰も気にしてないのだね。
陸奥先生:(教科書で頭をはたいて)「……ボケはどっちだ。早く席につけ」
金太郎:「あ、こらどうも」
GM:1時間目は数学です。てことで抜き打ちテストだ〜!
金太郎:「みんな、答えはな、16、676、22、23やで〜!」
GM:「うそうそ」「俺たちを撹乱させる作戦だ」とか言われてるぞ。
金太郎:なら、さらさらっと答えを書いて、提出しよ。
陸奥先生:(答案用紙を見てから、金太郎を廊下に引きずっていく)
金太郎:「お、なんや? なんや?」
陸奥先生:(胸倉をつかんで、ひそひそと)「あれほどカンニングはするなと言っただろう、成瀬」
金太郎:「疑うんでっか? なら、証拠見せてくださいよ、証拠」
陸奥先生:「くッ」(つかむ手を放してから、教室の中に戻る)
GM:んで、テストがもうすぐ終わろうとしてるとき……ひとりの男子生徒が立ち上がる。
チャーリー:ホワット?
GM:手にはカッターナイフを持ってるぞ。で、先生に向かってダーッシュ!
一同:オイオイオイ……!
金太郎:「ちょっ待て、お前何しとんねん〜!」
GM:そう思うなら、サイコロ振ってみよう。
涼:ボケがキツイで、アホぅ〜!
金太郎:駆け寄って、手を蹴るでー!
GM:では、『技』で2回、『体』で1回判定を。『体』には、プラス20の修正を上げよう。
金太郎:わいの『技』の値は、ちょっとしたもんでっせ、ふふ。(コロコロ)……うをー、いきなり失敗しとるーッ!
GM:机で足を打ったな(笑)。
チャーリー:では、僕が手近なモノ……筆箱とか投げつけマース。
涼:まず、男子生徒に気づくかどうかだろ。
GM:そうだね、試験中だしね。てことで『心』で1回、『技』で2回判定するのだ。
チャーリー:絶対失敗するぅ〜! (コロコロ)あ、成功してる。筆箱つかむのも……(コロコロ)成功してマース!
GM:筆箱ねぇ……。最近は、フニャフニャしたヤツが主流じゃないの? こんなのぶつけられても、止まるかなぁ……。
チャーリー:なら、どーしろっていうんデース!(半分キレかけ)
GM:横からタックルでもすれば? (すでに行動宣言の後だから、ホントはやり直しはきかないんだけど……まあいいか)『技』で2回判定ね。
チャーリー:(コロコロ、コロコロ)2回目で失敗ぃぃー!(怒)
GM:追いついたけど、金太郎につまずいたかな?(笑)
そしてふたりは──クラス中の生徒が──信じられないものを見た。
陸奥先生が、冷静にナイフをさばいたかと思うと手首を取り──ひねって投げ飛ばしたのだ。
男子生徒は宙を舞い、黒板にぶつかり、気絶した。
金太郎:「なんやセンセ……強かったんかいな……」
チャーリー:「これじゃ僕たち、ピエロデース……」
GM:ちょっとした騒動になるね。……で、陸奥先生の人気がますます上がるワケだ。
浩之介:その男子生徒は、どんな子?
GM:普段はおとなしい子だよ。
チャーリー:そういうヤツの方が、キレたら怖いんデース。
涼:そんなことはどうでもいい。それより、今日何日かってことの方が大事だぞ。
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