リルル:「どうしました?」
トパーズ:「いえ……『船』が故障しちゃって」
リルル:「そうですか、それは大変ですね。──それじゃあ……」
GM:「ここで誰かサイコロを振ってくれい。偶数がでたらジャッハが、奇数がでたらサンダユウがエンジンを調べるから」
トパーズ:(コロコロ)「3」
GM:「サンダユウかよ……」
トパーズ:「108の機能の1つ、CTスキャン! …………またげない」
一同:(爆笑)
GM:(サイコロを振って)「だああ! なんでここでファンブルが出るゥゥ!?」
シェオール:「それじゃ本当に『CTスキャン……またげない』だ!(爆笑)」
GM:「やれやれ。ならジャッハも調べよう」
ジャッハ:(エンジンを見て)「なんか故障って言うより破壊されてるみたいだが──ここじゃ修理は無理ですなァ、ちゃんとしたところじゃないと」
リルル:「ではエスペルプレーナの中に収容──はムリだから、引っ張っていきましょう。──それでよろしいですか?」
トパーズ:「ええもちろん。御迷惑おかけします」
ビッケ:「大人数でいるのは得策じゃないな。私は姿を消して、一足先にエスペルプレーナに侵入しておくことにしよう。ゴーヴァは我々の『船』の中にいた方がいい。エスペルプレーナに乗るのはトパーズとマフィ、シェオールの3人だ」
ゴーヴァ:『分かった』
トパーズ:「ねえ……ホントにビッケってクックルックルーフ? すっごい違和感あるんだけど(笑)」
ビッケ:「ユンケとガンバが特殊すぎるだけだ」
カー:「ぼくはマフィの服の中にでも隠れてるカウ」
リルル:「『船』はそれでいいとして……あなたがたはどうされます?」
トパーズ:「できればそちらに乗せてもらえませんか? どうもこっちの船は乗り心地が悪くって」
マフィ:「おっきなおふねのりたーい!」(棒読み)
一同:「こっ、こわいぞマフィー!(笑)」
かくして一行は、エスペルプレーナの中へ。
GM:「君たちは娯楽室らしき場所に案内される」
リルル:(毛布を渡しながら)「空き部屋がないんで、すみませんがここで休んでください。少しの間ですけど、くつろいでくださいね」
トパーズ:「お世話になります」
シェオール:「立派な船ですね。これだけの大きさなら船員も多くて大変じゃないですか?」
ジャッハ:「いえ……この船がすごいのは最小限の人数で動かせるところです。船員は全部で15人しかいないんですよ」
シェオール:「それはスゴイですね……。(ぼそっと)──それなら何とかなるかな」
ビッケ:「さてどうするか……。なるべく傷つけたくないから──飲み水に眠り薬を混ぜるかな……」
GM:「船内のあちこちに水飲み場があるよ。足で押すやつ。あと自動販売機とかも」
ビッケ:「そういうわけだから、くれぐれも水は飲まないように」
マフィ:「わたしブリッジみたいー! みたいー!」
トパーズ:「あ、あたしも見たいな」
GM:「じゃあサンダユウが案内してやろう。ただし女性のみ」
ゴーヴァ:『よし、どこか人目につかないところでサンダユウをフリーズさせるんだ』
GM:「何もしなくても止まると思うけどね(笑)」
サンダユウ:「よし、いくアルよ」
エスペルプレーナ ブリッジ──
マフィ:「あれはなにかな、これはなにかな──ポチッ!」
トパーズ:「主砲、左旋回!(笑)」
マフィ:「わーい、テレビあるテレビある! ポチッ! ────どっどーーん!!(笑)」
シェオール:「実はそれは照準モニターとミサイル発射ボタン……」
カー:「……天然はこわいカウ……」
GM:「カリストパラスが制御して撃たないけどね……。しゃべるお船だということで」
トパーズ:「すごいねェー」
サンダユウ:「おじゃうさん、次は俺の部屋に行くアル」
トパーズ:「そ、そうね……(と軽くあしらっといて)──やっぱり電力供給を断つのが一番早そうね……」
シェオール:「でもそうすると後が面倒臭いぞ」
ビッケ:「乗組員を押さえる方が楽だろう。だから飲み水に睡眠薬を入れてるんだけど」
カー:「──なんて話を水飲みながらしてたりして(笑)」
シェオール:「おやくそくではあるな」
カー:「謀ったカウねー!」
ゴーヴァ:『そういえば謀ってたー!』
一同、大笑い。
シェオール:「──それは冗談として。とりあえずサンダユウを止めてくれ」
トパーズ:「りょーかい」
マフィ:「なんかせなかにスイッチがあるね。ポチッ!(笑)」
サンダユウ:「いやん♪」(と言って固まる)
GM:「サンダユウ、フリーズしました。…………やれやれ」
ビッケ:「GM、(乗組員が)どこに何人ぐらいいるとか、分からない?」
GM:「そうだねェ……今はブリッジに2人。娯楽室に4人。機関室に2人。残りは自分の部屋、かな」
トパーズ:「水を飲むの待ってても埒明かないから、娯楽室にいる人に睡眠薬入りのジュースでも持っていこうか」
シェオール:「それはちょっと待った方がいい」
ビッケ:「あ、トパーズたちも娯楽室に戻ってきたんだね。サンダユウがいないことに対する言い訳は?」
トパーズ:「黙っておけばいいんじゃない?」
ゴーヴァ:『黙っておけば誰も気づかない』
GM:「またかよ……、ってかんじだろうね(笑)」
ビッケ:「ジャッハと姫を捕らえて人質に取る、てのが一番平和的だろうな。ということでジャッハの後を透明になってついて行ってみよう」
トパーズ:「あんまりのんびりしてるとイシュタルに着いちゃうよ」
ビッケ:「それはそうなんだが……。なるべく隠密にいきたいからな」
そうこうしてるうちに夜になり、船員たちは自分の部屋に帰り始める。そしてジャッハもコインを外して自分の部屋へ。
ビッケ:(みんなのところに戻ってきて)「コインがカリストパラスを起動させるスイッチになってるようだな……」
トパーズ:「みんな部屋に戻ったみたいだし、そろそろ行動を開始しようか」
シェオール:「えーと、まずビッケが姫を拉致してくる。そしてそれを人質にして今度はジャッハを押さえ、この『船』を制圧する、と」
ゴーヴァ:『そんなとこだろう』
ビッケ:「では、行ってくる」
トパーズ:「あたしもそこまでお供します」
GM:「非常用の電灯だけがついた薄暗い廊下。その先の水飲み場で、男の人がつっぷしてる」
ビッケ:「やっと眠り薬が効いたか……?」
GM:「首が不自然な方向に曲がってるんだけど」
トパーズ:「死ん……でるの……?」
ゴーヴァ:『すみません』
トパーズ:「お前かー!(笑)」
GM:「んなワケないわな。ゴーヴァはここにいない」
ビッケ:(通信機を取り出して)「シェオール、1人片付いた。だが我々ではない」
シェオール:「なんだって……?」
ビッケ:「どうやら我々以外にも侵入者がいるようだ」
トパーズ:「もしくは船内に裏切り者がいるのかも」
GM:「──と、廊下の向こう、左に曲がったところ──こっちにはエレベーターがあるんだけど──から『ヲオオオオ……ン』という不気味な声が聞こえる。陰になってて君たちの方からは見えないけど」
ビッケ:「そっちまで走っていって、何がいるのか確かめる。もちろん姿は消して」
GM:「そうするとだね、いわゆるひとつのゾンビというやつがいる」
みんなそろって:「ヲオオオオ……ン!」(低音)
GM:「そんなかんじ」
ビッケ:「見覚えのある顔じゃない?」
トパーズ:「乗組員のひとりとか」
GM:「いや、知らない顔だ。……と言っても半分腐ってるんだけど」
トパーズ:「これはひょっとしたら恩を売るチャンスかも」
マフィ:「船長室までゾンビを誘導して、船長を襲わせるー!」
シェオール:「それにメリットがあるのか? 逆にそれで時間をロスする方が痛いと思うんだが」
カー:「不確定要素は排除した方がいいカウ」
シェオール:「俺もその方がいいと思う」
トパーズ:「じゃあ『ターンアンデッド』いきまーす!(コロコロ)成功度94」
GM:「はいはい(苦笑)。ゾンビはサラサラサラと白い砂の塊になる」
ビッケ:「よし、みんなを呼ぼう。緊急事態だ」
てことで全員集合。
マフィ:(目をこすって)「ねむい……」
シェオール:「これは急いだ方がよさそうだな。何が起こっているにしろ、時間のロスは避けたい」
カー:「姫の部屋ってどこにあるんだカウ?」
GM:「姫の部屋はエレベーターを上って左。ブリッジも上だ。ちなみにジャッハの部屋は、娯楽室の奥です(笑)」
カー:「てことはわざわざ廊下に出る必要はなかったカウか?」
ビッケ:「いや、どっちにしろ姫を先に確保しておいた方がいいだろう」
トパーズ:「それよりさ、ゾンビがエレベーターのところにいたってことは……姫がヤバイかも……」
シェオール:「!! 急ごう!」
マフィ:「みゅう……」(寝ぼけてる)
GM:「エレベーターを出ると、ゾンビ数体と出くわす」
トパーズ:「やっぱりいた! 姫の部屋はどこ?」
GM:「エレベーターを出て左が姫の部屋。正面がブリッジ。右が外との出入り口。で、よく見ると姫の部屋のドアが開いている」
トパーズ:「ヤ、ヤバイかも……」
GM:「ではイニシアティブを振ろう。そっちのリーダーは誰?」
ゴーヴァ:『シェオールかビッケじゃないか?』
ビッケ:「では私が振ろう(コロコロ)……6だ」
GM:(コロコロ)「1。そっちが先」
マフィ:「トパーズの後ろに隠れる」
トパーズ:「はいはい(苦笑)。では『ターンアンデッド』いきます!」
これで廊下にいたゾンビは全て消滅。そしてシェオールとビッケが部屋へダッシュ!
GM:「そうすると、さらに2体のゾンビが中を荒らしている。それから、ベッドの上に赤い染みがある」
シェオール:「ヤバ……」
GM:「血は少量のようだけどね」
シェオール:「姫はベッドにいる?」
GM:「いないよ。いたら最初に言ってる」
シェオール:「てことは……さらわれた……?」
GM:「ではここで『心』判定するのだ」
ビッケ:(みんなでサイコロを振って)「──一番成功度が高いのは私だ」
GM:「ビッケは姫のタンスが荒らされて、下着類がなくなっているのに気がついた」
一同:「それは…………サンダユウだな」
GM:「で、窓の外。笑いながらバタバタと飛んでいくサンダユウとリルルの姿が見える」
ビッケ:「いつの間に……」
マフィ:「ねえ、姫も笑ってるの?」
GM:「姫は笑ってない」
シェオール:「なるほど、それであの2人はイシュタルにいなかったのか……。──よし、作戦変更! 船長の確保に移る!」
何事にも動じないプロフェッショナルな(?)一行は、娯楽室にとって返す。途中7体のゾンビと遭遇するも、一瞬のうちに倒してしまった。弱いぞゾンビ!
GM:「で、娯楽室である。ドアを開けると、暗い部屋の中に人影が3つ」
シェオール:「まだいるのか、ゾンビ」
GM:「でね、その中に1人、どっから見ても怪しい仮面の男がいる」
トパーズ:(姿を見て)「うっわー、いきなり魔族系が来たねェ」
シェオール:「その男に殺意はある?」
GM:「殺意……はないかな。君たちの方をじーっと見渡して──」
仮面の男:『ほう……。これはまた、懐かしいものを見つけたな……』
シェオール:「懐かしい……? ……『十六夜』のことか……?」
GM:「で、さらに、床が盛り上がるようなかんじでゾンビがもにょにょんと現れる」
シェオール:「召還でもしてるってのか? とんでもないヤツだな……」
マフィ:「どんどんでてくるね」
トパーズ:「殺意剥き出しでいきます。こいつらを排除しないと『船』なんて制圧できないわッッ!」
シェオール:「まったくだ」
戦闘開始! トパーズが挨拶代わりの『ターンアンデッド』で5体を屠り、ビッケがジャッハの部屋へ走る。そしてシェオールが、仮面の男と対峙する。
シェオール:「貴様、何者だ……?」
仮面の男:『そういえばまだ名乗ってなかったな……。私の名は──ヒュプノス』
シェオール:「ひゅっ!?」
GM:「ヒュプノスです」
トパーズ:「……確かタナトスっていたよね。で、ヒュプノス……。てことはあとネメシスってのがいたりして(笑)」
カー:「ネメシスが復讐の女神。タナトスが死神。ヒュプノスが眠りの神だカウ」
マフィ:「で、ネメシスにはルシファーホークが住んでいるんだよね(笑)」
カー:「それは別の話カウ」
シェオール:「そんなことはどうでもいい。ズバッと斬りつけるぞ──クリティカル!!」
GM:「ひ、102点のダメージって……。ま、まだ生きてるけどね(ニヤリ)」
さらに戦闘は続く。マフィの魔法が当たり、さらにシェオールの51点ダメージが2回ヒット! それでもヒュプノスは倒れない。
シェオール:「手応え……ある?」
GM:「あるにはある、かな」
マフィ:「わたしね、絶対死なないと思うな、そいつ」
トパーズ:「うんうん」
GM:「ではでは。このへんでおいとまさせてもらいますか」
ヒュプノス:『懐かしい顔に会えて、なかなか楽しかった。──さらばだ』
GM:「そう言ってヒュプノスは姿を消す」
シェオール:「消えたか……。──じゃあ作戦続行。船長の部屋に行こう」
GM:「切り替わりの早い連中だなァ……」