GM:『ヒトゲノム』!
アヴァロン:『ヒ・トゲノム』かもしれないぞ。
GM:『ヒトゲノム計画』というのは、元々『ヒーメル』の新たな下僕を造ろうという計画だったのだ。それがこんなことになってしまったので、『強い生命力を持つもの』の研究に方向転換して……失敗した。
サラ:それでモルモットとかって言ってたのね。で、ゲオルギウスが『ヒトゲノム』……。
GM:そう。つまりゲオルギウスは実験体の失敗作で、性的欠陥があるワケだ。
ゲオルギウス:ううう……。
それから数日後、ダイモンは第3王位継承者アステルを立て『アポリオン』を名乗り、「次の王は正当な『ヒーメル』の血を引くものにこそふさわしい」と主張した。そして身体を治すことを条件のひとつとし、民衆の支持を集めていった。
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『ヒーメル』たちの症状はどんどん悪化していた。『滅び』が街を、国を、覆っていく。
そして僕たちは知ってしまう。その……『滅び』の原因を。
GM:その後の調査で、『風』に触れたものの身体が崩れていってるらしいことが分かった。
サラ:そういえば資料にあったわね……『疫風』だっけ?
GM:そう、『疫風』だ。で……その『風』がどこから吹いてくるのか、誰から吹いてくるのかも分かった。『ヒーメル』に『滅び』を与えている者、それは──
──『ソフィア』
GM:ソフィアから発せられる『力の波動』のようなものが、原因らしい。
ソフィア:で、でも、王子とかみんな平気だし……。
GM:普通の『ヒーメル』であるサラやユナはヤバイよ。
オラクル:おらは?
GM:オラクルはきこりだからダイジョーブ。
オラクル:そうだったのくわァ〜!
GM:いや、それは冗談なんだけど。もちろんオラクルも崩壊の道を歩んでいる。んで、お互いを慰めあうサラとオラクルの間にいつしか恋愛感情が──
サラ&オラクル:イヤすぎるゥ〜!
GM:いや、ここはGM特権で押し切らせてもらうぞ。
サラ:げげ、マジ……?
GM:冗談です。でも死にゆく運命であるのは確か。しかもソフィアの『破壊衝動』は日に日に強くなっていく。
オラクル:また殴られるだ〜。
GM:文字通り“脇腹をえぐる”パンチを浴びるんだな。──ソフィア、『心』判定してみて。
ソフィア:(コロコロ)マイナス50成功。
GM:それじゃムリだねー。君はナイフを懐から取り出すと──アヴァロンに斬りかかる。
アヴァロン:うをッ!
ナイフは、アヴァロンの左目の下を深く切り裂いた。左頬を赤い血が伝う。
ソフィア:(からん、とナイフを取り落として)「あ……私……」
アヴァロン:「ん……?」
ソフィア:「私……みんなの傍にいない方がいいね……」
一同:「………………」
その日……ソフィアが僕たちの前からいなくなった。
それでも……彼女がどこにいこうと……『風』が止むことはなかった……
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GM:数日後、ゲオルギウスのとこ(私室ではなく魔法科学研究所)に例の医者が来る。
医者:「もう子供たちがもちません。既に何人もの子供が『風』によって消えていきました……。ゲオルギウス殿、なにか、早急な処置を!!」
ゲオルギウス:「だがわたしは医者ではないし……」
医者:「これは病気ではありませんよ。もっと魔法的な……神がかりなものです」
そこへ、ヒュプノスが入ってくる。
ヒュプノス:「『アムリタ』があれば何とかなるかもしれんぞ」
医者:「『アムリタ』……。あの……おとぎばなしの?」
ヒュプノス:(うなずいて)「──古き魔法のひとつに『メフィストフェレス融合法』というものがあると聞く」
ゲオルギウス:「あの『メフィストフェレス体系』のひとつか?」
ヒュプノス:「ああ、『融合法』はひとつの『器』に複数の精神を宿らせるというものだ。融合されたものは高い抵抗力と再生能力を持つという」
ゲオルギウス:「だがあれは……『禁呪』だぞ」
ヒュプノス:「そんなことを言っている余裕はないはずだ。それに……『禁呪』などここでは珍しくもない」
ゲオルギウス:「確かに……。──で、どうすればいい?」
ヒュプノス:「『融合法』を成功させるには、半永久的に膨大な魔力を供給するものが必要だ」
ゲオルギウス:「そのための『アムリタ』か……。よし、それでいこう!」
ヒュプノス:「うむ。──では、頼んだぞ」
ゲオルギウス:「へ? ……ど、どこにあるんだ?」
ヒュプノス:「それが分かれば苦労しない」
ゲオルギウス:「ううゥ〜」
ヒュプノス:(いいのだな、タナトス、ネメシス。もう……後戻りはできんぞ……)
ゲオルギウスは、アヴァロンたちに『アムリタ』のことを話した。
サラ:「『アムリタ』……そんなものどうやって探せっての?」
ゲオルギウス:「わたしはネットで調べてみます」
サラ:図書館とかで調べた方が……あ、ヒイラギに聞けば分かるんじゃない?
ゲオルギウス:いや、ネットで調べる。検索検索〜。
アヴァロン:「キックボクサー『アムリタ=プタルーン』」とか出てきたらヤだな。
GM:誰だよ、それ……(笑)。
アヴァロン・サラ・ユナは書庫の方へ。
サラ:「ヒイラギ〜、あそぼ〜」
ヒイラギ:「サラ、余裕あるわね……。ほら、また胸が『崩れてる』わよ」
サラ:「どんどん小さくなってて困ってるのよねー、って余計なお世話!」
ゲオルギウス:ヒイラギさんってどういう人だったっけ?
GM:立体映像の人だよ。アルバスの時代ではヴィゾフニルの中央図書館の管理人で……この時代では、王家書庫の管理人兼動くデータベース。
アヴァロン:「急いで『アムリタ』について知りたい」
ヒイラギ:「『アムリタ』ですか……。(目を閉じてしばらく『検索』して)──今はもう誰も知らないことなんですけど……」
アヴァロン:「そうか、じゃあ仕方ないな。あきらめよう」(あっさり)
ヒイラギ:……やっぱり王子、なんか性格変わった気が……。
アヴァロン:気のせいだろう。
ヒイラギ:(気を取り直して)「これは今や誰も知らないことなんですけど……『輝石』の原料となっているのは、『アムリタ』なんです。正確には『アムリタ』の染み込んだ鉱石が『輝石』となるんです」
サラ:「てことは、『輝石』の発掘現場の近くを探せばいいの?」
ヒイラギ:「そうね、地上に降りて探すという手もありますが……より強い『魔力』を持つ『輝石』――『輝光石』がほしいなら、アールマティの中心を目指すべきでしょう。そこに、この空中都市を支える『輝光石』があります」
ユナ:「『輝光石』?」
ヒイラギ:「『輝光石』は純粋な『アムリタ』の結晶です。『輝石』とは比較にならない魔力を供給してくれるはずです」
サラ:でも『輝光石』を手に入れたら空中都市が落ちるんじゃないの?
GM:そんなにいっぱいはいらないよ。ちょっとだけ削ってくればいい。
アヴァロン:じゃあ……『輝光石』を探すってことでいいな?
ユナ:にゅ、いいよ。……中心って、女神像のあるところ?
GM:街の中心じゃなくて、浮遊島の中心。つまり地下に潜らないといけないのだな。
アヴァロン:よし、オラクルを誘って出発しよう。
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GM:王都の地下に降りると、造船ドックがある。エスペルプレーナとかがあるね。
アヴァロン:同型艦かな? オスペルプレーナとか。
GM:(いずれアルバスたちが乗ることになるヤツだよ)そこから長いシャフトの中を下へ下へと降りて……随分と深いところにある地下1階フロア『レベル1』にたどり着く。ここからはマッピングしてもらうよん。
サラ:へ?
GM:マッピングしたい人〜。
ソフィアのプレイヤー:ヒマだから、やるゥ。
というワケで、地図を描きながらレベル1をうろうろ。んで……
GM:エレベーターに着いたよ。直径10メートルぐらいあるもので、真ん中に太いシャフトが通ってる。ドーナツ型の床が動くエレベーターだと思ってくれい。壁に『レベル1→レベル4』と書いてある。
サラ:なら一気に地下4階までいこう。
GM:残念、エレベーターは動かない。電源が来てないみたいだね。
アヴァロン:チッ、電源室を探すか。
オラクル:バ○オハザードみてーだべ。
ゲオルギウス:シャフトに穴開けて下に降りられないのか?
オラクル:さすがにこの壁は壊せねェだ。──さ、先に進むだよ〜。
淡々とマッピング作業が続く。みんな、少し眠そうだ(午前4時だしねー……)。
GM:ユナ、おとなしいな。
ユナ:(プレイヤーの)体調が悪いから。熱あるし。
ソフィアのプレイヤー:だいじょうぶ〜?
ユナ:なんとかなるよ。熱、37度ちょっとしかないし。
GM:ヤバイだろ、それは。
で、レベル3に降りるエレベーターを発見。構造は同じドーナツ型。
GM:レベル2には止まらないエレベーターだよ。
アヴァロン:じゃ、レベル3へいこう。
GM:エレベーターを降りて地下3階。通路は南と東にのびている。
アヴァロン:東。
アヴァロンの直感と気まぐれで、あっちへいったりこっちへいったり。
GM:レベル2にいくエレベーターを発見。
サラ:じゃ、レベル2へいって……王子、どっち?
アヴァロン:たまには他のヤツが決めろよ。
サラ:もう、きまぐれなんだから……。
GM:しかし何だ、今回はサクサク話が進んでるな……。いいペースでシナリオを消化してるよ。
アヴァロン:やっぱアレじゃない? ──アルバスがいない。
GM:そうなのかな……やっぱりそうなのかな……。
ユナ:きっとそうだよ。
アヴァロン:結論が出たところで、先いくか。


