GM:ヴァイス(プレイヤーEのPC)は今出張中。
ユリア:案外きこりのおじいさんかもしれないよ? 枕代わりにしてただけで。
GM:魔導書枕に教会で寝るのか(笑)。
エミリー:仕方ないですねー……、領主様のところから行ってみましょう。
てなワケで、エミリーがやってきたのは領主の家。
領主ゲイン=オルドレースは本当は副領主である。が、真の領主である村長(90歳を超えるじじい。なぜか領主ではなく村長と呼ばれるのを好む)が仕事をしないので、彼が代行として街を治めているのだ。
ゲイン:「やあいらっしゃいエミリーさん」
にこやかに挨拶するゲイン。その声に、妻のセツも奥から顔を出した。盲目である彼女は、杖をついている。
セツ:「あなた、お客様?」
ゲイン:「ああ、教会のエミリーさんだ」
エミリー:「こんにちは、セツさん」
セツ:「こんにちは。今、お茶入れますね」
エミリー:「どうぞおかまいなく」
ゲイン:(椅子をすすめながら)「で、今日はどうしました?」
エミリー:「教会の方にお忘れ物ございませんでしたでしょうかぁ? こんな本が置いてあったんですけど」
ゲイン:「魔法の本……? (手に取って)いや、違うなぁ……。私のではないよ」
エミリー:「では誰か持ち主にお心当たりありませんか?」
ゲイン:「うーん……普通に考えれば、あなたかヴァイス君なんだろうが……」
エミリー:「そうですか……」
シュリ:仕方ないわね。──もしもしBOOKOFFさん? 本が売りたいんですけど……。
一同:売るなぁッ!
ゲイン:(小声で)「だがこの街の住民のことだから案外……」
エミリー:「何か?」
ゲイン:「いや……、そうだな……自警団の人たちに聞いてみたらどうだね? 彼らが一番魔法とは縁があるだろうから」
エミリー:実はわたしもそんな気はしてます。
ゲイン:「それからこれは全然関係ないことなんだが……頼み事があるから、後で腕の立つ者を集めてきてくれないか?」
エミリー:「腕の立つ者、ですか……?」
シュリ:あとこれも全然関係ないことなんだけどね、うち今夜、カレーだから。
レイチェル:ホントに全然関係ない(笑)。
GM:しかも食わせてはもらえない(笑)。
エミリー:「では自警団に寄りますから、そのとき声をかけてみます」
ゲイン:「ああ、頼むよ」
エミリー:心の中で、またここに戻ってこないといけないのか、面倒臭いなあ……と思いながら外に出ます。
GM:それは見栄っ張りというか……
エミリー:裏表のある性格なんです。
セツ:「あら、もう帰るの? せっかくお茶入れたのに」
エミリー:「あらあらすみません。でも、急ぎますのでわたしはこれで……。また後でお伺いしますから」
GM:(エミリー……イメージしてたのと随分違うなあ……)
GMの最初のイメージと実際のPCが違うなんてのは……よくあることなのである。

レイチェル:思った以上に時間がかかってしまった。やはりリヤカーを使うべきだったか。
シュリ:1カ月分のお酒だからね、そりゃ結構な量になるでしょ。
GM:さて、レイチェルに何かお礼をしないといけないんだけど……。
レイチェル:いい。いらない。
シュリ:レギュラー満タン入りまーす!
ユリア:ガソリンで動くんだ。それとも核?
レイチェル:(苦笑して)普通に食べ物食べて、それで動く。
GM:そうだったのか。
スティール:「では、私が焼いたアップルパイでも食べていくかい?」
レイチェル:「いただきます」
シュリ&エミリー:いただきまーす。
GM:お前ら、いないだろ。
ユリア:「ユリアは食べていいよね」
スティール:「いいよ。紅茶も入れてあげよう」
レイチェル:(アップルパイを食べて)「おいしい……」
スティール:「それはよかった。それなら、新しいメニューに加えてもいいかもしれないな」

エミリー:「あのー、すみませーん」
エミリーは簡素な扉を開け、砦の中に入った。自警団と言っても普段は別の仕事をしている者が多いため、中は閑散としている。
カーキ:「なんだ、エミリーか」
中にいたのはカーキとシア、そして目を布で覆った背の高い青年。灰色の肌と尖った耳で、彼が『魔界』の血を引く者であることが分かる。
魔族ハーフ、スリーアイ。
”三つ目”という名とは裏腹に、彼はいつも目隠しをしている。それとも、布の下は本当に三つ目なのか……。
シュリ:「なに? まだ本の持ち主見つかんないの?」
いつの間に戻ってきてたのか、シュリもそこにいた。
根無し草の彼女は、砦や彼氏(不特定多数)の家を転々としている──という噂だ。時々教会に来て子供たちと眠ることもある。
シュリ:「トーゼン、あたしのじゃないわよ」
カーキ:「俺も違う。つーか、魔法キライだし。──一番可能性があるのはシアだが……」
シア:「うにゃ……はい?」
カーキ:「おめー、今寝てただろ」
シア:「寝てないです」
カーキ:「いーや、寝てたね」
シア:「寝てないですったら」
エミリー:「この本、見覚えありませんか?」
シア:「ありますよ」
エミリー:「あるの? いつ! どこで見たんやー!」(シアをつかんで、がっくんがっくん)
シア:「あわわわわ……母様が持ってたんですぅ〜」
シュリ:「かあさま? ……あ、そうか」
シアの両親は、15年前に世界を救ったとされている『英雄』──盗賊キャンと、神官ウェイブ=ブランクなのである。
エミリー:「ではこの本はあなたのお母様のものに決定〜……ではなくてですねえ……」
GM:わっはっは、手掛かりは途絶えたね。
エミリー:うー……、ではとりあえずこの件は置いておきます。
GM:ふむ。
エミリー:「それとですね、領主様が腕が立つ者を集めてくれって言ってました。だから手の空いてる人は──」
シュリ:「ごめん、今手がふさがってる」(←大嘘)
エミリー:「手の空いてる人は領主様の家に行ってください」
シア:「くー」(寝てる)
エミリー:「寝るなー! エルボォォォー!」
シア:「むぎゅ……」


