DAY4 【幸福の行方】 10


利迎院:「では単刀直入にお聞きする。砦での一件について、ケイ殿はなにかご存知か?」

金太郎:「わいの台詞取んなや」

ケイ:「あなたたちは、どこまで知っているの?」

利迎院:「何も知らぬ。故にお聞きしている」

金太郎:「ケイちゃんはいろいろ知ってそうやし」

ケイ:「……殺人事件の犯人を、ってこと?」

金太郎:「んー、まぁぶっちゃけ、な」

チャーリー:「むしろ知りたいのは、どうしてここまでしなければならなかったのか、の理由のほうデスネ、個人的には」

利迎院:「それ以前に、あの死体は誰のものだったのだ」

ケイ:「それは、言えない。というか、知らない」

利迎院:「ふむ」

金太郎:「そんでケイちゃんは何であの別荘におったんや」

ケイ:「あたしはただ、ホンモノのケイさんの代わりにあそこにいっただけ」

利迎院:「ふむ。で、ケイ殿を以後は何とお呼びすればよろしいのですかな?」

ケイ:「あたしの本当の名前は――ナユ」

金太郎:「ナユ……か。じゃあ、ナユ、代わりって誰に頼まれたんや?」

ケイ→ナユ:「……あそこに行ったのは、蝶塚家のためよ」

チャーリー:「どうしてそれが、蝶塚家のためになる、と?」

ナユ:「……ケイさんがあんな風になってることを、土屋家に知られたくなかったから」

金太郎:「あんな風、っちゅーことは……婚約破棄んことか……?」

チャーリー:「それともオカルティシズムに傾倒した……それも魔術的なものに……とか?」

トム:「首と胴が離れているってことか?」

利迎院:「病によって容姿が激変したか?」

ナユ:「んーん、どれも違う。――仮にも"あの"土屋の嫁になるものが、他の人の愛人になってたんだよ? バレたらまずいでしょ?」

チャーリー:「……そういうこと、デスカ……」

利迎院:「………………まずいのか?」

金太郎:「まずいっちゅーことにしとけや」

利迎院:「いや、しかし太閤とか平気で他人の嫁を召し上げたりしてるし」

チャーリー:「では、その召し上げた嫁に、他人がさらに手をつけるのをよしとしたデショウカ?」

ナユ:「なんか、清い身体のままでとかなんとか……」(ごにょごにょ)

マコ:「チャーリーだってごにょごにょ」

チャーリー:「人にもよりますが、処女性を尊ぶ風潮は特に地位が上の人間にはありマスからね」

金太郎:「……チャーリーの趣味っちゅーわけではないんや?」

チャーリー:「ボクの趣味どうこうが絡む以前の段階で話が進んでマシタから」

金太郎:「否定はせぇへんわけやな」

チャーリー:「ん〜……他に好きな人がいるならその人と、とは思いマスガ。無理に結婚相手に、というのは嫌デス」

利迎院:「うーん? 話がわからんのだが。ケイ殿が土屋家の主筋にあたる松下殿の寵愛を受けていたことが問題、ということなのかね?」

GM:愛人関係は、育郎おじさんではなくて、梅中エンジすよ?

金太郎:すよ?

チャーリー:他に愛人関係の情報出てなかったもんね。そしてその愛人は鹿目ローラさん、のはずだったんデスケドネぇ。

金太郎:で、本物のケイちゃんは、ローラ。

利迎院:ふむ。どこら辺に問題があるのだ。

GM:梅中エンジはただの客人で、松下家とは血のつながりはないよ。

金太郎:「まぁつまり、ケイちゃん……やのうて、ナユちゃんは、はじめからああいうことが起こること知っとったっちゅーことか?」

ナユ:「まさか。本当はあたしはホンモノのケイさんとして、そこのソレといい関係になるはずだったんだし」

金太郎:「そこのソレ……。さっきのは単なるリップサービスかいな」

チャーリー:「ソレ扱い、とは酷いデスネHAHAHAHA」とアメリカンな感じで肩をすくめる。

金太郎:惨めや。

チャーリー:「ユナさんは本物のケイさんと会ったことは?」

利迎院:にゅにゅ?

金太郎:だれ?

チャーリー:ごめん、間違えた、ナユさんだ(汗

金太郎:ケイおばさん、って言ったこともあったなぁ。

GM:重ね重ね失礼なヤツだ。さすがとも思うけど。

金太郎:それでこそソレ、とも思うな、確かに。

チャーリー:まったくもって申し訳ない、返す言葉もないデス。

GM:ナユは直接ケイと会ったことはないらしいよ。

金太郎:「ほな依頼人は、本物のケイちゃんやなくて……」

ナユ:「依頼人は、蝶塚家のもの。……ケイさんのお父さん」

金太郎:「新キャラやな……」

利迎院:依頼、ってのは身代わりの方? 殺しの方?

金太郎:両方やろ。

GM:身代わりだね。少なくともナユが頼まれたのは。

金太郎:殺人はまた別のヤツに頼んだんやな。

GM:それはナユにも分からない。

チャーリー:ケイさんのお父さんにそんなに恩があったのかな、こんな依頼受けるなんて。

金太郎:金やろ。

GM:というか、ナユの家が蝶塚家の親戚なの。

トム:「な、ナユんだってー!?」

GM:裏蝶塚家とでもいうのか、表には出てこない家なんだけどね。力関係としては、土屋>蝶塚>ナユんちで――

マコ:土屋>蝶塚>ナユんち>犬>チャーリー。

GM:土屋と血縁関係を持つ為の大事な娘がどこの誰とも分からん美術商の愛人になったからこれはマズい。と。

金太郎:「殺せ、と」

ナユ:「……そこまでは言われてないけど」

利迎院:「つまり、蝶塚家がナユ殿を使って土屋家の当主(ちあり)を殺すか抱き込むかして、その地位に取って代わろうとしたということなのだな。どこの誰かもワカラン商人から女一人召し上げるためだけに、これほど大掛かりなことをせにゃならんかったのか?」

マコ:「時間を戻したりとか大掛かりな仕掛けを」

チャーリー:「おとなしくコレの相手をしてれば全て上手くいく、くらいは言われてたデスカネ」

ナユ:「……本物のケイとして添い遂げろ、とは言われた」

トム:ケイの代わりを一生しろ、と。

金太郎:ケイ殺しを隠すために偽ケイを用意した、っちゅーことやろ?

GM:えーと、違う。

利迎院:「ちょっとここで話を整理させてくれぬか。まず、土屋家次代の当主であるちあり殿の許婚として、ケイ殿がおった」

GM:んむ。

利迎院:「しかしケイ殿は本人が望んだかどうかは別として、梅中なにがしの寵愛を受ける身となっていた。ここまでは間違っておらぬよな?」

GM:うん。……ケイが家を飛び出したんだけどね。

チャーリー:あらま。そりゃなおさら隠したくなるか……。

トム:よほどチャーリーと結婚したくなかったんだな(笑)。

金太郎:17やのになぁ。

利迎院:17といえば十分な大人ではないか。

利迎院:「で、その梅中なにがしからそのケイ殿を召し上げ、当初の予定通りちあり殿に嫁がせようとしたがうまくいかなかった」

GM:梅中エンジの寵愛を受けた時点で処女でなくなったからね。しかも家を飛び出して、帰ってくる様子もない。

利迎院:「あぁ、なるほど、ケイ殿としても梅中なにがしの方がよかったということが理由か。――で、一族のナユ殿をケイ殿の身代わりとして土屋家に差し出そうとした。ケイ殿として。そういう話でよかったのだな?」

GM:OK。――ただ、ホンモノのケイが死んだことは予想外だった。……少なくともナユには。

チャーリー:「そこまでするくらい、蝶塚の家はこの婚約を実現させたかったんデスカネ」

マコ:ほんやくこんやく。

利迎院:「土屋家が松下家、あるいはその主家においてしかるべき地位にある以上、蝶塚がそう考えるのは当然のことであろう」

金太郎:本物のケイはローラとしておじさんところへ?

GM:ケイ、家を飛び出す→ローラと名乗る→育郎の秘書になる→エンジの愛人になる、の順だね。

マコ:ローラと名乗る、のところが一番痛いな。

金太郎:「いくら当主とはいえ、ソレ(チャーリー)じゃなぁ」

ナユ:「ケイさんの気持ち、分かった気がする……」

金太郎:「言うやないか(笑)。ナユんも」

トム:チャーリーってそんなに不細工なんだっけ?

GM:金髪碧眼の美青年っすよ。

金太郎:性格がな。

チャーリー:中身の問題でしょ。

トム:性格をもてあますのか。

利迎院:やはり異人の血が濃いので恐ろしかったのやも知れぬな。

マコ:腕の毛とかすごいもんね。

GM:ゴリよりヒドイ。

金太郎:……ケイちゃん、アメリカ人の血混じってるんやなかったっけ?

トム:じゃあやっぱり性格の問題か。

チャーリー:「話を戻すと、ユナさんが関わったのは入れ替わりのところだけ、死んでいたのはやっぱり……という推論は当たっていた、と」

利迎院:にゅにゅ?

チャーリー:……あれ、おかしいや。

金太郎:またかいな。おかしいのは自分の頭や。「しかし、話がここで途切れとらんか?」

チャーリー:「えっと、ユナさんが関わったのは入れ替わりのところだけ、で、入れ替わったのは確か、で――」

金太郎:いいかげんに。

ナユ:「ナユです、あたし」

チャーリー:なんかもう、自分の頭を叩き割りたい。

トム:手伝ってやろう。

金太郎:「何で本物のケイちゃんは殺されなあかんかったんや?」

ナユ:「それはあたしにも分からない」

トム:「千の無い毛がらみだろうな、それは」

金太郎:「無い毛やのうてナイフな」

利迎院:「推測するのは容易だがな」

金太郎:「ケイちゃんのおとんとか家柄ってそない怖い感じなん? 勘当すっ飛ばして殺人なんておかしいやろ」

ナユ:「厳しいけど、怖いってことはないかな」

利迎院:「おおかた梅中のほうから土屋家に何らかの脅しとかかけてきたのであろう」

金太郎:「それやったら梅中のおっさんの方が殺されるべきやろ?」

チャーリー:「おまけに、こちらに知られないように入れ替える手はずまで整えて。最初から殺すつもりなら、面倒なことをしなくても事故に見せかけるとかできたでしょう」

利迎院:「梅中に諭されたケイ殿自身が現れたとしたら?」

金太郎:「諭された?」

利迎院:「んむ。梅中に言い含められたケイ殿自身が蝶塚殿の前に現れ、全てを土屋家に話すとでも言ったのではないか」

金太郎:「しかしそれで実の娘は殺さんやろう。……せやったらやっぱり、殺人と、入れ替わりは無関係か?」

チャーリー:「そもそもそうやって話すメリットがほとんどないような?」

金太郎:メリットは金やろうけども。

チャーリー:梅中氏ってお金に困ってた?

金太郎:困ってなくてもや。

利迎院:「若いな(笑)。事実が露見すればこの話が破談になって、蝶塚家は主家を欺いたとして遠ざけられるか、ともすれば自分の配下であったナユ殿の実家の風下に立つことにもなりかねんのだぞ。子孫代々な」

金太郎:「それで実の娘を殺したんなら……、金持ちの考えることはわからん」

利迎院:「それが『家名を残す』ということだ」

金太郎:「まぁ……、葬儀を急いでたとか言うとったし、一理あるかなぁ……」

チャーリー:「蝶塚家の方が隠したがってたのは間違いないでしょうケド」

金太郎:「まぁ、その推理も裏付けはあれへんけどな。今のところ。ナユんも、『怖いってことはない』言うとったし」

ナユ:「……その、ナユんってのはなに?」

金太郎:「あれ、気に入らん?」

トム:ナユタん。

ナユ:「そんなことはないけど……初めて言われたから」

金太郎:「ほなええやん。自分はこれからナユん」

ナユ:「……ナユん……」

金太郎:「ほいで、なんか話が途切れとるんよな。ケイちゃん殺害の理由も不明確やし、ナイフとハゲの組織は全然からんどらんし……。あ、謎の怪光線もか」

利迎院:「殺害の理由は述べたではないか」

金太郎:「推測に過ぎん」

利迎院:「では、その推測を事実と確かめるにはどうすればよいか?」

金太郎:「知るかいな。そんなん自分で考え」

利迎院:「冷たいな」

金太郎:「ナユんは、あの光の後の記憶はあるか?」

ナユ:「あの光?」

金太郎:「別荘でや、梅中のおっさんの部屋でひと悶着あったやろ? それ以降――」

ナユ:「ああ。――あたしは時を移動していないから、あるよ」


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