MOND REPLAYV

GM:「奥の階段を上ると、またまた石畳の部屋。正面に『第参の間』の扉で、左に『関係者以外立ち入り禁止』の扉」

サンダユウ:「『第参の間』に決まっている」

GM:「まだ戦うか……愚か者どもめ……(笑)」

サンダユウ:「だって、立ち入り禁止だもんねえ」

リューセ:「私たち、関係者じゃないもんねえ」

GM:「はい、それじゃことわざ四天王withTの一人、“のれんに腕押し”のレンさんだ」

アルバス:「男?」

GM:「男。やせ形の魔法使い。美形ではない」

アルバス:殺せ

サリース:「いきまーす!」

ゼナ:「四天王のくせに、存在感がないですね(笑)」

サリース:「攻撃、開始!」

GM:「うーん……逃げる(笑)。魔法使いが1人だけじゃ、とてもかなわないもん」

サリース:「だったら勝手にしなさい。美形じゃない男なんて、追う気にもならないわ」

GM:「てーことで『第参の間』は終わり!」
 

 いーのか? そんなんで……。
 

GM:「奥の階段を上ると、石畳の部屋。正面に『第四の間』の扉で、左に『関係者以外立ち入り禁止』の扉」

サンダユウ:「そろそろ関係者になろうかなぁ。さっき関係しちゃったしぃ」

サリース:「『関係者以外──』の方に行ってみようか」
 

 扉を開けると、非常階段が上下に続いている。
 

サリース:「上行こっか」

GM:「階段を上るとそこで行き止まり。で、扉を開けると石畳の部屋で、左に『第伍の間』の扉。今開けたのが『関係者以外──』の扉ね」

リューセ:「4階飛ばしちゃったんだ」

サリース:「ここが最上階なのか。『第伍の間』には行かないといけないみたいね」

アルバス:「『第伍の間』──め組の大吾がいっぱいいたらイヤだな……」

GM:「ぎいいいい……。さあ出でよ!  “ぬかに釘”のカーク“豆腐にかすがい”のトッフル!」

サリース:「2人も !?」

ゼナ:「しかも相変わらず安直なネーミング!」

GM:「さらにさっきやられたミミ、ヤカゼ、レンの三人もいる。雪辱戦だ!」

サリース:「ヤカゼって、死んでなかったの?」

GM:「死んではいないよ。気絶してただけ」

リューセ:「なんかもう帰りたい……」

サリース:(ぽんと手をたたいて)「あ、帰らなくちゃいけないんだっけ、あたしたち」

サンダユウ:「あの女は俺に任せろ!(笑)」

リューセ:「戦って勝たないと、帰れないのかなぁ……」
 

 そんなことは全然ない。『関係者以外立ち入り禁止』の非常階段を下りて1階に行けば、外に出られるのである(笑)。
 

サンダユウ:(ミミをびしっと指差して)「ワタシの進む道は希望の光にあふれている。未来に続く希望の光だ!

サリース:男どもは血祭りに上げて、女の人はもう1回かわいがる!

GM:げ、外道……
 

 こうして3対5の戦いが始まったのだが、今度は四天王withTも負けてはいない。
 5人そろって初めて使える必殺技、『ことわざフィールド』(何をやってもムダ、という意味のことわざがそろうと、全ての攻撃を跳ね返すバリアが張れるのだ)で応戦。
 PCたちは手の出しようがなくなり、戦いは膠着状態におちいった……
 

GM:(そろそろいいか)「と、そのとき! 天井がどごぉぉぉぉぉんと吹っ飛び──どうやらミサイルで吹っ飛ばしたらしい──、一台のバイクが降ってくる。写真で見た少女──リルルとゼナが乗ってるね」

サリース:「なっ、なにごと!?」

GM:「んで、天井が崩れたショックで塔全体が──ここは塔だったのだ──崩れ始める」

リューセ:「ほえ?」

GM:「さらに四天王withTが立っていた床がずごっと抜けて、5人は奈落の底に……」

サリース:「ちょっとちょっと?」
 

 ひゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる…………ごめっ。
 

サリース:「な、なんだかなぁ……」

 そのころのエスペルプレーナ──
 

アルバス:「ユンケ、ガンバ、ごはんだよー!」

ユンケ・ガンバ:「「クルックー♪」」

ゼナ:「みんな、無事ですか?」

サンダユウ:(女装したゼナを見て)「出会う前から好きでしたぁ!」

GM:「……それは女装する前からってこと……?」

ゼナ:「やめてください(キッパリ)。──それよりサンダユウ、探してた姫を見て、何か言うことはないんですか?」

サリース:「そういえば、何も反応しないわね」

サンダユウ:「ふっ、俺は知っているのさ。あの姫と呼ばれている者の股についてるモノを」

GM:「こらこら」

リューセ:「何がついてるのよ」

ユンケ・ガンバ:「「お宝?」」
 

 ちょっと待てい!
 

サンダユウ:「と、オチがついたところで帰りますか」

リューセ:「そうしようそうしよう。おなかすいちゃったぁ」

サリース:「えーとつまり……姫はひとりで脱出してたってこと?」

GM:「そ。で、バイクに乗ってみんなを助けにきたの」

ゼナ:「すごいかも……」

GM:「ハンドル握ると性格変わるんだよ、きっと」

サンダユウ:「助けようとしてた人に助けられるとは、何とも情けない」

リューセ:「詳しい話は船に戻ってからにしようよ」

サリース:「そうね」

アルバス:「結局オレ、何もしなかったな……」
 

 次の日の朝──
 

GM:「さて、朝ごはんを食べてると、船がガタガタと揺れ始める。どうもエンジンの調子が悪いらしい」

ゼナ:「それは困りましたね。──ボク、見てきます」

サンダユウ:じゃ、俺は女性陣の下着をあさりに行ってきます

サリース:「ちょっと待たんかい」

リューセ:「さらっと何を言ってんのよ、何を」

サンダユウ:「でも行っちゃう」

GM:「ではエンジンルームだ。調べるなら判定してみて」

ゼナ:(コロコロ)「クリティカル。成功度は50です」

GM:「輝石の力を動力部に伝える部分が壊れてるみたいだね。このへんはまだブラックボックスで、ゼナの知識ではどうしようもない」

サンダユウ:「下着をあさる〜。(コロコロ)ファンブル……?」

GM:「そりゃなんだ……見つかったのはジャッハさんの下着ってことか?
 

 一同、大笑い。
 

GM:「で、エンジンルームだ。ジャッハがやってきて、『後はやっておくから、朝食をすませてきなさい』」

ゼナ:「じゃあ……頼みます」

GM:「んで、みんなで食事をしていると──」
 

 バチバチバチ…… ボォン!
 

ゼナ:「な、なに?」

アルバス:「カリストパラス、状況を知らせろ」

カリストパラス:『エンジンルームで放電事故です』

ゼナ:「ジャッハさん!」
 

 エンジンルームに駆けつける一同。そこには──
 

GM:「黒焦げになったジャッハさんが……」

ゼナ:「あはは、顔、真っ黒ですよ」

GM:「コントみたいにチリチリ頭になってるとでも思ってるわけ? ……黒焦げになって、死んでるんだよ」

ゼナ:「え………?」

サリース:「死ん……でる……?」

一同:「ええ………!?」

アルバス:「蘇生は無理だ。オレのレベルじゃどうしようもない」

リューセ:「どうしよう……? 困ったね……」

アルバス:「埋葬だな、これは」

サリース:「そうね。とりあえず埋葬するとして……船長はどうしよう。姫にやってもらおうかな。姫、どうしましょう?」

GM:「ヒドイこと言うなぁ。知り合いが死んだばっかりの女の子にそういうこと言うか?」

ゼナ:「普通かばいますよね。見ちゃダメだ、とか」

アルバス:「ユンケとガンバは姫さんを部屋に連れていってくれ。ゼナは原因の究明。サンダユウとサリースはここの片付け。リューセは埋葬の準備。以上だ」

サリース:「あんたは?」

アルバス:「オレ? オレの仕事を指示した覚えはない。よって、仕事もない」

サリース:「あんたね……」

ゼナ:「埋葬は早すぎるのでは?」

リューセ:「とりあえずダメもとで回復魔法を3連発」

GM:「ムダだね。もう、息をしてない」

ユンケ・ガンバ:「「さて。ここで冷静に考えてみよう。 彼が死んで、何か困ることはあるのかな?」」

アルバス:「何もないな。コインがあるから船は動かせるし」

サンダユウ:「エンジンが壊れると困るけど、船長がいなくても困らないな……」

サリース:「姫に船長やってもらおうか」

リューセ:「ていうか、人間として何か大事なものが欠落している気がするの

GM:「とりあえず悲しめよっていう……」

アルバス:「そうは言っても……この人とは2、3日一緒に過ごしただけだからな……」

サリース:「まだ現実感わかないのよ、きっと……」

アルバス:「死体は封印して、埋葬する。それで、いいな……?」

 埋葬がすんで……
 

GM:「身元の整理をしよう。この船の元乗組員たちの物もまだ部屋に残ったままだしな」

サリース:「そうなの?」

リューセ:「ねえ、姫とジャッハさんてどういう関係だったの?」

GM:「同じ船の乗組員」

リューセ:「それで、なんで姫なの?」

GM:「えーとね……始めはなんかサンダユウがそう呼び始めたらしい。で、みんなに広まっていった、と」

リューセ:「ふーん……。そうなの、サンダユウ?」

サンダユウ:「覚えてない。記録されていません」

リューセ:「詳しいことは何も分かんないか……」

GM:「で、ジャッハの部屋を整理してるとだね、1枚のディスクが見つかる」

ゼナ:「それはカリストパラスに解析を頼もう」

GM:「解析の結果によると、これは『大いなる遺産』についてのものらしい。内容は次の通り──」
 

 大いなる遺産──それは“願い”をかなえるもの

              それは“クーア”とともにあるもの
 

ゼナ:「クーア?」

GM:「水晶でできた十字架らしい。リルルの胸にも下がってる」

リューセ:「この、ペンダントのこと?」

GM:「そう。クーアとは『水晶の十字架』であり、『大いなる遺産』のありかを示す鍵である」
 

 第1の鍵──行方不明

 第2の鍵──リルルの胸に

 第3の鍵──アガートラーム

 第4の鍵──パラスアテナ 

 第5の鍵──モト
 

GM:「ディスクの解析はここで終わってる」

サリース:「つまり、『水晶の十字架(クーア)』を全部集めて、行方不明の1つ目を探し出さないと、『大いなる遺産』は手に入らないわけ?」

GM:「まあ……そうなるかな」

サリース:「めんどくさいな……」

ゼナ:「1つはこっちの手にあるんだから、放っておけばいいんじゃないですか?」

GM:「いや……そりゃそうなんだけどね……」

ユンケ・ガンバ:「「それとも敵が全部集めたところで奪うとかね」」

サリース:「それはさすがにやっちゃいけないと思うんだけど」

ゼナ:「GM、我々が外道パーティーであることを忘れてたね」

GM:(こいつらってば……。さ、気を取り直してっと)「えーと、それから、エンジンの調子が悪いため、コインによるカリストパラスの機動および『戦闘モード』への移行は、1セッションにつき1回とさせてもらうからね」

サリース:「エスペルプレーナ使って無茶されないように、あらかじめ釘を刺しとこうってことね」

GM:「そゆこと。何でもかんでも好き放題ってのはできなくなったんで、あしからず」

サリース:「まさか……そのためだけにジャッハさんを殺したの?」

GM:「いや、違うよ」(それもあるけど、他にも理由はあるんだよん)

ゼナ:「第3の鍵──アガートラームって、街の名前?」

GM:「そう。イルダーナを出て、南東の方角かな」

ゼナ:「次の目的地はそこか……」
 

 イルダーナを離れ、エスペルプレーナは進んでいく。

 旅はまだまだ、始まったばかりだ───

 be Continued……
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