MOND REPLAYV


chapter06

[心のままに]

パラスアテナ編

だからブルーにならないで

いつだって  どこだって
心のままに  信じるままに

 早いもので、第三部が始まってから1年が過ぎた。今回はプレイヤーAとGが不参加(Gは結局一度も参加していない)。その代わり、新たにプレイヤーPが加わった。
 

GM:「ホントはサンダユウをやってもらおうと思ってたんだけど、プレイヤーAが『他の人にやらせるぐらいならサンダユウを殺して(壊して)くれ』って言うんだよね。だからウェンディをやってね」

プレイヤーP(以後ウェンディ):「分かりました。よろしくお願いしまーす」

GM:「んで、プレイヤーAがいないんで………サンダユウのことは忘れてくれ(笑)」

アルバス:「言われるまでもない」

リューセ:「きっと船のどこかでフリーズしてるのね(笑)」

サリース:「で、誰も探しにいかないと(笑)」

ゼナ:「いないことにすら気づかないんじゃ?(笑)」

GM:「ま、そんなことはどうでもいいとして……(そうなのか?)。サリース、結局みんなに元娼婦だってこと話したの?」

サリース:「うーん……話してない」

アルバス:「でもみんな知ってる、と。今更聞いたところで誰も驚かない」(うんうんとうなずく一同)

GM:「ではではそういうことで、今回の話を始めるとしますか。前回君たちは──」

アルバス:「前回なんて知りませーん! 今回から新キャラでーす!」(←大嘘つき)

ゼナ:「でもさ、1回話の流れを整理してくれない?」

GM:「いいよ。えーと──イシュタルを旅立った君たちはイルダーナという街にたどり着いた。そこでサンダユウと姫──リルルに出会い、ジャッハが死んだ、と。あと『ことわざ四天王withT』と意味のない戦闘をしたんだよね(笑)」

ゼナ:「それで逆に姫に助けられたんだっけ」

アルバス:「オレは留守番してた」

GM:「で、『クーア』を探すため、次の街アガートラームでブラマーに潜り込んだ」

アルバス:「ブラックマーケット略してブラマーだな」(←普通は略さない)

GM:「あと下水道で『標語衆』とかいう連中と出会ったりもした」

アルバス:(遠い目をして)「そーいや店にいた若い兄ちゃんを脅したりもしたなぁ」

サリース:「アルバスってとことん外道だよね。仕事しないし」

アルバス:「なにおう。今回からオレは品行方正、決して外道とは呼ばせない!  『私が歩く道徳です』という働きをしてやる!」
 

 一同、大笑い。
 

アルバス:「なぜ笑うー!」
 

 そりゃ笑うわな……。




GM:「そんじゃ改めて、話を始めるぞよ。今日も今日とて、朝が来るわけだが……」

ユンケ・ガンバ:「「さ、今回はどんな夢かな?」」

サリース:「毎回恒例、アルバスの夢ね」

GM:「さてアルバス。君は何か怖い夢を見たらしく、汗びっしょりで飛び起きた」

アルバス:「うを!? どこだここは?」

GM:「自分の部屋だよ」

リューセ:「きっと周りに何かヘンなのがいるんだと思うな──ユンケとかガンバとかサリースとか」

GM:「残念ながらいないよ。──てなわけで朝ごはんだ」

サリース:「あっさりと朝食になったわね」

GM:「うん。──ゼナは今日もコーンフレーク?」

ゼナ:「ええ、基本ですから。……メイドさんがいると楽でいいですね」

ウェンディ:「わたしのこと?」

GM:「ウェンディはオペレーター兼メイドだ」

アルバス:「メイドはいいとして、オペレーターって……誰と通信するんだ?」

GM:「さあ?(笑)」

サリース:「あのね、あたしとリューセがトーストで、アルバスは──」

アルバス:「紀州の梅がいいな」(←ねーよ(笑))

ウェンディ:「たくさんの種類作らないといけないから大変ですね」

サリース:「あたしも手伝うから」

アルバス:「手伝うも何も元々はお前の仕事だろ」
 

 そんなこんなで──
 

ゼナ:「今朝はユンケとガンバはどこにいるんだろ?(笑)」

リューセ:「今日はここかな〜──食器棚の中とか」

サリース:「皿の裏とか」

リューセ:「コーンフレークの牛乳の中とか」
 

 そこへひょこっとユンケ登場。今日は忍者の格好(色はピンク)をしている。
 

ユンケ:「わたいと、あそぼー!」

一同:「は、はい〜!?」

ユンケ:(ジャムの瓶と、牛乳の瓶と、ドラム缶を並べて)「さあ、虫けらガンバちゃんはどこにいるでしょう〜? どれに入っているか当てるのだ〜!」

リューセ:「うーん……ジャム?」

GM:「牛乳瓶、かな」

サリース:「ユンケの肉球の中!」

ユンケ:「正解は──(ドラム缶をちょっと持ち上げて)ドラム缶と床のスキマでした〜!」

一同:(爆笑)

ユンケ:「虫ってこういうところに隠れたがるよね♪」

リューセ:(ひとしきり笑った後)「あ、あいかわらずハードな朝食だわ……」

GM:「──さて、みなさんお忘れでしょうが、リューセは記憶喪失です」

リューセ:「それは忘れていました♪」

サリース:「本人がぜんっぜん気にしてないから、すっかり忘れてたわ」

GM:「それが今日に限って、はげしい頭痛に襲われたりするんだな」

リューセ:「ほえ?」

GM:「んで、記憶の一部らしきものが、フラッシュバックする」

アルバス:「で、プレイヤーはイスから転げ落ちる」(←落ちない落ちない) 

ゼナ:「月桂冠をかぶった髭面の男が見えたりして(笑)」

サリース:「さらに歌ってるのね(笑)」

ユンケ・ガンバ:「「さらに全裸でシールド張ってるのね(笑)」」

アルバス:「オペラ時空だな」

ユンケ・ガンバ:「「時空とは名ばかりで、バリアだったんだね、あれは」」
 

 一応解説しておくと、彼らが話題にしているのは第一部二部に登場したオペラ歌手、オペリオビッチ=ハイドレンジャーのことである。第三部におけるユンケ・ガンバのような存在だったんだよね、彼は。
 

ウェンディ:「リューセさん、大丈夫ですか?」(←唯一まとも)

リューセ:「あたまいたいです〜」

サリース:「あたしも一応心配するけど……?」

リューセ:「ほえほえ〜」
 

 リューセが思い出したのはこんな光景だ。

 ある朝の一場面。誰かと朝食を食べているらしいが、それが誰なのかは分からない。

 ふわふわのパン。甘いイチゴのジャム。リンゴの香りがする紅茶──



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