いつだって どこだって
心のままに 信じるままに
早いもので、第三部が始まってから1年が過ぎた。今回はプレイヤーAとGが不参加(Gは結局一度も参加していない)。その代わり、新たにプレイヤーPが加わった。
GM:「ホントはサンダユウをやってもらおうと思ってたんだけど、プレイヤーAが『他の人にやらせるぐらいならサンダユウを殺して(壊して)くれ』って言うんだよね。だからウェンディをやってね」
プレイヤーP(以後ウェンディ):「分かりました。よろしくお願いしまーす」
GM:「んで、プレイヤーAがいないんで………サンダユウのことは忘れてくれ(笑)」
アルバス:「言われるまでもない」
リューセ:「きっと船のどこかでフリーズしてるのね(笑)」
サリース:「で、誰も探しにいかないと(笑)」
ゼナ:「いないことにすら気づかないんじゃ?(笑)」
GM:「ま、そんなことはどうでもいいとして……(そうなのか?)。サリース、結局みんなに元娼婦だってこと話したの?」
サリース:「うーん……話してない」
アルバス:「でもみんな知ってる、と。今更聞いたところで誰も驚かない」(うんうんとうなずく一同)
GM:「ではではそういうことで、今回の話を始めるとしますか。前回君たちは──」
アルバス:「前回なんて知りませーん! 今回から新キャラでーす!」(←大嘘つき)
ゼナ:「でもさ、1回話の流れを整理してくれない?」
GM:「いいよ。えーと──イシュタルを旅立った君たちはイルダーナという街にたどり着いた。そこでサンダユウと姫──リルルに出会い、ジャッハが死んだ、と。あと『ことわざ四天王withT』と意味のない戦闘をしたんだよね(笑)」
ゼナ:「それで逆に姫に助けられたんだっけ」
アルバス:「オレは留守番してた」
GM:「で、『クーア』を探すため、次の街アガートラームでブラマーに潜り込んだ」
アルバス:「ブラックマーケット略してブラマーだな」(←普通は略さない)
GM:「あと下水道で『標語衆』とかいう連中と出会ったりもした」
アルバス:(遠い目をして)「そーいや店にいた若い兄ちゃんを脅したりもしたなぁ」
サリース:「アルバスってとことん外道だよね。仕事しないし」
アルバス:「なにおう。今回からオレは品行方正、決して外道とは呼ばせない!
『私が歩く道徳です』という働きをしてやる!」
一同、大笑い。
アルバス:「なぜ笑うー!」
そりゃ笑うわな……。
GM:「そんじゃ改めて、話を始めるぞよ。今日も今日とて、朝が来るわけだが……」
ユンケ・ガンバ:「「さ、今回はどんな夢かな?」」
サリース:「毎回恒例、アルバスの夢ね」
GM:「さてアルバス。君は何か怖い夢を見たらしく、汗びっしょりで飛び起きた」
アルバス:「うを!? どこだここは?」
GM:「自分の部屋だよ」
リューセ:「きっと周りに何かヘンなのがいるんだと思うな──ユンケとかガンバとかサリースとか」
GM:「残念ながらいないよ。──てなわけで朝ごはんだ」
サリース:「あっさりと朝食になったわね」
GM:「うん。──ゼナは今日もコーンフレーク?」
ゼナ:「ええ、基本ですから。……メイドさんがいると楽でいいですね」
ウェンディ:「わたしのこと?」
GM:「ウェンディはオペレーター兼メイドだ」
アルバス:「メイドはいいとして、オペレーターって……誰と通信するんだ?」
GM:「さあ?(笑)」
サリース:「あのね、あたしとリューセがトーストで、アルバスは──」
アルバス:「紀州の梅がいいな」(←ねーよ(笑))
ウェンディ:「たくさんの種類作らないといけないから大変ですね」
サリース:「あたしも手伝うから」
アルバス:「手伝うも何も元々はお前の仕事だろ」
そんなこんなで──
ゼナ:「今朝はユンケとガンバはどこにいるんだろ?(笑)」
リューセ:「今日はここかな〜──食器棚の中とか」
サリース:「皿の裏とか」
リューセ:「コーンフレークの牛乳の中とか」
そこへひょこっとユンケ登場。今日は忍者の格好(色はピンク)をしている。
ユンケ:「わたいと、あそぼー!」
一同:「は、はい〜!?」
ユンケ:(ジャムの瓶と、牛乳の瓶と、ドラム缶を並べて)「さあ、虫けらガンバちゃんはどこにいるでしょう〜? どれに入っているか当てるのだ〜!」
リューセ:「うーん……ジャム?」
GM:「牛乳瓶、かな」
サリース:「ユンケの肉球の中!」
ユンケ:「正解は──(ドラム缶をちょっと持ち上げて)ドラム缶と床のスキマでした〜!」
一同:(爆笑)
ユンケ:「虫ってこういうところに隠れたがるよね♪」
リューセ:(ひとしきり笑った後)「あ、あいかわらずハードな朝食だわ……」
GM:「──さて、みなさんお忘れでしょうが、リューセは記憶喪失です」
リューセ:「それは忘れていました♪」
サリース:「本人がぜんっぜん気にしてないから、すっかり忘れてたわ」
GM:「それが今日に限って、はげしい頭痛に襲われたりするんだな」
リューセ:「ほえ?」
GM:「んで、記憶の一部らしきものが、フラッシュバックする」
アルバス:「で、プレイヤーはイスから転げ落ちる」(←落ちない落ちない)
ゼナ:「月桂冠をかぶった髭面の男が見えたりして(笑)」
サリース:「さらに歌ってるのね(笑)」
ユンケ・ガンバ:「「さらに全裸でシールド張ってるのね(笑)」」
アルバス:「オペラ時空だな」
ユンケ・ガンバ:「「時空とは名ばかりで、バリアだったんだね、あれは」」
一応解説しておくと、彼らが話題にしているのは第一部二部に登場したオペラ歌手、オペリオビッチ=ハイドレンジャーのことである。第三部におけるユンケ・ガンバのような存在だったんだよね、彼は。
ウェンディ:「リューセさん、大丈夫ですか?」(←唯一まとも)
リューセ:「あたまいたいです〜」
サリース:「あたしも一応心配するけど……?」
リューセ:「ほえほえ〜」
リューセが思い出したのはこんな光景だ。
ある朝の一場面。誰かと朝食を食べているらしいが、それが誰なのかは分からない。
ふわふわのパン。甘いイチゴのジャム。リンゴの香りがする紅茶──