ウェンディ:「誰と食べていたかは思い出せないのね?」
GM:「うん。ただ、おいしかったなぁ〜って」
ゼナ:「手掛かりにならないね、それじゃ」
リューセ:「役に立たない記憶……」
ゼナ:「てことは──ものすごく苦しい中で、そういうおいしかったことを思い出してるわけですね」
サリース:「幸せなのか不幸なのか分かりゃしない」
リューセ:「複雑です〜……いたたたたた……」
サリース:「部屋に連れていって休ませるね。でもヘンなことはしない……さすがにね」
GM:「ほぉーう」(疑いのまなざし)
リューセ:「でもこれじゃ索敵のお仕事できないね。残念ですぅ」
サリース:「いてもいなくても一緒だって説もあるけど?」
GM:「……それはみんながみんなに言えることなんじゃ……」
アルバス:「何を言う。好人物を絵に描いたようなオレがいながら」
サリース:「好人物って言うより奸物って気がするけど……」
・奸物──何かにつけて、悪知恵を働かそうとする人。姦物とも書く。
GM:「リューセはリタイヤだね。しばらく休んでて」
ゼナ:「えーと、何か途中になってたものってありましたっけ? ディスクの解析とか」
GM:「ディスクの解析は特に進んでいない。次の街にもクーアがあるらしいということぐらい。君にとって今一番重要なのは、リルルとの仲をどう進展させるかということかな」
サリース:「やっぱくっつけてあげないとね」
ゼナ:「いいですよぉ、余計なことしないで……。サリースさんが絡むとかえってややこしく───ってうわぁー、ユンケが何か緑色の液体飲んでる〜!」
リューセ:「あ、青汁、かな……?」
ユンケ:(ふるふるっと首を横に振って)「お風呂にあったいい匂いのする緑色の粉を溶かしたんだわさ♪」
アルバス:「バス〇リンか!」
リューセ:「肩凝りに効きそうね……」
GM:「ま、まあそんなこんなで──」
アルバス:「日が暮れる」
GM:「暮れない暮れない。……暮れてもいいけど」
ウェンディ:「わたし……このノリについていけない……かも……」
GM:「さらに半日ぐらい進むと、パラスアテナの街が見えてくる。ここは軍事都市で、軍隊が統治しているキビシー所だ。で、門番というか衛兵みたいな人が近づいてきて、『誰か代表者、出て来てくれ』とか言ってるけど?」
サリース「あたしが行こうか?」
アルバス:「三番主砲、左旋回!」
サリース:「いきなりケンカ売ってどーすんのよ」
ユンケ・ガンバ:(手を挙げて)「「はいはい、ここで重大な問題に気づきましたぁ」」
GM:「なに?」
ユンケ・ガンバ:「「このパーティー、未成年者しかいないんだけど」」
GM:(パンッとユンケとガンバの肩を叩いて)「君たちがいるだろ、48歳!」
ユンケ・ガンバ:「「やっぱりそうか。では我々が代表者ということで……」」
サリース:「……やっぱりあたしが行くわ」
GM/衛兵:「『通行証か身分証明書を見せてください』」
サリース:「そんなもんあるの? バイクの免許じゃダメ?」
GM:「このメンバーで持ってるのは、ゼナぐらいかな」
ゼナ:「じゃあ……ボクが出ます」
GM:「んじゃ、ゼナの身分証明書を受け取って、でも『子供、だよなぁ』っていう顔でゼナを見て、『上の人に聞いてくるから、ちょっと待っててくれ』とのこと」
ユンケ・ガンバ:(ゼナにジャッハのつけヒゲを渡して)「「これで大人、だわさ」」
ゼナ:「これじゃダメ? これじゃダメ? ──って毒されてるなぁ、ユンケとガンバに……」
GM:「しばらくして衛兵が帰って来る。『通っていいぞ』」
GM:「船はドック──駐車場みたいなものだな──へどーぞ」
サリース:「なんか気になるから聞いとこ。──何かあったんですか?」
GM/衛兵:「『いや、別に……』」
サリース:「なーんか気になるなぁ。また今回あたりゼナパパが出てきそうな気が……」
GM:「あ、そうそう、ゼナパパに『ゲオルグ』って名前がついたから」
アルバス:「モビルスーツ?」
GM:「それはゲルググ」
ゼナ:「ゲオルグを英語に直すと?」
アルバス:「ゲ・オ・ル・グ───ジョルグ?」
サリース:「ジョルグじゃなくてジョージ! ……今ホンキでボケたわね?」
ゼナ:「それってドラえもんをデュリーマンって読むようなものですよ……」
「ゼナで元気」は所ジョージ、ということだ。
サリース:「さて、街に入れたのはいいとして……。食料なんかはこの間買ったよね。てことは当初の目的は──」
GM:「『クーア』探し、だね」
ゼナ:「何で『クーア』を集めてるんだっけ?」
アルバス:「オレが世界征服をするため」
GM:「違う。『大いなる遺産』を探す鍵だからだよ」
ゼナ:「7つ集めると願いが叶う」
ウェンディ:「7つ? 正確な数は分かってないんですよね」
GM:「うむ。現在確認できているのは、ディスクの情報を信じるなら5つ。そのうち1つは行方不明。君たちの手元にあるのが2つ。リルルと──誰が持ってるの?」
リューセ:「私です」
GM:「了解した。──さて、街の中は活気がない。若者の姿が少なく、あちらこちらに兵士がいるのが見える」
サリース:「徴兵でもしてるのかな? ……どこかと戦争でもするつもりだったりして」
アルバス:「武器とか持ってて大丈夫なのか? 取り上げられたりしない?」
GM:「それは大丈夫。──でね、この世界の一般常識として知っててほしいのは、ここ、パラスアテナは軍事都市だから、他の街──アガートラームとかイルダーナとかよりは立場的に上なの。軍事力で押さえ込んでるとも言う。でも一番上なのは貴族都市モトの貴族たちなのだ──ということを頭のどこかに置いといて」
アルバス:「モト冬樹?」
GM:「ちゃうがな」
ゼナ:「一番偉いのは貴族さんだってことですね?」
GM:「ま、そーゆーこと」
サリース:「でもそーすると困ったな。情報が集めづらいかも」
アルバス:「オレにまかせろ」
サリース:「またそーゆーこと言うし……」(信じてないらしい)
リューセ:「でも今回から心を入れ替えるって言ってたよ」
アルバス:「──誰が?」
ゼナ:「これだから……」(あきれてる)
GM:「そーやってブラブラしてるとだね、何やら兵士と若い男がもめている。で、若い男がずるずると連れていかれたりしてるんだが──会話の端々から察するに、どうやらその男はことわざ教徒らしい」
アルバス:「ことわざ教徒は軍隊からにらまれてるのか?」
GM:「うとまれてはいるみたいだね。ことわざ教徒ってだけで捕まってるし」
一同:(苦笑)
サリース:「裏では結構悪いことやってるみたいだもんねぇ」
ユンケ・ガンバ:「「でも、うちのパーティーの方が外道だよ?」」
アルバス:「そんなことはさておいて、買い出しでもしようよ」
サリース:「それはもう済んでるんだけど……服でも見にいく?」
GM:「──てなかんじでウロウロしてると、懐かしい連中にバッタリ出会ったりするんだな」
アルバス:「あ、“素敵な笑顔”だ」
サリース:「標語衆の4人ね」
GM:「そう。ルガー、ツェンカー、バイン、マーゴの4人だよ」
ルガー:「おや、また会いましたね」
ユンケ・ガンバ:「「おひさしぶりだわさ、メンズ5のみなさん」」
ゼナ:「1人足りないって(笑)」
ツェンカー:「こんなところで立ち話もなんですし、どうです、一緒に昼飯でも」
アルバス:「おごりね」
一同:「わーい、わーい」
ツェンカー:「え、ええ……いいですよ」
てなわけで、近くにあったちょっと高そうなレストランへ──