一同それぞれ自己紹介。そこへエノクがやってくる。
きこり(オードー):「あ、おつかれさんです」
エノク:「おやおや。大変なことになってるじゃないですか」
サリース:「あ、エノクさん。修理、どのくらいで終わりそうです?」
エノク:「そうですねェ……うーん…………でもいい『船』だなァ……」
リューセ:「そうでしょう?」(にこにこ)
エノク:「ええ。こんな立派なVLSは見たことないですよ」
ゼナ:「ぶいえるえす?」
アルバス:「VLS──ヴァーチャル・ロング・シップ。現実には存在しない長い船」
エノク:「VLS──VerlorenSchiff(フェアローレン・シフ)。つまり遺失船のことです」
リューセ:「なるほど……。そういったことにはお詳しいんですか?」
エノク:「一応学者ですから」
リューセ:「そんな中でもこんないい『船』は見たことない?」
エノク:「ええ。こんな立派な『船』初めてですよ」
リューセ:「そうでしょう? ホントにこの子は──」
アルバス:「そんなことはどうでもいい。早く直せ」
一同:「………………」
エスペルプレーナを地下のドックに移し、修理開始である。
エノク:「……えーと、中を見せてもらっていいですか?」
ゼナ:「それじゃ、ボクが案内します」
リューセ:「ここが犠牲者がひとり出たエンジンルームです」
ゼナ:「しかもまだ片付けていません」
リューセ:「埋めたでしょ……?」
ゼナ:「ジョークでーす……」
エノク:「………………」
と、そこへ――
男の声:「ただいまー!」
女の声:「あら、お客さんみたいよ」
サリース:「誰か帰ってきたみたいね」
リューセ:(ぱたぱたと走っていって)「お帰りなさーい。遅かったですね……」
サリース:「リューセそれ、マジボケ……?」
リューセ:「ほえ?」
エノク:「レオ、アン、お帰りなさい」
レオ:「先生、ただいま。資料を借りてきましたよ。……こちらの方たちは?」
サリース:「『船』の修理を依頼しにきた者です」
エノク:「レオ、なんとVLSですよ。しかもアールマティ製のプロトタイプです」
レオ:「それはスゴイですね! どこにあるんです? ドックの方ですか?」
エノク:「ええ。私は資料を取ってきますから、あなたは先に行っててください」
レオ:「はい! ──あ、先生、これ、『大いなる遺産』の資料……」
エノク:「とりあえずそっちは後回しですね。貸してください、持っていきますから」
アルバス:(小声で)「大いなる遺産……?」
アン:「あらあら大騒ぎね。それじゃ私は夕飯の準備でもしようかしら。みなさんも食べていってくださいね」
オードー:「料理はおらがします。アンさんはァ休んでてください」
アン:「あら、でもたまには……」
オードー:「出産前の大事な体だかんら。無理しねえで」
アン:「それじゃ……今夜もお願いします」
レオは学者志望の青年。アンはその妻で妊娠中。今月出産予定。2人もやはりエノクの家に居候している。
サリース:(自己紹介したあと)「ところでアンさんのそのペンダント……ひょっとして……」
アン:「え、これですか? これはレオが安産のお守りにくれたモノですけど……」
GM:「海底から引き上げたVLSの残骸にあったらしい──と言ってるが、どう見ても『クーア』です」
サリース:「やっぱり!」
ゼナ:「そういえば、今誰が持ってるんです?」
リューセ:「私と──」
リルル:「あたし」
アン:(リューセの『クーア』に気づいて)「あら、あなたも赤ちゃんが?」
リューセ:「ほえ?」
サリース:「いえ、これは安産のお守りじゃ──」
アルバス&リューセ:(小声で)「「ちッ、バレたか……」」
サリース:「ちょっとちょっと……。──……それともまさかホントに……?」
リューセ:「実は………………ぽっ」
アルバス:「何も言わずに部屋を去る」
サリース:「アンタら怪しすぎ(笑)」
アン:「ずいぶんとお若い夫婦なのね」
リューセ:「ほほほほほ」
そのころ──
エノク:「おや、そのペンダント……」
リルル:「え?」
エノク:「アンも同じモノを持ってるんですよ。……アナタも妊娠してるんですか?」
リルル:「は?」
エノク:「それ、安産のお守りでしょ?」
ゼナ&リルル:「「違います!」」
んで……
サリース:「いつごろ産まれるんです?」
アン:「もうすぐですよ。いつ産まれてもおかしくないってゆー……」
サリース:「臨月だったんだ……」
オードー:「産まれながったら、おらが斧で腹かっさばきます」
GM:「こらこら」
オードー:「おら、世間知らずだから……」
サリース:「そーゆーモンダイ……?」
アルバス:「なんて外道なヤツだ」
リューセ:「それは人として間違ってると思うの」
GM:「……お前らが言うか……?」
オードー:「ところでお前さんたち、今日はここに泊まるんだか?」
リューセ:「しばらくお世話になります」(即答)
サリース:「『船』直らないとどこにも行けないしね。その間、家事ぐらいは手伝いますから」
アン:「でも……家事はほとんど全部オードーさんがやってくれてるから……」
リューセ:「そうなんだ……。なんてよくできた居候!」
オードー:「世間知らずなもんで」
リューセ:「私たちが、連れ回して教えてあげる必要があるわね────世間て何なのか」
サリース:「……ちょっとちょっと……」
GM:「そういうコワイことはやめてくれ(笑)」
などと雑談しているうちに、オードーの料理が完成した。
オードー:「さ、できただよー」
GM:「料理のデキを判定してみないとな」
リューセ:「サイコロ振って、100に近いほどおいしくない、ということにしよう!」
オードー:(コロコロ)「うん、完璧。93だ(笑)」
アルバス:「……こ……これは食い物か……?」
GM:「アンやオードーは平気で食べてる(笑)」
アルバス:「いつもこんなモン食ってるのか……?」
リューセ:「とりあえず食べれそうなとこだけ食べよ……」
アン:「遠慮しないでどんどん食べてくださいね。それから、分からないことがあったら何でも聞いてください」
サリース:「個人的には、御主人との馴れ初めが聞きたいな」
アン:「馴れ初めっていうか……幼なじみなんです」
サリース:「いいなァ、そういうの……憧れるなァ……」
GM:「実はオードーも幼なじみで──」(←アドリブ)
オードー:「そうだっただか」
GM:「アンが初恋の人だったのだ」(←アドリブ)
サリース:「かわいそうに(笑)。それでも家事とかやってあげてるなんて、けなげなんだか何なんだか」
アルバス:「ま、その顔じゃ仕方ないだろうな」
リューセ:「じゃあ子供の頃からこの街に?」
アン:「ええ、この街で育ちました。3人とも。──レオは子供の頃からおとぎばなしとか伝説とかが好きで、いつか『大いなる遺産』を見つけるんだっていつも言ってて……。で、先生のところに弟子入りしたんです。……懐かしいなァ……」(そのまま回想モードに突入)
オードー:「おらはなんでここに居候してるんだろ」
GM:「そりゃ、アンが忘れられないからだろう」
リューセ:「ああ……なんてかわいいヤツ……」
オードー:「おら、世間知らずだから」
サリース:「──ていうか、何にも知らないんじゃない……?」
リューセ:「やっぱり私たちが教育する必要がありそうね」
そこへ修理をしていた4人が地下ドックから戻ってくる。
エノク:「早ければ一週間ぐらいで何とかなりそうですよ」
サリース:「え、一週間で直るんですか?」
アルバス:「なんだ、一週間もかかるのか……」
GM:「……ここらへんが考え方の違いなんだろうな……(苦笑)」
エノク:「地下のVLSの残骸から使えそうな部品を拾ってきて、急ピッチでやりますから。……本当はじっくり研究したいですけどね」
リューセ:「一週間か……。その間バカンスだね」
GM:「暇なのか? なら……(ちょっと考えて)……この中にはいないかもな……」
サリース:「何が?」
GM:「資料整理ができそうな人……」
ユンケ・ガンバ:「「はいはーい!」」
ゼナ:「ムリだってば……」
ユンケ・ガンバ:「「でもほら、『大いなる遺産』ならここに……」」(と言ってゼナのズボンのベルトをゆるめる)
ゼナ:「それは『おいなりさん』……」
GM:「……しかもなぜゼナ……?」
ユンケ・ガンバ:「「ゼナはほら、ブリーフ派だから」」
サリース:「やっぱ美少年はブリーフよね☆」
アン:「あの……食事中ですけど……」
アルバス:(料理を指差して)「これは食い物じゃない」
エノク:(ぱくぱく食べながら)「そうですか? あいかわらずいい味だと思いますが……」
アン:「結構ツワリがヒドかったんですけど、彼の料理は食べれたんですよ」
サリース:「あっそ……」(あきれてる)
レオ:「あ、そういえば……また例の事件、起きてましたよ」
ゼナ:「例の事件……?」
レオ:「……妊婦の、連続変死事件です」


