一行は、休む間もなく更に奥を目指した。
次の間で待っていたのは、黒衣の騎士タナトス。
オードー:「次はおめえさんか……。何とか戦わないですむ方法はねえもんかねェ……」
タナトス:(剣に手をかけ)「ここまで、来てしまったね……。──君たちは……何のためにここまで来たんだい?」
リューセ:「アルバスを、取り戻すためです」
ガンバ:アルバスの本当の心を取り戻すためだわさ。
オードー:本当の心? そんなものは、ねえだ(笑)。
マフィ(仮死人):『何のためにだと? お前を倒すこと、それがおれの全てだー!!』……と、ゴーヴァが言ってるよ。
ゴーヴァ:めっそうもないです(弱気)。
ゼナ:「だから……アルバスさんを取り戻しに、です」
タナトス:「そうか……。(剣から手を離し)──なら、少し昔話をしようか」
ガンバ:むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山にシバかれに、おばあさんはカワエセン宅にいきました。
GM:なんだそれは。
リューセ:あの……お話、続けてください。
タナトス:「全てのはじまりは……一万年前の『女神殺し』だったのかもしれない」
シェオール:そういえばヒュプノスがそんなことを言ってたな。
タナトス:「大きな分岐点、小さな分岐点、『時』はその流れを変えながら、現在<ここ>まで来た。そして……あるいは『世界』をゆるがすことになるかもしれない小さな事件が起こった」
リューセ:……事件?
タナトス:「10年前、アールマティの丘の上の、夕日の中での、小さな『出来事』……。──リューセ……君は、そこで幼いアルバスと出会った」
タナトスの目が、いとおしいものを見るように、細められる。
タナトス:「いや……君の本当の名は、『ソフィア』だ」
シェオール:……そういうことか。
タナトス:「女神オファニエルは『死ぬ』間際に自らの『力』を2つに分離させた──『再生<ビデオ>』を司る『クリシュナ』と、『終焉<デッド>』を司る『ソフィア』」
リューセ:「………………」
GM:ユナ、ちょっとここで、『心』判定してみて。
ユナ:にゅ? (コロコロ)94。20成功しかしてない。
GM:(それは……あまりに成功度が低すぎるな)……なら、アヴァロンに剣でおなかを貫かれた記憶がフラッシュバックする。……するだけ、だな。
ユナ:にゅう……達成値が低すぎた。
GM:話を続けよう。
タナトス:「アルバスは……『ソフィア』に精神を乗っ取られている……はずだ。……彼自身が自分の意思でこういうことをしてる可能性も捨てきれない、けどね」
一同:(苦笑い)
タナトス:「アルバスは、この奥にいる。ネメシス──ニーヴェもそこだ。彼女はアルバスから『ソフィア』を分離させる準備をしている。そこで……」
シェオール:「俺たちにアルバスを弱らせてほしい、と?」
タナトス:「そういうことだ。アルバスを弱らせ、『ソフィア』を分離し……アルバスを取り戻す」
シェオール:ま、よくあるパターンだな。
リューセ:あの……アルバスの中にいるのが『ソフィア』なら……私って、なに?
ゼナ:適当に造られた存在なんじゃないですか?(笑)
リューセ:それに4000年前のソフィアとアルバスの中の『ソフィア』は、あまりに違う気もするし……。
オードー:破壊衝動は昔からあったべ?
リューセ:あ、そうか……。
タナトス:「君とアルバス──ふたりの『真実』は、ふたりの中にある。今は……アルバスを、取り戻しておいで」
リューセ:「……はい!」
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リューセ:タナトスは手伝ってくれないの?
GM:彼には彼でやることがあるから、アルバスのことは任せるってさ。
シェオール:タナトスの目的が、一番よく分からん……。
リューセ:……さあ、いこう。
単純に考えて──
アルバスが『メルカバー』の中心にいるのなら、私たちは10キロもの距離を突き進んできたことになる。
最深部──『ソフィア』の力を、強く感じる。
GM:たくさんの小さな『輝光石』が間接照明のようにぼんやりと辺りを照らしている薄暗い空間。そこに、ニーヴェとアルバスがいる。
アルバスは飲みかけのコーラを置くと、立ち上がった。
ゆっくりと対峙する、アルバスとリューセ。
リューセ:「アルバスを……返してもらいにきました」
アルバス:「『彼』は……渡さない」
リューセ:「ワガママ言っちゃダメです」
オードー:ニーヴェさんはどうしてるだ?
GM:じっと、精神集中してるみたいだね。
マフィ(うそんこ死人):『今まで言えなかったけど、お前には前からかなりムカついてたんだ〜!』……って、ゴーヴァが言ってるよ〜。
ゴーヴァ:(首を振って否定──しきれていない(笑))
一同:うー……ん……(ヘンに納得)。
リューセ:みんな心のどこかで「そうかも」って思ってるのね(笑)。
オードー:三女は何も言わねえだか? アルバスなんか死んじゃえ〜、とか。
GM:そんなことは言わないよ〜。ホントはお兄ちゃんのこと好きなんだから。
オードー:(かわいらしく)お兄ちゃん返しなさいよ〜ばかァ〜!
アルバス:バカはお前だ。お前から殺すぞ。
オードー:それは勘弁。シャレにならねえだ。
シェオール:さてそれじゃ……やるか。
GM:そだね。戦闘モードに移るよー!
敵はアルバスである。よって、サイコロを振るのはGMだが、どう行動するかはアルバスのプレイヤーに決めてもらうことにした。
アルバス:「さ……いくぞ……」
精神を集中するアルバス。その背に……
シェオール:げ……。
リューセ:ウソ……。
真っ白い、12枚の翼が現れる──―
GM:(コロコロ)イニシアティブは……そっちからだね。
シェオール:防御を固めろ。魔法がくるぞ。
GM:アルバスは大きな剣を持っている。直接攻撃と魔法攻撃の二段構え。
トパーズ:《障壁》で全員に回避にプラス10%、ダメージ減少5点の防御壁を張る。
ユナ:同じく。
リューセ:前衛3人に2レベルずつ《祝福》を。命中率プラス20%、ダメージプラス10点です〜。
イリス:《赤い黒豹》を前衛3人に。これで1ターンに2回行動ね。
GM:戦闘のスタイルができあがってきたみたいだね。
シェオール:魔法で強化してひたすら殴る(笑)。──2回とも【複数回攻撃】だ!
オードー:同じく! いきなり全力で飛ばしていくだ!
GM:(最後の戦いだからって、MPも必殺技も温存しないつもりだな……)
ズガズバズガッッ! っと、そこそこアルバスにダメージを与えた……ように見える。
ガンバ:頑丈だね。さすが、翼一枚につき5点の防護点があるだけのことはあるだわさ。
GM:誰もそんなことは言ってない(笑)。
剣を構えるアルバス。まずはシェオールに斬りかかる!
GM:(コロコロ)当たってるね〜。36点のダメージ。続いて魔法の攻撃を、(コロコロ)オード──
アルバス:シェオールにしよう。一番攻撃食らったから、何かむかついた。
GM:んじゃ、シェオールに《青い稲妻》を……(コロコロ)あ、クリティカル。
シェオール:01を振れば抵抗〜(コロコロ)07! おしい!
GM:(コロコロ〜)ダメージ、マックス振っちゃったから、それを2倍して……82点。
シェオール:うわ……HP残り3点だ……(焦り)。
アルバス:よし、殺れる。


