MOND REPLAYV XX

 
  『僕』はベッドの中にいた。

  豪華で品のいい天蓋。ふかふかのベッド。窓の外から聞こえる小鳥の声。

  シーツのすれる音に目をやると、横に女性が眠っている──赤い髪の女性が。
 

GM「──という状況なのだ」

アルバス「……サリースに似てる……? けど違う……?」

GM「やたら豪華な寝室。そして隣で寝ている裸の女性」

アルバス「オレも裸?」

GM「君はちゃんと服を着てる」

アルバス「『アルバス』としての意識はあっていいの? それとも別人格?」

GM「えーとそうだな……アルバスと言えばアルバスだけど、別人格だと思った方がやりやすいかも。『ここ』にいることを自然に受け入れていいよ」

アルバス「てことは『いいひと』でもいいんだな? わーい!」

ゼナ「わーいって……いつもムリして『アルバス』を演じているようには見えないけど(笑)」

アルバス「アルバスがいたって自然体(笑)」
 

 と──コンコンコンとドアがノックされる。
 

女性の声「王子? 起きてください、王子」

ゼナ「自分が王子だってことは分かってるの?」

GM「分かってるよ」

アルバス「いきなり王子げな言われてもくさ」(←なぜか博多弁)
 

  「アル王子? 入りますよ?」

  そう言って入ってきたのは、まだ若い、長い黒髪の女性だった。

  ああ、ヒイラギか──ということが『僕』には『分かる』
 

ヒイラギ(ベッドの女性を見て)「サラ! あなたまた王子の寝室に勝手に入って!」

サラ(笑って)「未遂なんだから勘弁してよ」(服を羽織り、ベッドから降りる)

アルバス「……??? どうなってんだ?」(プレイヤー大混乱)

ヒイラギ「お父上がお呼びです。早く着替えていらしてくださいね」
 

 侍女たちが現れて、てきぱきと着替えを手伝ってくれる。
 

アルバス「オレ……王子?」

GM「そうみたいだね」
 

 王の間──
 

GM「アルバスが王子で……ゼナにはこのキャラをやってもらうね」

ゼナ「これは……男の子?」

GM「青年だよ。この国の元宮廷魔術師で現在若き宰相である、ゲオルギウス」

ゼナ(ゲオルギウス)「ゲオルギウス? イヤな名前かも(笑)」

GM「ユンケにはこれをやってもらう。大司祭の娘、ユナ=イリス=フォン=ヴァイスローゼ」

ユンケ(ユナ)「分かったわ」

ゲオルギウス「イリス……?」

GM「さっきの赤い髪の女性が、城につかえる高級娼婦、サラね。サリースにやってもらうつもりだったキャラなんだな」

アルバス「結局あいつはそういう役か」

GM「で、君がアールマティ王国の第1王位継承者、アヴァロン=F=アールマティだ」

アルバス(アヴァロン)「アールマティにゲオルギウスにイリス? どっかで聞いたような名前ばっかりだな……」

GM「んで、ゲオルギウスの隣にいるのが宮廷騎士のタナトス」

アヴァロン「タナトスぅ?」

GM「とは言ってもアルバスたちが知ってるタナトスとは違って、髪は黒くて短いし、顔も違う」

アヴァロン「アールマティって……エスペルプレーナってアールマティの遺産じゃなかった?」

GM「そうだね」

アヴァロン「やっぱりそうか。……よかった、オレにも記憶力というのが存在してたみたいだ」
 

 離宮にいる王妃(ただし妾)に届け物をしてほしい──

 王の用とは、ちょっとしたお使いだった。
 

GM「で、途中危険もあるだろうから、護衛にタナトスとゲオルギウス、それからユナを……」

アヴァロン「ちょっと待て。離宮ってどこにあるんだ? 城の中じゃないのか?」

GM「街を出てさらに山をひとつ越えたところ。結構遠いよ」

アヴァロン「桂離宮みたいなものか。──承知しました」

ゲオルギウス「届け物とは?」

GM「包みを渡される。食べ物かなんからしい」

アヴァロン「正妻がいる前で、よくそんな頼みごとできるな。……女の嫉妬は恐いぞ」
 

 とまあ、そういうワケで。

 にわかに結成された王子パーティーは、離宮を目指して旅立つのであった──
 

GM「離宮に行くには山ひとつ越えないといけないのだが、近道もある。山のふもとにある遺跡を通ればいいの」

ゲオルギウス「その代わり、危険だとか?」

GM「そう。ちょっとしたダンジョンになってるし、モンスターも出る。だが届け物はなまものだ」

タナトス「王子、修行がてら遺跡を抜けていきませんか? 危なくなったらわたしも手を貸しますから」

ゲオルギウス「危なくならないと貸してくれないのな」

アヴァロン「ま、いいでしょう。行きましょうか」

ゲオルギウス「同じく」

ユナ「にゃんにゃー♪」

アヴァロン「なまものって書いてありますしね」

ゲオルギウス「マトモだ……」

アヴァロン「今回はマトモに行くよ」

ゲオルギウス「いつまで続くことやら……」

GM「では街を出て、遺跡の入り口までてくてくと。──中に入るよ?」

アヴァロン「うん」
 

 ライトで照らしながら遺跡の中へ。

 石造りの道を奥へと進むと、やがてT字路に出た。
 

GM「右と左、どっちに行く?」

アヴァロン(ちょっと考えて)「左」

ゲオルギウス「アルバスみたいに即断しないんですね」

タナトス「ゲオルギウス、王子は左に行くと言っているぞ」

ゲオルギウス「そのようだな」
 

 実は右が正解。そしてこのふたりは正しい道順を知っているのだ。
 

タナトス「ま、修行ということで」

ゲオルギウス「そうだな」
 

 左へ進むと、小さな部屋に出た。扉が正面と右側にある。
 

アヴァロン「右」

GM「じゃあここで『心』の判定だ。注意して歩いてるなら能動、ぼけっと歩いてるなら受動の値で」

アヴァロン「『受動』だね(コロコロ)──失敗」

GM「じゃー、落とし穴にひゅーーーんと。とっさに王子に手を差し伸べるなら『技』で判定して」

ゲオルギウス(コロコロ)「ファンブル(笑)」
 

 あわれ王子は穴の底へ。
 

アヴァロン「ダメージは……鎧で止めた」

ユナ「深さは?」

GM「うーん、2メートルぐらい?」

アヴァロン(のプレイヤー)「俺が昔落ちたくらいの穴だな」

GM「自転車でね」

アヴァロン「有名な話だね」(身内では)
 

 何とか穴からはい上がり、さらに奥へ。



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