OP.2[光の庭で]-Jouney to the truth- 07

GM:次の日だよ。

アルバス:二日酔いだ。味噌汁味噌汁。

ゼナ:それと、薄ーいお粥ですね。

ヴァンダイク:その姿をじーっと見ていよう。

ゼナ:い、今どのへんなんですか?

GM:もうすぐアールマティの近く。

アルバス:……どうしてオレ、元いた場所に戻っていってるんだ……?

GM:……それ、最初にこっちが聞いた気が……。

アルバス:(地図を見て)……あ、これ南北が逆か。すっかり忘れてた。

ヴァンダイク:5年前の旅の記憶はないのか。

ゼナ:アルバスさーん、それじゃビオと同レベルですよー。

アリア:……5年前と、パーティの力関係が変わってきてる気がする……。

ゼナ:アルバスさんの扱いに慣れてきたのかな(笑)。

GM:──さて、二日酔いの頭に響くようなけたたましい音が、ブンチャーブンチャーと聞こえてくる。

ゼナ:ブンチャー……?

GM:君らの『船』とは対向『船』線──つまり前から近づいてくる、趣味の悪いペイントをした『船』から、その音は聞こえてくる。

アルバス:カーステレオ(?)の音か? 迷惑な。

GM:で、趣味の悪い『船』は、近くを走っていた『船』に向かってドーンと発砲、ボーンと爆発。

一同:………………。

アリア:「あれは、この世界では放っておいていいことなんですか? 止めるべきではないんですか?」

アルバス:「放っておけ。あんなのと関わっている時間がもったいない」

アリア:「でも……」

プレイヤーP:いざとなればアリアとヴァンダイクは飛んで逃げられるだろうし。

アリア:そういう問題じゃなくて……。

ゼナ:暴走族みたいなもんですか?

GM:ゼナは知ってるかな。最近ニュースなんかでもたまに見かける、新手の宗教団体だ。その名も『デスハイカー』という、俳句好きの集まり。
 

 一同、苦笑い。
 

プレイヤーP:ま、ことわざ教よりはマシか。

GM:何を言う。

アリア:暴走族と俳句と何の関係が……。その人たちの活動って、俳句の会を開いたりするんじゃないの?

GM:ゲリラ的にそういうことをしているらしいという話も聞くね。で、教祖が「アタシが神よー!」と一句詠んだりする。

アルバス:今のは五七五になっていないぞ。

GM:ぬ。

ゼナ:教祖って、女の人なんだ。

アルバス:オカマかもしれんぞ。

GM:テレビで見る限り、若い女性だけどね。

ゼナ:で、このままだとその『船』とすれ違うんですよね? なるべく距離が開くようにエスペルプレーナ3を端に寄せて走ります。

アルバス:なんであんなヤツらに道を譲る必要がある。譲る必要などない。

ゼナ:いや、いざこざに巻き込まれるよりはマシじゃないですか。

アルバス:やだ。

ゼナ:舵を切ります(笑)。

アリア:ゼナ……強くなったね。

ゼナ:ふふふ。

GM:んじゃ、デスハイカーの『船』とすれ違おうとしたとき──ボン、とデスハイカーの『船』から黒煙が上がる。

プレイヤーP:なに? 攻撃された?

ゼナ:いえ、向こうの『船』です!

GM:んで、ドーンと爆発炎上。

一同:………………。

ヴァンダイク:いやいやいや、こちらもなかなか派手ですなぁ。

アリア:……大丈夫なんですか?

ゼナ:どう見ても大丈夫じゃないと思います。

アルバス:何を言ってる。(オレたちの『船』は)大丈夫じゃないか。破片が降ってきても、バリアではじくし。

アリア:いや、そうじゃなくて……。

ゼナ:「カリストパラス、状況を」

カリストパラス:『5分45秒後に警察および救急隊が到着します』

アルバス:「よし、いくぞ」

ゼナ:「でも、目の前で爆発したんですから……」

ヴァンダイク:「攻撃していて、爆発したのでしょう? 事故ですよ、事故」

アルバス:「そうそう、自業自得だ」

ゼナ:「怪我人がいるなら、なるべく早く──」

アルバス:「大丈夫だ」

ゼナ:「大丈夫って、何を根拠に(笑)」

アルバス:「根拠も何も、こっちに被害はない。そうだな、カリストパラス」

カリストパラス:『はい』

ゼナ:「あー、もう。そうじゃなくて……──ん?」
 

 モニターに目を向けていたゼナが、突然沈黙した。黒煙の中を凝視している。
 

ゼナ:「誰か……います」
 

 黒いマントを着た人影が、ゆらりと身体を起こした。その顔には、白い仮面。
 

アルバス:「そりゃ、誰かいるだろう」

ゼナ:「テレビで見たデスハイカーたちとは……違うかんじです」
 

 黒いマントは全部で3人。そして……若い男がひとり。

 軽量の、動きやすそうな銀の胸当て、ぼさぼさの、茶色い髪。そして──その瞳が翡翠色であることが、遠くからでも分かった。
 

ゼナ:(あの瞳……あのかんじ……どこかで……)「気をつけて、カリストパラス。あの『船』は襲撃されたのかもしれない」

カリストパラス:『了解しました』

アルバス:「それならなおさら、さっさといくぞ。心配するな、すぐに警察が来る」

ゼナ:「なら、警察が来るまでは待ちましょうよ……」

アルバス:「えええ〜」(←ご不満)

ゼナ:「いいじゃないですか、5分ぐらい」

アルバス:「このへん、アールマティの管轄だろ? 自分で整備しておいてなんだが(←町長だった)、ここの警察はきっちりしてるんだ」

ゼナ:「いいことじゃないですか(笑)」

アルバス:「だから、いろいろ聞かれたりしたら面倒なんだよ」

プレイヤーP:アンタの肩書きなら、素通りできるんでないかい?

アルバス:そんな権力が通じないのが、真の民主主義だろう。

アリア:デスハイカーの人たちはどうしてるの?

ゼナ:あと、その怪しい4人組。

GM:デスハイカーの信者たちは、炎上する『船』からよろよろと出てきている。火傷をしたり怪我したりの人たちもいるみたいだ。4人組は、そんな彼らを『船』の上からじっと見下ろしている。

ヴァンダイク:そして炎に包まれて燃え尽きる。

GM:尽きない尽きない。プレイヤーには分かるけど、ガルフと『仮面のもの』たちだから。

プレイヤーP:こんなところまで来ておったか。

GM:で、デスハイカーの信者たちが何か話してるみたいだけど……聞こえるところまで、近づいてないよね。

ゼナ:そうですね。危険そうですし。

アリア:集音マイクとかは?

ゼナ:その手がありましたね。指向性マイクだから……。

ヴァンダイク:「ふしゅー。ふしゅー。いいにおい……」

ゼナ:「うわあ、後ろからヘンな声がッ(笑)」

アリア:マイクの向きが違う違う。

アルバス:「いやー、だからこんな古い『船』に乗るべきではないって言ったんですよ」「まったくですな。とんだ災難だ」「救急車まだですかー」──という、ごく普通の会話が。

GM:違う違う。「教祖様がお亡くなりになった!」「じ、辞世の句は!?」「これです!」「おお、なんと素晴らしい……」

ゼナ:アホらし……。4人組の方にマイクを向けてみます。

ガルフ:「やはりあの女が『神』というのはデマだったようだな……。──いくぞ。<女神>を探せ」

GM:そう言って、4人は南の方へ飛んでいく。

ゼナ:飛んだ……。──アルバスさん、アルバスさん、これ、聞いてください!(録音したものを再生する)

ヴァンダイク:はあはあという荒い息遣いが。

ゼナ:間違えたッ! こっちです。

アルバス:いやー、だからこんな古い『船』に乗るべきではないって言ったんですよ。

ゼナ:これも違ぁーう! (ガルフの声を聞かせて)「これって、リューセさんのことじゃないですか?」

アルバス:「確かに、他にいないだろうな。……アイツら、『デイリー・リューセ』(番組名)でリューセの顔見なかったのか?」

ゼナ:「さ、さあ……」

プレイヤーP:……ふむ。で、アイツらより先にリューセのところにいかないとヤバイということだな。

ゼナ:「急ぎましょう、リューセさんのところに」

アルバス:「だからオレがさっさといけと言ってたろうが。それをお前がいつまでも……」

ゼナ:「す……すみません……」 ……あれえ?

アルバス:「黙ってオレの言うことを聞いていればよかったんだ。分かったら、これ以降はオレの言うことに従え」

ゼナ:「え、でも、その……はい。──じゃ、これを警察に届けてから……」

ヴァンダイク:振り返るなら、ワシとぶつかる。

ゼナ:うわ、そんなに密接してたんだ。

アリア:マイクがなくても荒い息が聞こえそう……。

プレイヤーP:ズボンのチャックを下ろす最中だったんじゃないか?

ゼナ:ズボンに手をかけられたら、さすがに気づきますッ!

プレイヤーP:いや、自分のズボンに。

ヴァンダイク:尻を出して待っていよう。

ゼナ:何やってんですかッ!(ツッコミ)

ヴァンダイク:いかんよ、突っ込んだら(笑)。

ゼナ:そのツッコミじゃなくて……(げんなり)。

アルバス:いくぞ。
 

 ──『船』は更に速度を上げ、南へ。



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