OP.3[夜毎、神話がたどりつくところ]-a tale for you- 04

 半独立都市アーケイン自警団砦 作戦会議室(という名の食堂)──

ファン・ルーン:「随分と集まったな。……それではこれからプロジェクトA(アルカディア計画)について説明する。面倒なので一度しか言わないんで。よろしく」

ユリア:(周りを見て)すごい人数が集まってるれす。

GM:えーと……アーケインからフウゲツ、ユリア、シア、カーキ、オーキッド、スリーアイ、ゲイン、セツ、サデル、シルヴァ、マリアルイサ、コーラル、ブラッシュ、スティール。それからオルディネール、ミュスカディ。シュリは寮に残ってて、いない。アルカディアからアリア、ビオ、リトナ、ドモ・ルール。南キャンバスからアルバス、リューセ、ゼナ、リルル。トパーズもいるな。そしてメイリア。今はドモ・ルールが身体を乗っ取っている。

ドモ・ルール(メイリア):久し振りの動かせる身体だ。

GM:そして、元フローラことファン・ルーン。

ルーン(のプレイヤー):逆だ。ファン・ルーンが本名でフローレンス=ファン=ストライクイーグルが偽名だ。

ユリア:え、そうらったんれすか?(驚)

プレイヤーF:それにしても……歴代のPC(プレイヤーキャラクター)が勢揃いしてしまったぞ。

プレイヤーB:全部揃ってるのは君だけだね。

GM:GMのありがたい心遣い。

プレイヤーF:いらん気遣いだ。演じる方の身にもなってみろ。

GM:ほほほほほ。まあ、ルーンは主にGMが演じるので。──さあ話を進めようぞ。

フウゲツ:大変なことになってるのは何となく分かってる。自警団を預かる身としては協力を惜しまないつもりだ。

ここにいないシュリ:がんばってるのね。

フウゲツ:ヴァイスの後を継いで、住民リストとか作っているぞ!

ここにいないシュリ:そして、フウゲツ課長に。

一同:

ここにいないシュリ:いや、課長フウゲツ(花鳥風月)で。

一同:(大笑い)

ユリア:そしてオペリオが天使の姿で降りてきて月桂冠を授ける、と。で、花鳥風月『月桂冠』(お酒の銘柄)となって、満足してオペリオは帰っていく。

ビオ:ひとりで納得して帰っていくんだな。

フウゲツ:──というような雑務をこなしていたのだ。

GM:なるほど。──それから、レイチェルが戻ってきている。

レイチェル:おお、いつの間に。

ドモ・ルール:彼女はどこに何をしにいってたんだ?

GM:それはまだ秘密。詳細は今後発表されるかもしれない外伝を待て!

レイチェル:………………。

GM:んで、レイチェルは彼女とよく似たかんじの男女を5人、連れて帰ってきている。

フウゲツ:似たかんじ? ロボットなのか?

GM:そんなかんじ。ただしレイチェルのような鎧は着ていない。

レイチェル:あれはホフヌング製だからな。

ユリア:5人か。……イッチェル、ニーチェル、サンチェル、ヨンチェル、ゴーチェル。

GM:その中の代表格みたいな人はワイズと名乗ってるけど……。

アルバス:それは偽名だ。ホントはイッチェル。

レイチェル:恥ずかしいから偽名を使っているのだな。

GM:……そういうことでいいです。

ファン・ルーン:「どこから説明したもんかな。──……よし、一番根本的な部分から話そう。『メーヴェ』──いわゆる魔族の存在を知らないの、この中にどのくらいいる?」

朝顔組一同:(挙手)

ファン・ルーン:「南キャンバスの連中か。この星とは別の星に住む知的生命体、と言えば分かるか?」

ゼナ:「分かります」

リルル:「『ヒーメル』の故郷の星と同じようなものかしら」

アルバス:「『ヒーメル』って何だっけ」

ファン・ルーン:(無視して)「この星──イーゼリアと、魔族が住む星──アルカディアは遠く離れた場所にある。で、その2つの世界をつなぐトンネル──『紫の中空』という空間が存在する」

ゼナ:「アルカディア……アリアさんたちがいたっていう世界ですね」

アリア:「そうでーす(アピール)」

ファン・ルーン:「北の連中には星という概念が分かりづらいかもしれんが、このまま話を進めさせてもらう。……──今から15年ほど前、この世界は消滅の危機にあった」

シア:「『神』との戦いですか?」

ファン・ルーン:「それもあるが、もうひとつある。──2つの世界の融合による『存在』の危機」

一同:「???」

ファン・ルーン:「さっき話したイーゼリアとアルカディア、2つの世界が、『紫の中空』を通して融合を始めようとした。世界がぴったり『重なる』んだな。だが、ひとつの場所にふたつのものが同時に存在することはできない。結果、『存在』に矛盾が生じ、片方は──あるいは両方とも──消えてしまう」

ゼナ:「なるほど……」

フウゲツ:「難しい話だ」

ゲイン:「そのときは、どうやってその危機を脱したのです?」

ファン・ルーン:「2つの世界をつなぐトンネルの入り口を閉じた。『シャルトルーズの森』にある<空の鏡>がその『門』だった」

トパーズ:「知ってまーす」

ファン・ルーン:「そして今、再びそのときと同じことが起きようとしている」

フウゲツ:「その『門』とやらがまた開いたということか」

ドモ・ルール(メイリア):「それならまた閉じればよかろう」

ファン・ルーン:(首を横に振って)「それだけだと、またいつ開いてしまうか分からん。『紫の中空』は今、非常に不安定な状態にある」

オルディネール:「元々、無理矢理作り出したトンネルだったらしいですしね」

ファン・ルーン:「ああ、実は極めて不自然極まりない代物だったんだな、これが」

GM:イメージとしては、ドラえもんの映画『のび太の宇宙開拓史』に出てきた2つの星をつないでいた亜空間を思い描いてもらえばよいかと。

ユリア:若い読者は分かるのれすか?

GM:難しいところかもしれない。

トパーズ:「そのトンネル──魔界への『扉』が開いてしまわないようにするのが、あたしたちヴァルト=ラィヒ族の使命だった。……いっぱい、悲しい思いをした人たちがいた」

ドモ・ルール(メイリア):「閉じてもダメなら、どうするつもりだ?」

ヴァンダイク:「トンネルそのものをなくしてしまえばよかろう」

一同:(ヴァンダイクの顔を見る)

ファン・ルーン:「ま、そういうことだ。──『紫の中空』に生じているトンネルそのものを無くし、2つの世界のつながりを絶つ。それが今回俺たちがやろうとしていることだ」

アリア:「はいはーい。あたしたちが通ってきたのも、そのナントカの中空なんですか?」

ファン・ルーン:「おそらく」

アリア:「てことは、そのトンネルが消えちゃうと、あたしたちはアルカディアに帰れないってことですか?」

ファン・ルーン:「そうなるな」

アリア:「困る」

ファン・ルーン:「だろうな」

アリア:「何とかして」

ファン・ルーン:「そのつもりだ。しかも、アルカディアの崩壊を止めるというオマケ付きだ」

アリア:「え?」

ファン・ルーン:「今回の計画は、アルカディアもイーゼリアも救おうというとても欲張りなものだからな」

ビオ:「なんだ? アルカディアが助かるのか? ならさっさとそれやろうぜ」

アリア:「どうすればいいんですか?」

ファン・ルーン:「それはまた、準備をしながら話そう」

フウゲツ:「準備?」

ファン・ルーン:「アルカディアにいく準備」

ゼナ:「エスペルプレーナの出番ですね!」

アルバス:「は? 話はよく聞いてなかったが、その魔界とやらにいくのか? オレはごめんだぞ」

ゼナ:「ボク、いきます。アルカディアって場所にいってみたいし、エスペルプレーナに何かあったとき、ボクがいないと修理できないでしょう?」

リルル:「ゼナ……」

ゼナ:「リルルも……一緒に来てくれるよね」

アルバス:「ダメだ(即答)」

ゼナ:「ええええー!」

アルバス:「嫁入り前の娘をそんな危ない場所にいかせるワケにはいかん」

ゼナ:「そんな……」

アルバス:「リルルはオレがリューセと一緒に温泉に連れていく。リトナとかいう猫も連れていくかな。……てことでそこの髭の似合わないマスター、このへんに温泉とかないっスか?」

一同:おいおい……。

スティール:「あ、ああ……、確か『魔王の森』に温泉があったはずだけど」

アルバス:温泉発言(MONDF ACT9.0参照)は有効だったんだ(笑)。

ファン・ルーン:「『船』の操縦者とアルカディアに帰りたいもの、それからトパーズ、『祭器』の制御のために乗ってくれ」

トパーズ:「はい!」

ファン・ルーン:「それからレイチェルたち、これから<ウロボロス・システム>の回収にいく。それが済んだらアルカディア行きだ」

レイチェル:「私もいかねばならないのか」

ファン・ルーン:「お前がいかなきゃ始まらない。──明日の朝出発する。必要なものがあるなら、準備してくれ」
 

 「それから……」とファン・ルーンは最後に付け足した。
 

ファン・ルーン:「おそらくアーケインの『結界』は消えることになると思う。別れを済ませたい人がいるなら……ついてきて」



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