アリア:うん。 「──ここから東の様子は、今話した通りです。あなたがたがどれほど食料を持っているかあたしたちは知らないけれども、南にいっても戦場だし、東にいってもやがて戦場となるでしょう」
リトナ:情報を提供して、あとは選ばせればいいんだよね。
アリア:そうそう。残念だけど、あたしたちだけで彼らを助ける手段は持ってないもん。がんばれ、って言うことしかできない。
リトナ:食料が欲しいなら、分けてあげてもいいけど?
キュア:彼ら全員の一回分の量にも遠く及ばないと思うが。
リトナ:それでも、欲しいっていうなら渡そうよ。──ビオさん。
ビオ:……分かったよ(荷物から食料を取り出す)。
GM:じゃーここで、前の方にいる人……リトナとアリアか。アリアに向かって、石が飛んでくるよ。
リトナ:オレが前にいるってことは、リュックの持ち主であるキュアも前にいるってことだね。
キュア:げ。
アリア:(判定して)あ、気づいてないし。
キュア:それは……今までの行動からしたらかばうしかないじゃない。
GM:(ドモ・ルールだったら絶対かばわないけどね)
ヴァンダイク:間に合うのか?
GM:間に合わない。石は、アリアのこめかみにガツッと当たる。
アリア:「いったぁ……」
石を投げた青年:「なに言ってやがんだ、そんな話信じらんねーんだよ、この偽善者が! だいたい、その食料は元々俺たちのモノだったんじゃねえのか?」
リトナ:え、そうなのぉ?(おとぼけ)
ビオ:「え、そうなのぉ」と言いながら巨人の肉を取り出す(笑)。
アリア:「……信じる信じないはあんたたちの勝手でしょ」
リトナ:「それにオレたちは、偽善者ぶってるつもりはこれっっぽっちもないぞ」
ビオ:その証拠に、渡そうとしてるのは不味い巨人の肉だ。
アリア:「あんたたちが何と言おうと、この先にあるのは間違いなく戦場だよ」
リトナ:「アリア、気にしないで先に進もう。オレたちは伝えるべきことは伝えた」
アリア:「……そうだね」
リトナ:「オレたちは傭兵であって騎士ではないし。もちろん、武士でもない」
GM:え、リトナは武士(もののふ)じゃなかったの?(笑)
リトナ:オレはそうだけど、武将の心としては、難民を気にかけてるゆとりはないんだよ。戦場で家を焼かれるのは当たり前のことだ。……同情はするけど。
アリア:うん、同情はするけど……
ビオ:金はやらない。
ヴァンダイク:別に同情もしないんだが、わしは。
アリア:「あたしたちの話が信じられないというなら……このまま進んで、現実を知るがいい」
リトナ:難民とはいえ<帝国>の者なのだから、恥ずかしいマネはしないだろうし。
キュア:難民は結構切迫してるけどね。
リトナ:切迫してても、腐っても<帝国>の者たちだ。<帝国>は、誇り高くあるべきだ。武士道ではないけど、それに近いものは持ってるんじゃないかな。
アリア:「……石は、なかったことにしてあげるよ」
ビオ:さあみんな目を閉じろ。そして石を投げたヤツは手を上げるんだ。
一同:(挙手)
ビオ:お前らかよッ!
リトナ:まあ、好きなようにやってもらって。オレたちは先を急ぐから。
GM:じゃあ……ざわざわとざわめく難民たちの間を、君たちは通っていくわけだね。
リトナ:今度石が飛んできたら、手近な人を突き落とすからね。
GM:キュアを? ──今度石を投げたらこうよ!(どーん!)
リトナ:おおっと危ない危ない、ああなったら大変だよなぁ〜、っていう。
キュア:本気でやりそうだから怖い。
GM:もう石は飛んでこない。難民たちは疲れた足を引きずって、東へ進んでいく。
アリア:……救えないって、つらいなぁ……。……でも、ここは理性的にならないとね。
難民たちと別れ、渓谷を抜け1日あまり。一行は、<幸運の谷>にたどりついた。

リトナ:谷の底に集落があるんだ。
キュア:でも、略奪されてヒドイ有り様でしょうね……。
GM:それもあるし、地震もあったしね。
キュア:地震?
GM:さっきも少し話に出てきたけど、国境付近の戦闘のせいで難民がこの<谷>に流れ込んできた。そして<連合国軍>の略奪。そしてその後襲った大地震(レプス04小隊が巨人の住む地下空洞に落ちる原因となった地震)。そりゃ、ボロボロになりますわなぁ。
リトナ:「んー……まだあるのかな、『ピース・オブ・ラック』って」
アリア:「探してみる?」
GM:狭い村だよ。建物はほとんどが崩れてしまっている。死体は難民たちが移動する前にどこかへ集めたのか、目につく範囲にはないみたいだね。
リトナ:(小声で)「キュア、ここで残念と言っておかないと」
キュア:「し、死体がないのは残念だ。能力を集められん」(棒読み)
GM:ではここで視覚判定をするのだ。
リトナ:(コロコロ)96。前ルールだったらファンブルだ。
キュア:(コロコロ)05で成功してる。
GM:子供がいるよ。崩れた建物から、何かを掘り出そうとしてるみたい。
キュア:「あそこに子供がいるな」
GM:ヤツはどんな能力を持ってるんだろう。
リトナ:その一言は大事だね。どんなに能力がなさそうなヤツに対しても、それは言わないといけない。
GM:そして奪い取らないといけない。
キュア:どうやって……?
GM:捕らえるなり殺すなりして。
リトナ:物影に引きずり込んで、能力を奪ったフリをすればいいんだよ。そうすれば他のPCにはバレない。
アリア:子供はこっちに気づいてるの?
GM:いや、掘り出すのに夢中になってるようだね。
キュア:ツカツカと近寄ってみるか。
薄汚れた少年だった。
服は汚れ、擦り傷切り傷だらけで、髪はボサボサ。
瓦礫から──元は彼の家だったのだろう──何かを必死に掘り出そうとしている。
アリア:「……何を、しているの?」
少年:「母ちゃんを、掘ってるんだ……」
リトナ:「なるほどね」
アリア:「生き埋めになったんだ……」
ビオ:もう死んでいるのか?
GM:地震で埋まったからね。
ヴァンダイク:あの森での地震から……一週間以上経っているな。おそらく、生きてはいまい。
アリア:「お父さんは?」
少年:「父ちゃんは、<連合国>のヤツらに殺された」
キュア:そしてその後母親は生き埋めに、か……。悲惨ね。
アリア:「君は、ひとりで生きてるの?」
少年:「みんな東の方にいっちまった」
アリア:「君は、お母さんのために……?」
少年:「母ちゃん放って、いけないからな。……その後、みんなを追おうって思ってんだ」
リトナ:「なるほど……」
ヴァンダイク:では、いたいけな少年を掘ってあげよう。
一同:なにぃぃ?!(笑)
キュア:……掘っちゃうの?
GM:堪忍してください。
リトナ:(瓦礫を見て)これくらい、ビオさんには何てことないでしょ?
アリア:でも、母親が死んでいるという現実を突き付けるのも……。
リトナ:いいんじゃない、それはそれで。
ヴァンダイク:……生きてたりして。
リトナ:それはそれで、OKなんじゃない?(笑) だって、外から見て明らかに死んでるって分からないんでしょ?
アリア:じゃー、掘りましょう! ……って、あれ、GMトイレ?
リトナ:今のうちに掘ってしまおう。
ヴァンダイク:うむ。実はお母さんはスライムタイプの魔族で、他につぶれた人たちと融合して『キングお母さん』になっていて──
ビオ:って言ってる間に『メタルお母さん』になって──
リトナ:難民からはぐれて『はぐれメタルお母さん』になって──
ヴァンダイク:そして逃げられてしまうのだな。……残念だ。
リトナ:残念だったってことで、先に進もうか。
GM:(トイレから戻ってきて)ん?
リトナ:はぐれお母さんに逃げられた。
GM:……は?
もちろんそんなネタを許可するわけにもいかず、話は掘り出し作業の方へ戻った。
ビオ:掘っていいのか?
ヴァンダイク:それともひとつひとつ瓦礫をどけないといけないとか?
GM:同じネタはやらないよ(笑)。
ビオ:よし、やるぜやるぜ。(コロコロ)……94。失敗か?
ヴァンダイク:ギリギリ成功なのではないか?
ビオ:(キャラクターシートを見て)本当だ、ギリギリで成功してる。
ヴァンダイク:だがいつもより重そうにしているのだね。
ビオ:「ぐぬ……ぐむうぬぬぬぬぬぬ……ッ!」
リトナ:実は上に何か乗ってたりして。
GM:羽ウサギのミケが。
アリア:ほら、ミケ、おりなさい!
ヴァンダイク:実はミケは体重が350キロもあるからねぇ。
アリア:そんなバカな。
GM:アリアも、何かおっきな召喚獣でも呼び出して手伝わせりゃよかったのに。
アリア:う……。し、召喚には体力を使うのよッ!
ビオ:俺の方が体力使ったぞー。
アリア:フー(タバコをふかすマネ)。
GM:早くも女王様と化したか。……今回は早かったね(笑)。


