ヴァンダイク:では羽を広げて傘代わりに。
ビオ:器用なヤツだ。
ヴァンダイク:そしてラグランジェも影に入るように後ろから密着する。
ラグランジェ:「ボクは大丈夫ですから……」
ヴァンダイク:「いやいやいやいや……」(べたー)
ラグランジェ:「ほ、ホントに、そんな、くっつかなくても……」
ヴァンダイク:「いやいやいやいや……」(べたー)
ラグランジェ:「イ、イヤああああああああああー!!!」(悲鳴)
キュア:「ん? 見張り台の方から悲鳴が……」
ヴァンダイク:このまま8時間。
ドモ・ルール:8時間ずつの3交代か。
キュア:それってつらくない?
ラグランジェ:ツライです。
ヴァンダイク:ワシは全然。密着してるから。逆につやつやしてくる。
キュア:天国と地獄だ……。
ラグランジェ:「だからッ! そんなにくっつかないでくださいってば!」
ヴァンダイク:「いやいやいやいや……」
ラグランジェ:「しくしくしくしく……」
アリア:純情系ホモって……ヤダ……。
リトナ:にゃあ(猫状態)。
ビオ:「あー……、暇だなー……」
兵士:(トカゲ……でかい……)「あのー……すみませんねぇ、わざわざ」
ビオ:「ぐごああああああ……」(いびき)
兵士:(寝てるしー!)
キュア:そういうときはね、「ごはん」と言えばよいのだよ。
アリア:ホントに用意しとかないとヤバイけどね。
ヴァンダイク:「そうか、お前がごはんか」ということになりかねん。
アリア:……ヴァンダイクが言うと怖いね。
ヴァンダイク:(お尻を突き出して)「さあ来い」ということで(←「受け」)。
GM:……これだから純情系ホモは……。
アリア:シャレになってないから、早く話進めよ。
4時間後──
ビオ:(目を覚まして)「んん、もう朝か?」
キュア:(交代に来て)「夜だってば。夜の10時」
ビオ:「そうか。……じゃあ、飯食って寝るか(笑)」
ドモ・ルール:紅一点の登場だな。
キュア:……私も一応女なんだけど。
アリア:(砂漠の方を見つめながら)「ついに国境まで来ちゃったねー……」
キュア:「そうだな……」
アリア:「君の国はどこにあるんだろうね」
キュア:そういえばまだ思い出してないんだった。
ビオ:いつも判定に失敗してるからな。
アリア:さあ、今日こそは思い出すのよ!
キュア:……判定していい?
GM:いいよ(いいかげん思い出してもらわないとなー)。
キュア:(コロコロ)……96とか振ってるー!!!(当然失敗)
ビオ:こいつバカだー!(大笑い)
ヴァンダイク:やはり乳がでかいと馬鹿なのだな。
ビオ:あー、なるほどねー。
GM:あーあ、失敗かー……。
アリア:(気を取り直して)「でもさ、君、何でついてきてるの?」
キュア:「何でって言われても……」
ドモ・ルール:他人事のように言うな。自分のことであろうが。
キュア:「記憶が戻らないと、どこに帰ればいいか分からないしねー……」
アリア:「それだけ?」
キュア:「んー……<楽園>という場所に、行かなければならない気がするんだ……」
アリア:「そうなんだ……」
GM:そうなんだ(笑)。
アリア:「じゃあどうする? 自分の意志でついてこれる? それならあたしからみんなに話しといてもいいよぉ?」
キュア:「………………。……彼らが受け入れてくれればいいんだが」
アリア:「んー、それは大丈夫じゃないかな。……保証はないけどね」
ドモ・ルール:無責任な。
キュア:「それに……記憶が戻ったとき、それでもみんなについていくという保証もない」
アリア:「そうなんだ……。それなら、そのときはそういう扱いになるけど」
キュア:そういう扱いって……?
GM:(キュアを指差して)ビオさーん、敵。
ビオ:よっしゃあ!(アックスハルバートを振り下ろす)
アリア:食料、みたいな。
キュア:……食べるのか。
アリア:それは冗談としても……──進むべき道があるならそれを止めはしないけど、もしその道があたしたちの障害となるなら……そのときは敵対しちゃうね。
キュア:アリアたちが<楽園>にいくのを邪魔するのが目的だったりしたら、ってこと?
アリア:そーだね……。でも、例えば『生き別れの両親を探してる』とかだったら、そのときは「がんばってねー」って別れられるかな。
ヴァンダイク:え、「ビオがパパよー」「ドモがママよー」となるのではなくて?
ドモ・ルール:指輪がママかい。
GM:もうワケ分かんないっス。
アリア:それはそれでOK。……でもさ、今立場窮屈でしょ? それならパーッと言っちゃった方が楽じゃない?
キュア:命が惜しいし。
GM:『自分の命に対する執着が希薄』という初期設定があったキャラのセリフと思えませんなぁ。
キュア:……あったっけ……。
GM:初期設定と全く別キャラだよねー……君だけ。
キュア:イタタタタタ。
アリア:あたしは?
GM:君はいつもどーりやん(笑)。
ここで、リトナのプレイヤーが到着。
ドモ・ルールのプレイヤー:(電話で)大変なことになったと言っておったが、どうしたんだ?
リトナのプレイヤー:バイクのヒューズが飛んだ。
キュアのプレイヤー:それってエンストしちゃうんじゃ。
リトナのプレイヤー:エンストと言うか、完全にロックしてしまって。クラッチをガッと切ったから何とか助かったけど。
キュアのプレイヤー:よく生きてたね……。
リトナのプレイヤー:怖かった。久々に死ぬ思いをした。
ようやく全員そろったところで、シナリオ再開である。
アリア:「じゃあ、キュアは今のまんまでいいんだね?」
キュア:「記憶が戻るまでは……そうかも」
アリア:記憶喪失、なの?
GM:そういう風にした覚えはないんだけど、判定させるといつも失敗するんだよねー。それも激しく。
キュア:96とか振ってるし。前もそんなだったし。……何でだろう。
リトナ:よっぽど思い出したくないんだな。
アリア:「バラしていいならバラすよ? 君はいろいろあたしのことかばってくれてるし……」
GM:恩をアダで返そうと思ってるんだ♪
アリア:そーじゃなくて(笑)。「……素のままの君とでも、このまま付き合っていけそうな気がするから……」
ビオ:甘いな。
アリア:「気持ち的にね、楽になってほしいんだ」
キュア:「この砦を出たら、そうするかも。……ここは<帝国>の者が多いから」
アリア:「ん……分かったよ。砦を出たら、キュアがキュアでいられるようにがんばろうね」