レイチェル:「……キックです」
フウゲツ:「あの……もし魔王役がいないなら、俺にやらせてくれませんか?」
ヴァイス:それは……子供たちの様子をうかがうけど?
GM:そりゃあ、ねえ。
ヴァイス:やっぱりか。
レイチェル:ヴァイスでなければいいわけだし。
ヴァイス:うわ……。……こうして僕のトラウマがまたひとつ。
レイチェル:簡単にトラウマが追加されてる……。
GM:物語が終わるまでに108のトラウマを作るのが目的か?
レイチェル:そんなの目的にしないで(笑)。……じゃ、私コブを冷やすための濡れタオルを取ってくる。
フウゲツ:いいパンチでした。
レイチェル:……キックです。
ヴァイス:「あのさスノウ、よかったら紹介してくれない?」
スノウ:「自己紹介ぐらい自分でできるでしょ?」
ヴァイス:「どーして僕に対してはそんなにぞんざいなのさ……。──えーっと、僕はヴァイス=エルミュンゼン。この街の自警団の、一応リーダーをさせてもらってます」
シュリ:一応ね。
フウゲツ:「ああ、あなたが噂の、自警団のリーダーですか」
ヴァイス:「噂、って……?」
フウゲツ:「いやいや、この街の自警団のリーダーは代々かなりの実力者揃い。素質がない人には、リーダーはできないですよ。あなたも相当できるのでしょうね」
GM:代々って言っても、せいぜい2代目なんだけど(笑)。今の状態になってまだ20年も経ってないから。
フウゲツ:それは俺の予習不足でした。
シュリ:でも、そう言うのね(笑)。
スノウ:「村長や父にはもう会いました?」
フウゲツ:「いや、まだです。街について早々、劇が楽しそうだったので乱入してしまって。衣装もあったし」
レイチェル:(タオルを持ってきて)「……変な人」
スノウ:「それなら、先に村長の家に行った方が?」
フウゲツ:「そうですね。村長の家は、変わってませんか?」
スノウ:「家は変わってないですけど……村長は変わったままです」
フウゲツ:「そうですか……相変わらずヘンですか」
レイチェル:納得されてしまった。
シュリ:あのさ……家はそのままだろうけど、村長はいないんじゃ?
GM:あ、自警団の砦で二週間監禁状態だったんだ(笑)。
シュリ:……それでいいの?
GM:いいよ。村長いなくても誰も困らないし。
シュリ:いや……それは、人としてどうなんだろう。
GM:ちゃんとゴハンあげてるなら問題ないでしょ。
シュリ:そしていつの間にか村長から自警団のデカ長に。
フウゲツ:そうか……。なら、村長の家に行ったあと、スノウの家に行ってみよう。
GM:なら、スノウもついていくよ。──ヴァイスはどうする?
ヴァイス:ここに残るよ。ついていく理由もないし。
GM:じゃ、劇の練習の続きをしておいてね。

村長の家に誰もいないことを知ったフウゲツは、スノウとともにオルドレース家へ。
スノウ:「ただいまー! ……おとーさん、お客さんだよ」
フウゲツ:「……お久しぶりです……」
ゲイン:(がたっとイスから立って)「……フウゲツ……君……か?」
ふと、部屋の空気が重くなった気がした。
フウゲツ:「あの……また、帰ってきてしまいました」
ゲイン:「そうか……。……よく、戻ってきてくれたね……」
スノウ:「……?」
フウゲツ:「それで……急な話で申し訳ないんですが、またしばらくこの家にお世話になりたいと思うんです。だから、できれば部屋を貸していただきたいんですけど」
ユリア:ヤなこったい、と。
シュリ:うちも手狭なんじゃい、と。
ゲイン:「むー……しばらくの間は仕方ないなぁ。君の住むところは、またおいおい考えよう」
フウゲツ:「ありがとうございます」
ゲイン:「ただ……うちの娘もそろそろ年頃なのでね、まあ、何というか……」
スノウ:「おとーさんッッ!(あせあせ)」
GM:分かっているよ、ね。
シュリ:そろそろ、ね。
フウゲツ:そのへんのことはまた、後日考えさせていただくとして……う、なんだかおなかが痛くなってきた……(笑)。
GM:何か逆の解釈をしてないかい? 娘に手ぇ出すなぁゆーとるんじゃあああッ!(バキィッ!)
フウゲツ:あぉうッ! ……いいパンチだったぜ。
レイチェル:……キックです。
シュリ:今のはパンチでしょ?
セツ:「あら、誰かお客様?」
その後、フウゲツはセツとも再会の喜びを分かち合ったのだった──少し、複雑な表情で。

レイチェル:何なら、噴水の横にダンボール……はないから木箱で家、作ってもいいが?
フウゲツ:いや、せっかくゲインさんがOKくれたんですから。
GM:あ、そーいや今、ヴァイスが住むとこもないんだった。
ヴァイス:は?! 砦の、自分の部屋は?
GM:ほれ、オーキッド・タン・ブルーの3人が来てから砦の部屋がいっぱいになっちゃって。ヴァイスの部屋は、オーキッドが使ってる。
ヴァイス:じゃあ帰ってきてからの一週間、僕はどこに……?
GM:スリーアイと添い寝。
ヴァイス:ぐはぁッ!
GM:だってカーキがOKするワケないし、シアと一緒に寝るワケにもいかないでしょ?
ヴァイス:しくしくしくしく……。
シュリ:あ、そういえば、前回「スリーアイは目が見えないから鼻が利くでしょ?」って記述があったけど、スリーアイって目が見えないの?
GM:見えないとは一言も言ってない。あのときはさらっと聞き流したけど、スリーアイは目が見えないから目隠ししてるワケではないよ。

村長:「シュリ、飯はまだかいの?」
シュリ:(銃を磨きながら、淡々と)「さっき食べたでしょ?」
村長:「今日、客人が来るはずなんじゃが……何か聞いとらんか?」
シュリ:(淡々と)「聞いてないです」
レイチェル:人の話も聞いてない(笑)。
村長:「おかしいのう……」
シュリ:(淡々と)「そうですね」
村長:「おかしいのう……。………………。ところで……何でワシはここにおるんじゃろう?」
シュリ:(しばらく間をおいて)「おかしいですね」
ユリア:ここに連れてきた張本人なのに……(笑)。
村長:「そもそも……なんでここに来たんじゃったか……」
シュリ:「もうすぐ……春ですね」
ヴァイス:今、9月(笑)。
シュリ:村長のその言葉を聞いて、初めて「そういえば何でここに連れてきたんだっけ?」と思い出そう。
レイチェル:忘れてたのか。
GM:村長も、なんとなく居心地がいいからワケも分からんままここにいたのだね。
レイチェル:そして周りの人間は、あの二人で話がついているのだろうと思っていた、と。
ヴァイス:全員勘違いしてたのに丸く収まってたんだ……。
シュリ:「……じゃ、帰り道気をつけてくださいね」
村長:「うん」
こうして……村長は二週間ぶりに我が家へ帰っていった。

ビックリした。
あの人にまた会えるなんて。
ミナモト=フウゲツ──お姉ちゃんの恋人だった人。
……トクン……
どうしよう……気持ちが、何だかザワザワするんだ……


