村長の家──
村長:「ひょひょー!」
ユリア:みんなで『ひょひょひょ』?
フウゲツ:一体何語で話してるんだー!
村長:「いよいよ、時が来たのじゃな……」
フウゲツ:「あの……何が?」
カーミン:「あたしたち、これから<神様>にケンカ売りにいくの」
ユリア:とんでもねー、と。
レイチェル:あたしゃ神様よ、と。
フウゲツ:そっちか。
グルン:「まだどうなるか分からないけど……これから、南の方や他大陸にもいって仲間をつのって、それから<神の国>へいこうと思ってる」
フウゲツ:「それはまた、どうして?」
グルン:「あまり大きな声では言えないんだけど……偉ーい<神様>たちがこの星を消し去ろうとしている。僕たちが<神>の矛盾に気づいてしまったからだ。従わない者、知り過ぎた者は消す……星ごと。この星の『神』たちは、それを止めたいと思ってる。僕らは……それを手伝いたい。この星をたすけたい。……そういう戦いなんだ」
フウゲツ:「ヘビーな戦いをしてるのですね……」
GM:10レベルオーバーなキャラばかりだからね。
キャン:「そういうワケなんで、ジジイは借りていくぜ?」
フウゲツ:「どうぞどうぞ、いてもいなくて一緒ですから。何ならオマケもつけましょうか?」
ヴァイス:「それって僕……?」
フウゲツ:「てゆーか、村長なんかが役に立つんですか?」
グルン:「シエナはかなりの刀の使い手だよ。……そりゃ、苦労もしたけど」
フウゲツ:「躾が大変だったでしょうね」
グルン:「すっかり元に戻ってしまってるし……」
村長(シエナ):「ひょ?」
そこへエミリー、それからシアとカーキがやってきた。
キャンとウェイブの瞳が喜びと悲しみの色を浮かべ……わずかに細められる。
シアは、うつむいたままだ。
ウェイブ:「シア……」
シア:「………………」
キャン:「わりぃ……3人で話、させてくれねーか?」
グルン:「ああ。ゆっくり、話してくるといいよ」
ウェイブはシアの肩にそっと手をかけ、娘を連れてきてくれたエミリーとカーキに頭を下げると、村長の家を出ていった。
キャンがその後に続く──自分とよく似た青年の存在に、意味深な笑みを浮かべながら。
ロトリラ:「わたくしも、ちょっと出てきます。個人的に会いたい人たちがいるので。……ごめんね?」
グルン:「うん、ついでに、”彼ら”を探してきてくれる?」
ロトリラ:「分かりましたわー」
こうして……グルンとカーミン、村長ことシエナだけが残った。
エミリー:「彼女は、どこへ?」
村長(シエナ):「ロトリラは魔族の血を半分ひいとるからのう。魔族ハーフたちに、興味があるのじゃろう」
エミリー:「”彼ら”とは?」
カーミン:「イーテと、プリテンプス。一緒に戦ってくれることになってるから」
フウゲツ:ああ、あのはぐれ神族たち。なるほどー、そうですかー。……その間、誰が銭湯を?
GM:ヴァイスに決まっている。
ヴァイス:………………。
フウゲツ:「あの……『結界』のヒビのことなんですけど。どうやって直したらいいでしょう?」
グルン:「詳しいことは僕らにもよくは分からないから……」
レイチェル:「『結界』のことは、古の民が詳しい」
フウゲツ:「そうなんだ。じゃあ、後で聞きにいってみるか」
エミリー:「リーダー、それでいい?」
ヴァイス:「………………」
GM:何でさっきから無言なの?
ヴァイス:さあ。
GM:………………。では、村長が荷物──ふんどしとか──をまとめてる間に、キャン・ウェイブ・シアが帰ってくる。
彼女たちが何を話したのかは分からない。ただ、2つだけ分かったことがある──シアの目が赤く腫れていたこと。それでも彼女は笑っていたこと。
GM:それから、ロトリラもイーテ・プリテンプスを連れて戻ってきた。
イーテ:「──とまあ、そういうワケだ、頼んだぜヴァイス!!! うお、うおおおおおん……(大泣き)」
プリテンプス:「ヴァイスちゃん、お風呂屋よろしくね」
ヴァイス:「………………」
GM:無言は承諾! ──それから、誰か魔法に詳しい人。
エミリー:わたしも魔法使えますが……やっぱ、ヴァイスでしょう。
ヴァイス:おそるおそる手を上げる。
GM:じゃあヴァイス、ウェイブさんが「ちょっと」と言って別室の方にこそこそと。
フウゲツ:や〜、ヴァイス〜、それはやっちゃいけないぞ〜。
エミリー:人妻をナンパなんて〜。奥さん〜! 奥さん〜!!
村長の家 別室──
ウェイブ:「あの……お願いがあるんですけど」
ヴァイス:「……何でしょう」
ウェイブ:「娘の……シアのことです。あの子、いつも籠手をつけてるでしょう?」
ヴァイス:(そういえば金色の籠手をつけてるなぁと思い当たり)「そうですね」
ウェイブ:「あの籠手には、シアが持つ『遺失魔法』を封じる力があります。私たちがあの子を遠ざけたのは、それも理由にあります」
フウゲツ:素直に嫌いだからと言え〜。
レイチェル:──とヴァイスが言う。
ヴァイス:言うかー!
シュリ:……遺失魔法とひつまぶしって響きが似てない?
一同:似てない。
ヴァイス:「何か、危険な魔法なんですか?」
ウェイブ:「元々は私が会得したモノだったんです。あの子を産んだときに、継承されてしまったようで……。『遺失魔法』は神様の忘れ物。究極魔法のひとつ。どのような効果があるのかは……私も使ったことがないので分かりません」
ヴァイス:「それで、籠手で封印している、と」
ウェイブ:「そうです。……ですから、シアのことよろしくお願いしますね(にっこり)」
ヴァイス:「へ……?」(唖然)
レイチェル:ものすごく意味深な「お願いします」だ。
エミリー:娘を好きにしていいってこと?
フウゲツ:そうじゃないだろうが……なんかそんなかんじだ。……またここに、恋のラインが一本。
GM:ウェイブさんは天然ボケだからね。何も考えないで言ったのか……それとも何か含みがあったのか。とにかくそういうことなんで、よろしくね、ヴァイス。
村長の家 居間──
フウゲツ:(戻ってきたヴァイスに)ヴァイス〜、いやらしいぞ〜。
ヴァイス:え? え?
フウゲツ:誤解されたくなかったらちゃんと話せ、と暗に言っているのだ。
ヴァイス:ああ。詳しくは、後で話すよ。
フウゲツ:では、お見送りを。
ヴァイス:ほ〜た〜るの、ひ〜かぁあり〜♪
ユリア:これが彼らの姿を見た最後だった、と。
GM:こっち(ヴァイスたち)が死ぬんだね。
フウゲツ:最悪だ。
GM:そして……彼らはアーケインを後にした、と。
「この星のこと……この街のこと、任せたよ。……できる、だろ?」
グルン=ベートの別れ際の言葉。ヴァイスの答えは……やはり無言だった。


