コーラル:「みんな、ちゃんと逃げたかい?」
空を舞う異形の魔物を見上げながら、食品店のおかみであるコーラル=サンディエゴは武器屋の主人であるドッガー=ブラッシュに声をかけた。
ドッガー:「いーや、駄目だな。誰も、ここから逃げようとしねえ」
店から武器の入った巨大な木箱を引きずり出しつつ、ドッガーが答える。箱を開け、巨大な鉄の槌を取り出すと、筋肉で盛り上がった肩にかついだ。
コーラル:「おや、そいつは困ったね」
ドッガー:「みんなここが好きなんだとよ。──心配いらねえ、うちのバカ息子も、マーロもラウンもいる。アズーレの嬢ちゃんもいる。女子供ぐらいは守れるさ」
コーラル:「おや、あたしも一応女なんだけどねぇ」
店の奥に眠っていたマシンガンに弾を込める。
ドッガー:「知ってるさ、組織でも凄腕の、美人コマンドーのことはよ。出るとこ出てて引っ込むとこ引っ込んだ、いい女だったらしいじゃねえか」
コーラル:「あっははは、今はこの通り、酒樽だけどね」
その酒樽のような腹に無数の弾丸を結び付け、コーラルは両手にマシンガンを構えた。
ドッガー:「ゲインがこの街に来たとき言ったこと、覚えてるか?」
コーラル:「ああ、覚えてるさ。『この街でみんなが幸せになることが、償いになる』だろ?」
ドッガー:「ありゃ、嘘だ」
コーラル:「嘘なのかい? あたしゃいい言葉だと思ったけどねぇ」
ドッガー:「あいつは、自分は幸せになっちゃいけねえと思ってる。『幸せにならないことが償い』だと思ってやがるのさ。……特に、5年前のあの日からな」
コーラル:「そりゃ無理な話さ」
ドッガー:「んん?」
コーラル:「セツがいて、スノウちゃんがいて、どうやって不幸になろってのさ。生きてるだけで幸せだよ、ゲインは」
ドッガー:「生きてさえいれば、か。俺たちもそうありたいもんだ」
コーラル:「そう思うなら生き残りな」
ドッガー:「あんたもな。まだ、俺たちの償いは終わっていない」
コーラル:「さーてと、それじゃ、いっちょいきますか」
ドッガー:「だな」
走り寄る『できそこない』にドッガーが鉄槌を振り下ろす。舞い降りる『できそこない』にコーラルが引き金を引く。
──戦いが、始まった。

GM:さて。『古の民』のところに誰か向かわせるという話はどうなったのかな?
シュリ:体力がそこそこあって、森で迷わない人──レイチェル。
レイチェル:私はそこにいない。
シュリ:(じゃあユリア? でも今ここでユリアを欠くのは得策ではないから……)「誰か魔法の使える人」
ヴァイス:「なに?」
シュリ:「レイチェルのところにいって、レイチェルに『古の民』のところに向かうように言って。──はい、走る!」
ヴァイス:分かった、走るよ(笑)。
GM:誰がリーダーなんだか。
ヴァイス:ねえ(←お前が言うなよ)。
ユリア:馬は使わないれすか?
シュリ:駄馬ね。……もうひとりくらい連れてく?
エミリー:じゃあわたしが。
シュリ:ん、よろしく。
GM:ヴァイスとエミリーが、スリーアイとレイチェルと交代にいくんだね。
ヴァイス:うん。
GM:分かった。……と言っても、『ヒビ』のところまでたどり着くのが大変だけどね。空から『できそこない』につつかれるわ、街の中パニックだわ、マントの裾は踏まれるわ。
ヴァイス:踏まれるんだ……。
GM:そしてエミリーは裸だわ。
エミリー:ちょっと待てーい!
シュリ:せめてエプロンだけでも……。
GM:ヴァイスの前を走ってるから関係ないかも。
ヴァイス:う……(目をそらす)。
シュリ:大変、横チチが見えてしまう!
エミリー:まあ、Aカップだってことがバレちゃう!
フウゲツ:問題はそこかよ。
GM:なんて妄想はさておき……どれだけ負傷したか、サイコロ振っておいてね。
エミリー:(コロコロ)軽傷3つ。
ヴァイス:(コロコロ)同じく。
GM:ボロボロではないか。
ユリア:今回のルールだと負傷の計算が楽でいいれすね。
GM:んで、『ヒビ』のところにたどり着いたよ。
ヴァイス:「レイチェル、スリーアイ、無事か!」
レイチェル:(うなずく)
エミリー:「レイチェルはいったん、『古の民』のところにいって!」
ヴァイス:「『門』を閉じて、『二重結界』を発動させてくれ!」
レイチェル:「……分かった」
シュリ:戦ってるレイチェルの背中に背中をつけて、ささやくように言うのね。
GM:カッコイイね〜。
レイチェル:そして私が振り上げたビームトンファーがさくっと。
シュリ:刺さるのね(笑)。
レイチェル:では今相手してるヤツを倒してから、ローラーブレードで駆けます。
GM:『二重結界』を発動させるタイミングも分からないまま(笑)。
シュリ:それは……逆ね。『二重結界』が発動するタイミングに合わせてこっちが動かないと。『古の民』のところにいった後レイチェルは『門』か『ヒビ』かどっちかへ来るはずだから……そのあと、残った方に『二重結界』発動時刻を知らせにいけば……。
フウゲツ:何とかみんなで『二重結界』の内側に逃げ込める、か。
シュリ:それに賭けるしかないわね。

GM:『魔王の森』へ向かってる途中のレイチェルであるワケですが。
レイチェル:街の人たちの避難の様子とか分からない?
GM:街の北東の方、『古の民』たちの家が立ち並んでる辺りだから、人は元々少ない。住んでるのは……おっと、この人たちを忘れていた。オルディと、カスタさん。
オルディネール:(家から出てきて)「何事ですか?」
レイチェル:「……見たまんまです」
ユリア:あなたのお仲間が襲ってきた、という偏見を言うのはどうかな? ……ヤツらは明らかにモンスターみたいなんれすよね。この世界にはモンスターはいないはずなのに。
GM:そうだね、いないね。
シュリ:排除すべき人をモンスターと呼んでるのね。
ユリア:それなら、明らかに異形のヤツらは魔族に違いない、と。
レイチェル:「何者か分かりませんが、街が襲われています。自警団の判断で、『門』を閉じ、『二重結界』を発動させ、その内側に避難することになりました」
オルディネール:「なるほど」
カスタ:「街の人たちへの避難の呼びかけは?」
レイチェル:「自警団でやっています。……アナタたちも、協力してもらえませんか」
オルディネール:「分かりました」
レイチェル:「では私は、『古の民』のところへ──」
カスタ:「あ、ちょっと待って」
レイチェル:「?」
カスタ:(小さな水晶球をいくつか取り出して)「これを、あのおチチの大きな子に渡してくれる?」
レイチェル:「今すぐ?」
カスタ:「今すぐでなくてもいいわ。……使うかどうかは、彼女の判断次第だし」
エミリー:おチチが大きい……?
シュリ:たぶん、あたし。
エミリー:そうね、サリースじゃないわよね……──って、そういえば今サリースはどこに?
GM:今頃肉ベッドの中から。
ユリア:ちょっと待って、今襲ってきてるのがサリースなのではないんれすか?
シュリ:サリースがいっぱい〜♪(唄う)
ふたりと別れたレイチェルは、『魔王の森』へ足を踏み入れた。
GM:森の入り口で、サデルじいさんが斧を振っている。
エミリー:まさか木を切ってる……?
シュリ:ついに我が家宝『オラクル★ミラクル』を……。
一同、大笑い。
GM:魔物相手に、だよ。空を飛んでるヤツはここまで来れるから。
サデル:「そこの赤い娘、こりゃ何事じゃ!」
ユリア:そうすると体の色がみるみる青く。
レイチェル:そんなユンケガンバみたいなことはしない。
ユリア:赤青黄色になって、技を放つんじゃないの?
ヴァイス:デルタエンド……?((c)ウイングマン)
GM:それをできるのはツェラーだけ。
レイチェル:「おじいさん、街の中心の方──『二重結界』の内側に避難してください」
サデル:「ん、それはよいが……こいつらは……」
ユリア:気にするな、と。
エミリー:気になるわよ。
レイチェル:「私たちにも何者なのかは分かりません。とにかく、逃げてください」
サデル:「分かった。……加勢は、必要ないんじゃな?」
レイチェル:「街の人たちの誘導や護衛をお願いします」
サデル:「ん、お前さんも気をつけろよ!」

レイチェル:……失敗、迷った。
GM:(サイコロの目を見て)また『魔王の森』で迷ってしまったな……。やっぱりノイズのせいか?(笑)
レイチェル:そういえば、ノイズはまだ続いてる?
GM:むしろ強くなったかんじだ。──ってことで、レイチェルは森の中をふらふら。
フウゲツ:迷わないキャラとして送り込んだはずなのに……。
GM:ではここで、場面転換と時間経過だ。


