ACT11.0[コドクのはて] 03

 商店街 12:40

コーラル:「みんな、ちゃんと逃げたかい?」
 

 空を舞う異形の魔物を見上げながら、食品店のおかみであるコーラル=サンディエゴは武器屋の主人であるドッガー=ブラッシュに声をかけた。
 

ドッガー:「いーや、駄目だな。誰も、ここから逃げようとしねえ」
 

 店から武器の入った巨大な木箱を引きずり出しつつ、ドッガーが答える。箱を開け、巨大な鉄の槌を取り出すと、筋肉で盛り上がった肩にかついだ。
 

コーラル:「おや、そいつは困ったね」

ドッガー:「みんなここが好きなんだとよ。──心配いらねえ、うちのバカ息子も、マーロもラウンもいる。アズーレの嬢ちゃんもいる。女子供ぐらいは守れるさ」

コーラル:「おや、あたしも一応女なんだけどねぇ」
 

 店の奥に眠っていたマシンガンに弾を込める。
 

ドッガー:「知ってるさ、組織でも凄腕の、美人コマンドーのことはよ。出るとこ出てて引っ込むとこ引っ込んだ、いい女だったらしいじゃねえか」

コーラル:「あっははは、今はこの通り、酒樽だけどね」
 

 その酒樽のような腹に無数の弾丸を結び付け、コーラルは両手にマシンガンを構えた。
 

ドッガー:「ゲインがこの街に来たとき言ったこと、覚えてるか?」

コーラル:「ああ、覚えてるさ。『この街でみんなが幸せになることが、償いになる』だろ?」

ドッガー:「ありゃ、嘘だ」

コーラル:「嘘なのかい? あたしゃいい言葉だと思ったけどねぇ」

ドッガー:「あいつは、自分は幸せになっちゃいけねえと思ってる。『幸せにならないことが償い』だと思ってやがるのさ。……特に、5年前のあの日からな」

コーラル:「そりゃ無理な話さ」

ドッガー:「んん?」

コーラル:「セツがいて、スノウちゃんがいて、どうやって不幸になろってのさ。生きてるだけで幸せだよ、ゲインは」

ドッガー:「生きてさえいれば、か。俺たちもそうありたいもんだ」

コーラル:「そう思うなら生き残りな」

ドッガー:「あんたもな。まだ、俺たちの償いは終わっていない」

コーラル:「さーてと、それじゃ、いっちょいきますか」

ドッガー:「だな」
 

 走り寄る『できそこない』にドッガーが鉄槌を振り下ろす。舞い降りる『できそこない』にコーラルが引き金を引く。

 ──戦いが、始まった。

 自警団の砦 12:40

GM:さて。『古の民』のところに誰か向かわせるという話はどうなったのかな?

シュリ:体力がそこそこあって、森で迷わない人──レイチェル。

レイチェル:私はそこにいない。

シュリ:(じゃあユリア? でも今ここでユリアを欠くのは得策ではないから……)「誰か魔法の使える人」

ヴァイス:「なに?」

シュリ:「レイチェルのところにいって、レイチェルに『古の民』のところに向かうように言って。──はい、走る!」

ヴァイス:分かった、走るよ(笑)。

GM:誰がリーダーなんだか。

ヴァイス:ねえ(←お前が言うなよ)。

ユリア:馬は使わないれすか?

シュリ:駄馬ね。……もうひとりくらい連れてく?

エミリー:じゃあわたしが。

シュリ:ん、よろしく。

GM:ヴァイスとエミリーが、スリーアイとレイチェルと交代にいくんだね。

ヴァイス:うん。

GM:分かった。……と言っても、『ヒビ』のところまでたどり着くのが大変だけどね。空から『できそこない』につつかれるわ、街の中パニックだわ、マントの裾は踏まれるわ。

ヴァイス:踏まれるんだ……。

GM:そしてエミリーは裸だわ。

エミリー:ちょっと待てーい!

シュリ:せめてエプロンだけでも……。

GM:ヴァイスの前を走ってるから関係ないかも。

ヴァイス:う……(目をそらす)。

シュリ:大変、横チチが見えてしまう!

エミリー:まあ、Aカップだってことがバレちゃう!

フウゲツ:問題はそこかよ。

GM:なんて妄想はさておき……どれだけ負傷したか、サイコロ振っておいてね。

エミリー:(コロコロ)軽傷3つ。

ヴァイス:(コロコロ)同じく。

GM:ボロボロではないか。

ユリア:今回のルールだと負傷の計算が楽でいいれすね。

GM:んで、『ヒビ』のところにたどり着いたよ。

ヴァイス:「レイチェル、スリーアイ、無事か!」

レイチェル:(うなずく)

エミリー:「レイチェルはいったん、『古の民』のところにいって!」

ヴァイス:「『門』を閉じて、『二重結界』を発動させてくれ!」

レイチェル:「……分かった」

シュリ:戦ってるレイチェルの背中に背中をつけて、ささやくように言うのね。

GM:カッコイイね〜。

レイチェル:そして私が振り上げたビームトンファーがさくっと。

シュリ:刺さるのね(笑)。

レイチェル:では今相手してるヤツを倒してから、ローラーブレードで駆けます。

GM:『二重結界』を発動させるタイミングも分からないまま(笑)。

シュリ:それは……逆ね。『二重結界』が発動するタイミングに合わせてこっちが動かないと。『古の民』のところにいった後レイチェルは『門』か『ヒビ』かどっちかへ来るはずだから……そのあと、残った方に『二重結界』発動時刻を知らせにいけば……。

フウゲツ:何とかみんなで『二重結界』の内側に逃げ込める、か。

シュリ:それに賭けるしかないわね。

 アーケイン北東ブロック『古の民』居住エリア 13:00

GM:『魔王の森』へ向かってる途中のレイチェルであるワケですが。

レイチェル:街の人たちの避難の様子とか分からない?

GM:街の北東の方、『古の民』たちの家が立ち並んでる辺りだから、人は元々少ない。住んでるのは……おっと、この人たちを忘れていた。オルディと、カスタさん。

オルディネール:(家から出てきて)「何事ですか?」

レイチェル:「……見たまんまです」

ユリア:あなたのお仲間が襲ってきた、という偏見を言うのはどうかな? ……ヤツらは明らかにモンスターみたいなんれすよね。この世界にはモンスターはいないはずなのに。

GM:そうだね、いないね。

シュリ:排除すべき人をモンスターと呼んでるのね。

ユリア:それなら、明らかに異形のヤツらは魔族に違いない、と。

レイチェル:「何者か分かりませんが、街が襲われています。自警団の判断で、『門』を閉じ、『二重結界』を発動させ、その内側に避難することになりました」

オルディネール:「なるほど」

カスタ:「街の人たちへの避難の呼びかけは?」

レイチェル:「自警団でやっています。……アナタたちも、協力してもらえませんか」

オルディネール:「分かりました」

レイチェル:「では私は、『古の民』のところへ──」

カスタ:「あ、ちょっと待って」

レイチェル:「?」

カスタ:(小さな水晶球をいくつか取り出して)「これを、あのおチチの大きな子に渡してくれる?」

レイチェル:「今すぐ?」

カスタ:「今すぐでなくてもいいわ。……使うかどうかは、彼女の判断次第だし」

エミリー:おチチが大きい……?

シュリ:たぶん、あたし。

エミリー:そうね、サリースじゃないわよね……──って、そういえば今サリースはどこに?

GM:今頃肉ベッドの中から。

ユリア:ちょっと待って、今襲ってきてるのがサリースなのではないんれすか?

シュリ:サリースがいっぱい〜♪(唄う)
 

 ふたりと別れたレイチェルは、『魔王の森』へ足を踏み入れた。
 

GM:森の入り口で、サデルじいさんが斧を振っている。

エミリー:まさか木を切ってる……?

シュリ:ついに我が家宝『オラクル★ミラクル』を……。
 

 一同、大笑い。
 

GM:魔物相手に、だよ。空を飛んでるヤツはここまで来れるから。

サデル:「そこの赤い娘、こりゃ何事じゃ!」

ユリア:そうすると体の色がみるみる青く。

レイチェル:そんなユンケガンバみたいなことはしない。

ユリア:赤青黄色になって、技を放つんじゃないの?

ヴァイス:デルタエンド……?((c)ウイングマン)

GM:それをできるのはツェラーだけ。

レイチェル:「おじいさん、街の中心の方──『二重結界』の内側に避難してください」

サデル:「ん、それはよいが……こいつらは……」

ユリア:気にするな、と。

エミリー:気になるわよ。

レイチェル:「私たちにも何者なのかは分かりません。とにかく、逃げてください」

サデル:「分かった。……加勢は、必要ないんじゃな?」

レイチェル:「街の人たちの誘導や護衛をお願いします」

サデル:「ん、お前さんも気をつけろよ!」

 『魔王』の森 13:20

レイチェル:……失敗、迷った。

GM:(サイコロの目を見て)また『魔王の森』で迷ってしまったな……。やっぱりノイズのせいか?(笑)

レイチェル:そういえば、ノイズはまだ続いてる?

GM:むしろ強くなったかんじだ。──ってことで、レイチェルは森の中をふらふら。

フウゲツ:迷わないキャラとして送り込んだはずなのに……。

GM:ではここで、場面転換と時間経過だ。



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