フウゲツ:「──というワケなのだよ皆の衆。何か妙案はないか?」
エミリー:(やる気のない声で)「きゃーもうダメよ、もうダメだわー」
フウゲツ:「この状況で生き抜くためには……配給制にするしかない。人が最低限生きていくのに必要な量を平等に分配するべきだ」──残念ながらそれを行うことができる資料が手元にある。毛穴の数までバッチリよ。
ヴァイス:……残念ながら?
GM:あの……GMから質問。エミリーの肉ベッドとかヴァイスの〇〇とか、ホントはウソか分からない話は今までもあったけど……ヴァイスが住民リストを作っていたというのはホント? ウソ? それによって今後の展開が変わってくるんだけど。
シュリ:『住民リスト』っていう言い方が悪いんだって。──ヴァイスが作っていたのは『戸籍』。あたしたちはそういうのを作るってことを知らなかったから、ヴァイスがやってたことを気味悪がってたけど、ここにきてそれが役立っている。ヴァイスは正しかったのよ!
フウゲツ:流石だ、ヴァイス。
ヴァイス:え、え、え?(←初めて誉められてとまどっている)
GM:スゴイぜヴァイス! さすがヴァイスだぜ!(キャ〇テン翼風に)
シュリ:……でもスリーサイズはいらないじゃん。
ヴァイス:聞いてないッ! そんなこと!
シュリ:全て目算、と。
エミリー:だからわたしはちゃんと(?)Cカップになってるはず。
GM:そして住人全ての恋愛相関図が。
フウゲツ:すげー! ふくざつ〜!
シュリ:その他もろもろ、黒く塗りつぶされた箇所が多々あるリストを、あたしらは受け取った、と。
ヴァイス:………………。
GM:結局最後はオチがつくのか。──じゃあ……リストは存在するってことで、食料管理はきっちりできるのだね。
エミリー:先に食料を全部配分してしまえば? 後は各個人で管理してもらえば、食糧庫の管理なんてものをしなくても済むし。そうすれば他のことに人を回せるし。
ヴァイス:だけどそれだと、奪ったり奪われたりっていうのが発生しますよ。現に、略奪があったわけだし。
シュリ:ならいっそ、配給制を越えた炊き出し制にする? 籠城したときに農民なんか食料配るときはそうしてたらしいし。
ヴァイス:僕らが管理と警備をして、おばちゃんたちに炊き出しを手伝ってもらう、か……。
フウゲツ:──うん、いい気がしてきたぞ、炊き出し制。
シュリ:じゃあ、それで。
フウゲツ:「『門』が開くまで、ガンバって街のみんなを守るぞ、おー!」
一同:「おー!」

ヴァイス:げげ、食料があと2、3日しかもたない……。
ユリア:どんどん薄くしていけばいいんれすよ。
シュリ:水のような粥を。
ヴァイス:切り詰めても一週間はもたないよねぇ……。
ユリア:(馬をぽんぽんとたたいて)「この馬は駄馬れすが……」
エミリー:そう思う気持ちはよく分かるわ(笑)。
GM:誰か、サイコロ1個振ってくれる?
シュリ:(コロコロ)6。
GM:5を足して……約一週間の間に11件の窃盗があった。
エミリー:わお。
フウゲツ:(コロコロ)4。
GM:暴行4件。
シュリ:(コロコロ)7。
GM:3引いて、4人が行方不明。
エミリー:行方不明って……。
GM:8日過ぎたから……今日は11月28日だね。
ユリア:一カ月切ったれすね──クリスマス公演まで。
フウゲツ:治安が悪いし……さすがに練習に本腰を入れてる暇はないだろうな。……やらないとは言わないが。
GM:子供たちの気晴らしにはいいかもね。
ユリア:治安が悪いなら、治安維持法を発動させるのれす! ──ということで危険思想の持ち主から。
シュリ:(手招きして)エミリー。──あなたのことは明日まで忘れないわ。
レイチェル:せめて年内ぐらいは。
エミリー:たった一カ月。
ユリア:じゃあ日が暮れるぐらいまでで。
シュリ:それまでは生かしておいてあげるから。
ユリア:そのあとは狐狩りれすね。エミリーという名の女狐を。
エミリー:いくらわたしが小悪党だからって、そこまでされる覚えはないわ!
フウゲツ:だが……冗談抜きで治安が悪くなってきた。怪我で苦しむ人も、寒さで苦しむ人もいる。
GM:精神的に不安定になってしまってる人もね。そして……弱者を踏みにじる人も。外に出られないという閉塞感は、想像以上に人々に影響を与えている。
シュリ:食料を減らして体力を奪い、それでおとなしくさせるって方法が戦術としてあるけど……さすがにそれは人としてどうだろう。
フウゲツ:だが人のためと言うなら……我々は理性的にならなければならない立場にあるのも事実だ。
シュリ:大丈夫、量は変わらないから。薄くなるだけ。
GM:幸い水だけは豊富にあるしね。
フウゲツ:今はただ、待つしかない……。

ヴァイス:いよいよ限界かも。
GM:スノウの誕生日である12月6日まであと少し。
ヴァイス:いや、こんな状況下で誕生日もないと思うんだけど。
フウゲツ:だが……元気づけるためにも、何か祝ってやりたいぞ。
GM:じゃあ俺はレイチェルと向こうで話があるから、その間誕生日どうするか話してて。
てことで、移動するGMとレイチェルのプレイヤー。
ヴァイス:話し合っておけって言われてもな……。
ユリア:スノウだけに、雪を降らせれば。
ヴァイス:それは……この街にとってトドメなんじゃ。
ユリア:もちろんれすよ(笑)。
ヴァイス:でも何かプレゼントしたいな……。
ユリア:自分にリボンをつけて。
シュリ:僕(の顔)をお食べ、と。
ユリア:誕生日を迎える前に、食べ物がなくなるし。
ヴァイス:そうなんだよなぁ。
ユリア:これでスノウも、またひとつ年を取るし。
ヴァイス:またひとつ、おばさんになるんだね(←失言)。
シュリ:スノウっていくつになるんだっけ?
ヴァイス:今18だから、19歳。
シュリ:あたしとひとつしか変わらないんだ……(しかも戸籍上ではシュリの方が年下)。
エミリー:わたしと2つしか違わないのね。
ユリア:おほははは。
エミリー:なに、その笑いは。
ユリア:いや、図々しくていいなあ、と。
エミリー:自称二十歳だから(ホントは28歳)。
シュリ:話をプレゼントに戻しましょ。
エミリー:プレゼントか。誕生日が来るまでに『門』が開けば問題ないと思いますけど。
シュリ:何かお守りになるものをあげたら? 木彫りの──
一同:熊?
ヴァイス:欲しくねー。
シュリ:木彫りのリアル西郷隆盛とかね。──プレゼント、何か考えてあげてよ。
ヴァイス:そうだね。──『門』が開いたら帝都に買い出しにいくから、その時ついでに──ついでにじゃなくてぇ──買いにいけばいいかな。
フウゲツ:俺もいきたい。買い出し部隊に混ぜてくれ(笑)。
ヴァイス:フウゲツさんには治安の維持をしてもらわないと。頼りにしてるんですから。
エミリー:ヴァイスの方にそのぐらいのハンディはあげないと、ねぇ。ホホホ。
シュリ:男なら8割ダメだと分かっていても、残りの2割にかけなきゃ。
ヴァイス:9割9分ダメだとしても?
シュリ:1%だろうと0.01%だろうとガンガンいく!
ヴァイス:なるほど……。
ユリア:100%ダメだと分かっていても! それでも『門』に突っ込むんれす!
GM:(戻ってきて)セブンセンシズを燃やして光の速さで突っ込めば。──って、何の話だ?
シュリ:はぐれお母さん。
GM:またか。


