ACT13.0[たとえばぼくがしんだら] 07

 自警団の寮──

フウゲツ:「──というワケなのだよ皆の衆。何か妙案はないか?」

エミリー:(やる気のない声で)「きゃーもうダメよ、もうダメだわー」

フウゲツ:「この状況で生き抜くためには……配給制にするしかない。人が最低限生きていくのに必要な量を平等に分配するべきだ」──残念ながらそれを行うことができる資料が手元にある。毛穴の数までバッチリよ。

ヴァイス:……残念ながら?

GM:あの……GMから質問。エミリーの肉ベッドとかヴァイスの〇〇とか、ホントはウソか分からない話は今までもあったけど……ヴァイスが住民リストを作っていたというのはホント? ウソ? それによって今後の展開が変わってくるんだけど。

シュリ:『住民リスト』っていう言い方が悪いんだって。──ヴァイスが作っていたのは『戸籍』。あたしたちはそういうのを作るってことを知らなかったから、ヴァイスがやってたことを気味悪がってたけど、ここにきてそれが役立っている。ヴァイスは正しかったのよ!

フウゲツ:流石だ、ヴァイス。

ヴァイス:え、え、え?(←初めて誉められてとまどっている)

GM:スゴイぜヴァイス! さすがヴァイスだぜ!(キャ〇テン翼風に)

シュリ:……でもスリーサイズはいらないじゃん。

ヴァイス:聞いてないッ! そんなこと!

シュリ:全て目算、と。

エミリー:だからわたしはちゃんと(?)Cカップになってるはず。

GM:そして住人全ての恋愛相関図が。

フウゲツ:すげー! ふくざつ〜!

シュリ:その他もろもろ、黒く塗りつぶされた箇所が多々あるリストを、あたしらは受け取った、と。

ヴァイス:………………。

GM:結局最後はオチがつくのか。──じゃあ……リストは存在するってことで、食料管理はきっちりできるのだね。

エミリー:先に食料を全部配分してしまえば? 後は各個人で管理してもらえば、食糧庫の管理なんてものをしなくても済むし。そうすれば他のことに人を回せるし。

ヴァイス:だけどそれだと、奪ったり奪われたりっていうのが発生しますよ。現に、略奪があったわけだし。

シュリ:ならいっそ、配給制を越えた炊き出し制にする? 籠城したときに農民なんか食料配るときはそうしてたらしいし。

ヴァイス:僕らが管理と警備をして、おばちゃんたちに炊き出しを手伝ってもらう、か……。

フウゲツ:──うん、いい気がしてきたぞ、炊き出し制。

シュリ:じゃあ、それで。

フウゲツ:「『門』が開くまで、ガンバって街のみんなを守るぞ、おー!」

一同:「おー!」

 それから8日が過ぎた。『門』は変わらず、閉ざされたままだ。
 

ヴァイス:げげ、食料があと2、3日しかもたない……。

ユリア:どんどん薄くしていけばいいんれすよ。

シュリ:水のような粥を。

ヴァイス:切り詰めても一週間はもたないよねぇ……。

ユリア:(馬をぽんぽんとたたいて)「この馬は駄馬れすが……」

エミリー:そう思う気持ちはよく分かるわ(笑)。

GM:誰か、サイコロ1個振ってくれる?

シュリ:(コロコロ)6。

GM:5を足して……約一週間の間に11件の窃盗があった。

エミリー:わお。

フウゲツ:(コロコロ)4。

GM:暴行4件。

シュリ:(コロコロ)7。

GM:3引いて、4人が行方不明。

エミリー:行方不明って……。

GM:8日過ぎたから……今日は11月28日だね。

ユリア:一カ月切ったれすね──クリスマス公演まで。

フウゲツ:治安が悪いし……さすがに練習に本腰を入れてる暇はないだろうな。……やらないとは言わないが。

GM:子供たちの気晴らしにはいいかもね。

ユリア:治安が悪いなら、治安維持法を発動させるのれす! ──ということで危険思想の持ち主から。

シュリ:(手招きして)エミリー。──あなたのことは明日まで忘れないわ。

レイチェル:せめて年内ぐらいは。

エミリー:たった一カ月。

ユリア:じゃあ日が暮れるぐらいまでで。

シュリ:それまでは生かしておいてあげるから。

ユリア:そのあとは狐狩りれすね。エミリーという名の女狐を。

エミリー:いくらわたしが小悪党だからって、そこまでされる覚えはないわ!

フウゲツ:だが……冗談抜きで治安が悪くなってきた。怪我で苦しむ人も、寒さで苦しむ人もいる。

GM:精神的に不安定になってしまってる人もね。そして……弱者を踏みにじる人も。外に出られないという閉塞感は、想像以上に人々に影響を与えている。

シュリ:食料を減らして体力を奪い、それでおとなしくさせるって方法が戦術としてあるけど……さすがにそれは人としてどうだろう。

フウゲツ:だが人のためと言うなら……我々は理性的にならなければならない立場にあるのも事実だ。

シュリ:大丈夫、量は変わらないから。薄くなるだけ。

GM:幸い水だけは豊富にあるしね。

フウゲツ:今はただ、待つしかない……。

GM:そして……(コロコロ)更に3日が過ぎた。12月1日。

ヴァイス:いよいよ限界かも。

GM:スノウの誕生日である12月6日まであと少し。

ヴァイス:いや、こんな状況下で誕生日もないと思うんだけど。

フウゲツ:だが……元気づけるためにも、何か祝ってやりたいぞ。

GM:じゃあ俺はレイチェルと向こうで話があるから、その間誕生日どうするか話してて。
 

 てことで、移動するGMとレイチェルのプレイヤー。
 

ヴァイス:話し合っておけって言われてもな……。

ユリア:スノウだけに、雪を降らせれば。

ヴァイス:それは……この街にとってトドメなんじゃ。

ユリア:もちろんれすよ(笑)。

ヴァイス:でも何かプレゼントしたいな……。

ユリア:自分にリボンをつけて。

シュリ:僕(の顔)をお食べ、と。

ユリア:誕生日を迎える前に、食べ物がなくなるし。

ヴァイス:そうなんだよなぁ。

ユリア:これでスノウも、またひとつ年を取るし。

ヴァイス:またひとつ、おばさんになるんだね(←失言)。

シュリ:スノウっていくつになるんだっけ?

ヴァイス:今18だから、19歳。

シュリ:あたしとひとつしか変わらないんだ……(しかも戸籍上ではシュリの方が年下)

エミリー:わたしと2つしか違わないのね。

ユリア:おほははは。

エミリー:なに、その笑いは。

ユリア:いや、図々しくていいなあ、と。

エミリー:自称二十歳だから(ホントは28歳)

シュリ:話をプレゼントに戻しましょ。

エミリー:プレゼントか。誕生日が来るまでに『門』が開けば問題ないと思いますけど。

シュリ:何かお守りになるものをあげたら? 木彫りの──

一同:熊?

ヴァイス:欲しくねー。

シュリ:木彫りのリアル西郷隆盛とかね。──プレゼント、何か考えてあげてよ。

ヴァイス:そうだね。──『門』が開いたら帝都に買い出しにいくから、その時ついでに──ついでにじゃなくてぇ──買いにいけばいいかな。

フウゲツ:俺もいきたい。買い出し部隊に混ぜてくれ(笑)。

ヴァイス:フウゲツさんには治安の維持をしてもらわないと。頼りにしてるんですから。

エミリー:ヴァイスの方にそのぐらいのハンディはあげないと、ねぇ。ホホホ。

シュリ:男なら8割ダメだと分かっていても、残りの2割にかけなきゃ。

ヴァイス:9割9分ダメだとしても?

シュリ:1%だろうと0.01%だろうとガンガンいく!

ヴァイス:なるほど……。

ユリア:100%ダメだと分かっていても! それでも『門』に突っ込むんれす!

GM:(戻ってきて)セブンセンシズを燃やして光の速さで突っ込めば。──って、何の話だ?

シュリ:はぐれお母さん。

GM:またか。



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