#1 『LOVEPASSION』 05


 西暦2000年10月07日(Sat.)
 結城家08:05 a.m.

GM:では、次の日です。

小鈴:寝坊しちゃった。「義姉さんおはよー。行ってきまーす!」

浩之介:兄さんには声かけないんだな。

隆志:私が部屋にこもっていたからだよ。てことで、昨日のビデオのエンコードを仕掛けてから、家を出ます。帰ってくる頃には終わってるだろう。

浩之介:なんちゅー兄貴だ。

涼:俺ってあるイミ一人暮らしか?

GM:そうだね、実家は遠いところにあるんだろう。

 千歳高校校門前08:15 a.m.

涼:いつものように、バイクで通学。

チャーリー:僕はリムジンデース。

小鈴:車から降りたら、赤い絨毯がひかれていくんだね。

GM:リムジンが2台乗り付けて、片方からチャーリーが、もう一方から麗香が降りてくる。で、赤い絨毯が2本、交差する(笑)。

小鈴:なるほどなるほど。

チャーリー:「グッモーニンッ、麗香! 今日もビューティホーデスねー!」

麗香:(髪をかきあげて)「当然ですわ」

浩之介:うわー、どっちもどっちだー!

小鈴:「おはよー麗香さーん。昨日の数学の問題、簡単だったよねー」(C組は午後にやった)

麗香:「あんな小学生レベルの問題、わたくしが解くまでもありませんわ(汗)」

小鈴:「さすが麗香さん。──じゃ、またねー。おはゆー!」(去っていく)

涼:「いいかチャーリー、あの二人をよく見てみろ。日本にはこういうことわざがある──『一寸の虫にも五分の魂』 ……じゃあな」(去っていく)

チャーリー:「奥が深いデース」(←バカ)

金太郎:日本にはこういうことわざもある──『新しいズボンが欲しければ、古い靴をはけ』『……どういうイミだ?』『……今作った』(一同爆笑)

GM:(……なんなんだかなァ……)

 2年A組08:29 a.m.

金太郎:「はい、みんなおはよーさんおはよーさん! おっはよーさ〜ん!」

GM:今日は信也が来ていない。

小鈴:あれ? 昨日のガラスのせい?

GM:あれを割ったのは一真だよ。今日は半ドンだから、さぼったんだろう。

涼:いや、きっと死んでるに違いない。

浩之介:何でそうなる。

涼:なぜ俺がそういうことを知ってるかというと……俺が犯人だからだ。

金太郎:そうかッ! 犯人は、お前やー!

涼:そんなワケないだろう。だいたい俺がやったという証拠はあるのか? ん?

金太郎:くッ、それは挑戦やな? わいへの挑戦と受け取っていいんやなー!

GM:……ええかげんにしなさい!(笑)

涼&金太郎:はーい。

 女子更衣室09:48 a.m.

GM:C組の2時間目は体育だよ。

浩之介:さーてビデオビデオ。

隆志:妹の着替えシーンか。見慣れているけど、まあいいや。

小鈴:……アンタらねぇ……。

GM:それで、だね……誰かが覗いていたって騒ぎになるのだが。

浩之介:ぎくうッ!(笑)

GM:犯人は……体育の小沢先生だったらしい。本人は否定しているけどね。

小鈴:あんな純朴そうな人が、覗きなんかするのかなァ……。

涼:逆にそういう人だから、したのかもしれんぞ。──だいたいさ、覗きぐらいでガタガタ言うなよ、減るもんじゃないし。……な、水色。

小鈴:………………(当たっていたらしい)。な、なによう、白いブリーフのくせにィ!

涼:俺はトランクス派だ。

小鈴:このあいだはいてたじゃない。

涼:はいてない。

GM:小鈴が見たのは、たぶん浩之介<こっち>だよ。

小鈴:あ、そか(笑)。

浩之介:いつ見たんだいつ〜!

小鈴:ふふふ。──それより、ホントに小沢先生だったの?

GM:さあねえ、確実な証拠はないようだし。案外、厳重注意ぐらいで済むかも。

小鈴:ふぅーん……。

 2年C組11:09 a.m.

GM:さてC組の諸君。3時間目の授業を受けてるとだね……女子生徒の一人が、気分が悪くなって倒れてしまう。

小鈴:保健室連れていこうか?

GM:そーだね。(涼を見て)……じゃ、よろしくね保健委員。

涼:俺か?! そんな話、承諾した覚えはないぞ! ……もっとも、そんな話聞いた覚えもないが。

GM:いやー、だって、これは君しかいないでしょ。

小鈴:よろしく〜!

涼:いきたくね〜。……マジで?

GM:もちろん。

涼:……分かったよ、いくよ。いけばいいんでしょ。──お前らは知らないけどな、俺はあそこに近づいちゃいけないことになってるんだよ。

小鈴:なんで?

涼:……秘密。

 2年A組11:10 a.m.

一真:「……あれ、ニイザキは?」

進吾:「さっき出ていったぞ。また貧血じゃないか?」

金太郎:(突然、ガターンと席を立って)「分かったで、犯人はお前やー!(叫)」

GM:なんだ? また『金田一少年』とか読んでたのか?

隆志:誰も全然気にしてなかったらイヤだな。

金太郎:「あ、すんません。気にせんと、どーぞ授業続けてください」

GM:言われるまでもなく、授業は進む。先生も、もう慣れたんだろうね。

金太郎:それはそれで、さみしい人生やなァ……。

 保健室11:16 a.m.

GM:保健室の前だよ。

隆志:ここまで足首を持ってずるずる引きずってきたのだね。

金太郎:いやいや、髪の毛引っ張ってきたんかもしれんで。

涼:……違うぞ。
 

 ガタガタと立て付けの悪いドアを開け、中に入る涼。
 

涼:「お客さんでーす」

保健医:「はーいどーぞー」
 

 白衣に身を包んだ若い女性が、ひょっこり顔を出す。彼女の名は、梨畑 澪
 

GM:男子生徒が「気分が悪くなった」と言ってよく来ているらしい(笑)。

浩之介:気分が悪くなって来て、気持ちがよくなって帰っていくんだな。

GM:……んなこたァないよ。

浩之介:……すまん。

澪:「あらリョ……神宮寺クン」

涼:「それじゃ、あとよろしくお願いします」

澪:「ちょっとちょっと、ベッドまで運んであげてよ」

涼:「……了解です」

金太郎:ばーんとベッドに叩きつけて、「テメー重いんじゃコラー!」と。

GM:しないって、んなこと。

涼:(女子生徒をベッドに寝かした後、服を正して)「──では、状況の説明から始めます。えーっと、発生時刻は先程、約5分前。軽い痙攣症状が見られましたが、すぐにおさまったからこれは大丈夫でしょう。現在は痙攣後の睡眠に入ってるものと思われます。いつも倒れる方ではないので、大したことはないかと。……以上です」

澪:「……やっぱ保健委員にして正解だったわね」

涼:「それじゃ、失礼します」

澪:「はーい、御苦労様」

涼:(保健室を出て)「……ふう……」

 セ式茶道部部室01:18 p.m.

GM:今日は土曜日だから、昼から部活だよ。──で、平君は今日も来てないようだ。

涼:大変だな。

チャーリー:何が大変なのデスか?

涼:それは、俺にも分からん。

 職員室01:25 p.m.

教師A:「あ、結城先生、ちょっとこの箱、倉庫まで運んでもらえませんか?」

隆志:「いいですよ」──どんな箱なの?

GM:教材が入った普通のダンボールだよ。4つあるね。

隆志:台車は?

GM:あるよ。

隆志:なら、台車を使おう。

涼:ところがここは2階で、台車は反対側の校舎の4階にある。

GM:何かのゲームみたいだな。……台車はすぐそこにあるよ。

隆志:運ぶよ。……で?

GM:いや、それだけだよ(笑)。

隆志:(何の伏線だったんだろう、という顔をしている)

 2年A組01:40 p.m.

GM:さてチャーリー、君が教室でアフターヌーンティーを楽しんでるとだね……二葉がやってくる。

チャーリー:「Oh、ミス二葉〜! 僕に何か御用デスか?」

二葉:「ちょっと、付き合ってもらえるかな」

チャーリー:「Oh、そんな、いきなり、大胆デース! 急に言われても心の準備というモノが──」

二葉:「やかましい」(殴)

チャーリー:「アゥチ! ……一真以外には手厳しいデース」

金太郎:(冷淡な声で)早く行きたまえ。

GM:そう、我々には時間がないのだ。

チャーリー:で、どこ連れていかれマスか?

GM:……それは着いてのお楽しみ。

 校舎裏01:47 p.m.

GM:というワケで、校舎裏に着いたよ(笑)。

チャーリー:ここは伝説の校舎裏! ……け、決闘でもするデスか?

金太郎:アンタ、C組の○○ちゃんにラブレター出したでしょ。ああいうの、迷惑なのよね。

小鈴:ありそうありそう(笑)。

隆志:で、女子生徒に囲まれて、ボコボコに蹴られるのだ。

チャーリー:ノォォォォウー! そんなー、ヒドイデース!

GM:違うっつーの。──小柄な女の子が、君と二葉を待ってるのだよ。
 

 恥ずかしそうにもじもじしている少女の名は、八重木 栞。八重木進吾の妹で、二葉と小鈴の後輩でもある。
 

浩之介:詩織?

GM:違う、『干す干す木』の方。

チャーリー:本にはさむ方デスね。OKデス。

二葉:(こそこそ)「あの子がね、あなたとデートしてほしいんだって。明日一日、付き合ってあげてくれないかなぁ?」

チャーリー:「デートぅ?! ミー?!(驚)」

二葉:「しーッ! (こそこそ)バカっぷりを発揮しちゃダメ。栞は、あなたがそういう性格だって知らないんだから。あの子の前じゃ『かっこよく』で通してよ」

チャーリー:「フフフ、僕も罪な男デース」

浩之介:なまじ顔がいいから始末が悪い。

GM:2年の女子には、『エスコート上手そうだけど、実はヘタ』っていうのがばれてる。

チャーリー:ぎくぅ!

涼:かっこいいけどエッチは下手ってやつか。

チャーリー:そこまでいく前に、『いいひと』で終わってしまうのデス。

小鈴:『どうでもいいひと』なのね。人間、顔じゃなければお金でもないってことよ。

二葉:「で、明日付き合ってもらえる?」

隆志:今、二人で一日中竹刀で突きあってる映像が頭に浮かんだんだが(笑)。

GM:さすがにそこまでバカじゃないだろう。……どこに行くかとか、何時に集合するかとか、そっちで決めていいよ。

チャーリー:フフフ、12時になったら魔法が解けて、カボチャの馬車に戻ってしまうのデスね。

GM:そんな時間まで連れ回すつもりか! 門限は、7時だー!

涼:だいたい、『カボチャの馬車に戻る』のは、変だろ。

チャーリー:Oh、僕としたことがとんだミステイクを……。

金太郎:……バカやな。

チャーリー:「では、10時に駅に集合して、それから遊園地に行くのはどうデスか?」

涼:集合? 何人集めるつもりだ?

チャーリー:Oh、僕としたことがとんだミステイクを〜!

金太郎:……バカやな。

GM:まあ、それでOKかな。10時に駅で、それから遊園地だね。

チャーリー:そうデース。向こうは、それでいいデスか?

GM:栞ちゃんは、君が行くとこならどこでもいいらしい。

浩之介:じゃあホテルでも?(ニタリ)

チャーリー:そこまで強引にでももっていけてたら、今頃は……。

GM:ではでは。そういうことで、時間を一気に進めるよー。

小鈴:いつまで?

GM:明日の朝まで。


Brand-new Heaven TRPG
<L・P>
<L.P>目次
TRPG TOP
HOME