DAY4 【幸福の行方】 07


チャーリー:「……金ちゃんの知り合いデスか?」

金太郎:「一応な」

チャーリー:では、警戒を解くデス。

金太郎:「なんや、見舞いか? 珍しいこともあるもんやな」

利迎院:刀から手を離そう。

GM:ところで、いつからチャーリーは木刀を使った格闘術なんかを覚えたのだ?

金太郎:覚えてはいない。

利迎院:幼少時から瀬蓮殿との戦いの日々の中で自然に。

チャーリー:いや、格闘術じゃなくて剣道の応用。型練習では木刀を使うのデスヨ。

GM:おお、剣道部であることをすっかり忘れていたよ(笑)。

利迎院:そもそも究極剣道部は格闘系ではなかったか?

チャーリー:そんなネタもあったよーな(笑)。

金太郎:「えらい慌ててたようやけど、何聞いて来たんや?」

浅生:(バツ悪そうに頭をかきながら)「殺人があって、お前らが意識不明で運ばれたって、な」

金太郎:「外れてはおらへんか。……それだけか?」

浅生:「それ以外は……こんなとこじゃ話せないだろ」(チャーリーたちを見て)

金太郎:「は。妙なことを。ガイジン嫌いか?」

GM:一般人に捜査内容をべらべら話せないだろ、と。

チャーリー:新聞とかには殺人があったってきっちり報道されてマシタ?

GM:いや、なかったね。

金太郎:「なんか知っとるんやったら教えてくれ。わいら記憶が飛んどるんや」

浅生:「こいつらは……鹿目ローラ殺害事件の関係者なのか?」

金太郎:「全員現場におった……って、やっぱアレはローラはんやったか」

浅生:「いや、首はまだ見つかってないが、家族がそうだと断定した」

トム:あやしー。

金太郎:「DNA鑑定とかは」

浅生:「一応、部屋にあった頭髪と一致した。遺体は家族に引き取られて、すぐに葬儀が行われるそうだ」

金太郎:「おいおい、それなんかマズないか?」

浅生:「そうは思うが、仕方がない。上から圧力がかかった」

金太郎:「……ほれ見てみぃ、来たでぇ〜」

トム:DNA鑑定ってそんな簡単に出来るの?

利迎院:さぁな。捜査用は分からんが、抽出・増幅・解析は2日もあれば十分できたはず。

金太郎:「部屋っちゅーのは自宅の部屋か?」

浅生:「自宅の、ブラシだ」

金太郎:「なるほどな。本人と断定するには十分か。……家族警察がグルの場合以外な」

チャーリー:「あるいは科捜研も抱きかかえられるくらいの相手が干渉していなければ、デスカ」

浅生:「ボロいアパートだから、忍び込むのも簡単だろうがな。小細工しようと思えば、誰でもできる」

金太郎:「ローラはんの家ってそんなところやったんか」

浅生:「ああ。愛人にしては、しけた家だった」

金太郎:……愛人? 愛人ってなんや?」

浅生:「鹿目ローラは……梅中エンジの愛人だ」

金太郎:「育郎おじさんやのうて、そっちかいな。うーん、やっぱアレがらみやな」

浅生:「アレ?」

金太郎:「そういや、その梅中夫婦はどうしとるんや?」

浅生:「表向きの扱いは重要参考人として、取調べ中」

チャーリー:仮に不倫のもつれだったとして、梅中夫妻ってどっちも人の首をはねるだけの力なさそうな印象なんだけど。

トム:首をはねるってチョット難しそうだよね。小説とかだとよくあるけど。

利迎院:首をはねるのはそう造作のいることではない。きれいに刎ねる、となると話は別だが。

金太郎:「ドレッシングと、ハゲの組織についてとか、何かないか。めっちゃ怪しいねんけど」

浅生:「なんのネタだ。それは。ドレッシングでハゲは、キューピーだろ、きっと」

金太郎:「ドレッシングちゃうわ、ナイフや、ナイフ。何とかいうやつで、梅中のおっさんが大事にしとった。ほいでそれを、ハゲの組織のやつらが奪いにきよったんや。あの別荘で」

浅生:「美術品か。いくつか持ち込んでいたようだが、ナイフはなかったな」

利迎院:「千の内府という茶器のことだな」

浅生:「茶器はあったぞ」

トム:ナイフじゃなくて内府か!

利迎院:そう理解している。ナイフという単語はわしの辞書にはないからな。

金太郎:「ナイフはなかったか。ほなら、それに関する証言とかは」

浅生:「松下育郎氏にいつか見せるつもりで持ってきたと言っていたな」

金太郎:「そうやおじさんや、あのおじさん今どうしとるんや?」

浅生:「彼も一応参考人として話を聞いているが……扱いはほとんど客人だな。──それから、ハゲには心当たりはない」

金太郎:「へ、……あー、ハゲは明日か」

浅生:「……? 頭、大丈夫か?」

金太郎:(ぼそっと)「明日になってまだハゲがナイフ探しとるっちゅーことは、やっぱどっかに紛れこんどるな……。──おじさんの荷物にも、ナイフはあれへんか」

浅生:「なかったな。どんなナイフだ? それが事件と関係あるのか?」

金太郎:「どんなナイフかは知らんけど、赤いコート着た連中が、そのナイフ探して、あの別荘を襲撃したんや。ほいで、取り押さえようとしたら、急に明るくなって、……、そこから記憶が飛んどる。首なし死体発見した次の日やな」

チャーリー:……あれ、そういえばケイさんは今どこなんだろ。やっぱり警察なのかな?

GM:さあ?

金太郎:聞いたらええがな。

チャーリー:じゃ、金ちゃんの質問が一段落したら。

金太郎:いつするんやろうなぁ。今聞いたかてええやんか。

チャーリー:ここも大事な話しな気がするから、腰折りたくないし。

金太郎:そんな話程度でおられるような腰しとらへんよ。

浅生:「さっぱり意味が分からんが、怪しいヤツらが、梅中の何かを狙ってたってことは分かった」

金太郎:「意味分からんて。こない理路整然とした説明あれへんで」

浅生:「赤いコートのハゲで理路整然か。名探偵が聞いてあきれるな」

金太郎:「……梅中のおっさんはそういう話はしとらんのかっちゅーことや、第2位君」

浅生:「してねーよ。つーか、ほとんど何も話してない。愛人関係を認めたぐらいだ。……それからその呼び方やめろ」

金太郎:「考えとく。……ほなその話はもうええわ」

チャーリー:「そういえば、ケイさんは今どうしてるんでしょう。セバスチャンに聞いてもよくわからなかったのデスガ」

浅生:「ケイ? ああ、あのお嬢さんか。彼女は入院中。心労だろうって話だ」

チャーリー:「……そうですか……。後でお見舞いにいかないと。……心労ということは、外傷などの心配はないんデスネ?」

浅生:「それはないらしいから、安心していいだろう」

チャーリー:「……まだ、本当に安心はできないんですけどね」と心の中では思ったりしつつ。

トム:「ちょっと待ってくれみんな! 今気づいたんだが、一見無意味と思える『ケイ』という単語に『ススノトダムラ』を加えてみると『ケススノトダムライ』となる」

金太郎:「まったく無意味や」

トム:「これを並べ替えると『ノストラダムスイケ』となるが、この場合『イケ』はノイズと考えられるのでそれを取り除いてみると……後に残るのは『ノストラダムス』! そう、これはノストラダムスからのメッセージだったのだよ!」

利迎院:同じことは「キンタロウ」でも起こるな。

金太郎:他に誰か何か聞くことないんか? 情報源が来たんやから聞くこと聞かんと。

利迎院:今考え中だ。……からみづらいキャラを作ってしまった、と。

GM:そっちか。

金太郎:「現場検証やったんやろ? 荒らされた2つの部屋、なんかあったか?」

トム:「怪しげな白いしみとか」

浅生:「それは福岡とやらの部屋から見つかったな」

金太郎:(相部屋やけどな……)「赤いしみとか」

トム:相部屋だけど気にせずシュッシュッポッポと。

浅生:「鹿目ローラの部屋にあった血痕は動物の血だな。調理用の鶏がなくなってたりしたらしいから、それも使ったんだろう。あと、ペットボトルであやしい液体を持ち込んでたようだな。こっちはまだ詳しいことは分からんが、『呪い』とかそっち系のもんらしい」

トム:「ペットボトルであやしい白い液体を」

金太郎:「……せやけど、ローラはんにそんな呪いみたいな趣味があったとは言うてへんかったな、誰も」

浅生:「梅中の部屋からは盗まれたものはなかった。窓ガラスが割れていたが、それが例の赤いコートとやらと関係あるのか?」

金太郎:「おーありや。襲撃言うたやろ。そっから入ったんやな。2階やけど」

浅生:「……あの吹雪の中、外から襲撃者……?」

チャーリー:「……窓が割られていたと言いましたが、それは内側から割られたものデシタ? 外側から侵入者が割ったものではなかった?」
浅生:「お前俺たちをナメてるのか? 明らかに外からだ、アレは」

チャーリー:「でも、外からの襲撃者に疑問を持つほどの吹雪だったデスカ?」

金太郎:「……吹雪のすごさは知っとるやろう」

トム:「吹雪で何か飛ばされてきて窓にあたって割れたんだなきっと」

チャーリー:「そうなると、その吹雪をものともしない化け物染みた連中である、か……。あるいは、中にいた人が外に回って……のどちらかに絞られる気がしたもので」

トム:「そう、例えば……でっかいブーメランとか。そしてそのブーメランが故人の首をはねた……と考えれば全てつじつまが合う!」
金太郎:「なんか物が飛んできて割れたわけではない、か?」

トム:「そう、これは殺人なんかじゃない、事故だったんだよ! だからこそ新聞記事にならないんだ!」

GM:なんだってー!!!

チャーリー:「なにか物が飛んできた、のなら明らかにそれと分かるものが部屋の中に転がってませんカ?」

トム:「ブーメランと考えればその場に凶器が見当たらないのも納得がいく。何故ならブーメランなら戻っていくからだ。きっと凶器のブーメランは部屋から結構離れた位置に落ちているに違いない。……しかしそれが見つかるのは春、雪が解けてからだ」

金太郎:「……密室の部屋の中へ飛んでいくブーメランか……」

利迎院:しかも吹雪の風にも負けず。

チャーリー:激しく風の影響を受けるブーメランが。

トム:「なんということだ。この一分の隙もない推理。ああ、俺は自分の才能が恐ろしい」

金太郎:トムの方が金太郎っぽいな。

GM:あと、聞くことはあるかな?

金太郎:「ケーサツはなんで事件を知ったんや? (小声で)やっぱ組織とのつながりが……。あの赤いコートは警察の新しい制服で……」

浅生:「松下育郎からの通報があった」

金太郎:「なんや。いつ?」

浅生:「いつだったかな。(手帳をめくって)元旦だな」

トム:「赤いコート…何故謎の組織なのに目立つような色なんだ…俺たちはそこにまず気がつくべきだった……。あの赤いコートはカモフラージュ……そう、真犯人へと繋がる、ね。ポイントはここだ。あのハゲ、『けがない』にも関わらずそのコートは血で染めたように真っ赤だった。これは大いなる矛盾点だ。そこで『謎の組織』。そこに今出てきた『矛盾』というキーワードをあわせてみると……。 ──は、そうか! 俺たちはまた同じ過ちを繰り返すところだった……。そうだ、記憶が途絶えている期間──赤いコート──紅白歌合戦──……そういうことだったのか!!! あの赤いコートの男は『今年の紅白は赤組が勝ったよ!』ということを示していたのだ!!! 記憶を失っている俺たちに対するさりげない配慮……これこそが奴の正体だったんだよ!」

金太郎:「まだ放送もしてへんのに……」

トム:アレ、赤いコートの男って後で病院に現れたんじゃなかったっけ?

GM:そうだね。

トム:じゃあやっぱり俺の推理で正しいじゃん。

金太郎:そうか?

トム:「そうなると『謎の組織』とは……NHKではないだろうか? そう、天下に名だたるNHKであるにも関わらず謎の組織、ここが大いなる矛盾点だったんだよ! 謎は全て解けたーーーーーっ!!! 第一部完!!!」

金太郎:「トム、そんな推理ではまだまだやなー」

トム:「な、なにっっ」

金太郎:「派手な赤のコート……、そんなものを着る理由はただひとつ。──その方がかっこいいから!!!」

チャーリー:武装錬金はトムは分かるんデスカ?(笑)

トム:「いや、奴はきっとチャンピオンだったに違いない。俺たちがコートと思っていたものは実はボクサーのガウンだったんだよ」

金太郎:「ボクシング……、トムとトミー……、あのハゲはお前か、トム!!」

トム:「ハゲって言うなー! 俺はハゲじゃねー!」

金太郎:「まあええ。――31日丸々あいとるけど、その間何があったか知らんか。わいらは31日も昏睡状態のままやったんやろうか?」

浅生:「さあな。とにかく今回、この件に関してはみんな口が堅くてな。いろいろ分かるのはこれからだろう」

金太郎:「ふむ……」

チャーリー:「ローラさんがカルト集団とかそういうのに出入りしてた……なんてことは?」

トム:「ローラさんがNHKの受信料未納だったとか……そういう事実は?」

利迎院:松下家と土屋家の関係、その上に立つ大名家の問題、そして松下家を狙うもの……。

トム:そこにまつわる紅白の謎……。

金太郎:美で劣るのは誰なのか……。

GM:ヒントは3つ。セバスちゃんの話、急がれてる葬儀、そして……外見、かな。

利迎院:外見? 誰の?

GM:それは自分で考えるのだ。


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