オニキス:「ラズリ!  ラズリ!」

ラズリ:「あ……?」

オニキス:「なにぼーっとしてんだよ。しっかりしろよ」

ラズリ:「ここは……」

GM:君とオニキスはゆっくりと落ちていっている。淡い輝きを放つ、空間の中を。

ラズリ:そっか。『紫の中空』だったね、ここ……。ねえGM、あたし、姉さんの手、しっかり握ってるからね。絶対、離さないからね。

GM:(にっこり笑って) 分かったよ。ふたり、手をつなぎながら落ちていく。深く、深く、深く──

ラズリ:「姉さん……。あたし、いろんな話を聞いたよ、あの人に」

オニキス:「そうか……」

ラズリ:「いろんなことが、あったんだね……」

オニキス:「そうだな……」

ラズリ:「たくさんの人が、傷ついてたんだね……」

オニキス:「そうだな……」

ラズリ:「あたしね……」

GM:そのとき、オニキスだけ落下速度が遅くなる。少しずつラズリとの距離が開いていくよ。

ラズリ:手、離さないからね!

GM:(首を横に振って)少しずつ距離が離れていく。手も──離れてしまう。

ラズリ:「そんな!  姉さん!  姉さん!」

オニキス:(にっと笑って)「バーカ、泣くんじゃねーよ」

ラズリ:「姉さん!  ひとりは……ひとりぼっちはイヤだよぉ!」
 

GM:君たちは『紫の中空』にいる。んで、少しずつ落下している。まるで水の底に沈んでいくようにね。

ガルフ:「ここが『紫の中空』か……」

オペリオ:♪たちってことは──やっぱおれもいるの?  しかも全裸で(笑)♪

一同:うわぁ、イヤすぎるぅ(笑)。

オペリオ:♪はっ!  昔見た、全裸で暗闇を落ちていくビジョンはこれだったのか!♪

GM:(ぽんと手を叩いて) さすがオレ。一分のスキもない伏線(笑)。 

ガルフ:ウソつけ。

GM:うん、実はただのウケ狙いだったの、あれ(笑)。

ガルフ:しかし大丈夫なのか?  一般人がこんなとこに来て。

オペリオ:♪だーいじょうぶ!  なんてったってオペラ時空の使い手だから♪
 


GM:で、だんだんふたりの落下速度に差が出てくる。ガルフの方がオペリオより早く落ちていく。

オペリオ♪ガルフぅ!(手を伸ばす)♪

ガルフオレは手を伸ばさない(笑)。また会おう、オペリオ!

オペリオ:♪ひどいやひどいやひどいや〜(笑)♪

GM:オペリオとはぐれ(笑)さらに落ちていくガルフ。そしてそれを待ち構えているのは──

ガルフ:「お前、か……」
 


ガルフ:「こんなところで何をしている?  ラズリを探しているのか? それとも──」

ラグランジェ:「あなたを殺すために──ここで待っていました」

ガルフ:「やはりそういうこと、か……。(フッと笑って) そこをどけ。オレにはやることがある」

ラグランジェ:「見殺しにするんですか──ラズリさんを」

ガルフ:「ああ……。オレはラズリを救いに来たんじゃない。世界を救いに来たんだ」

一同:な、なにぃ!?

ラグランジェ:「このままでは、ラズリさんは『生け贄』として『紫の中空』に捕らわれ続けることになる──永遠に。
        永遠の束縛──そんなことは、絶対にさせない……」

ガルフ:「だが『儀式』を中断すれば、『扉』が完全に開いてしまう。──どういうことか分かるか?」

ラグランジェ:「世界の、融合……」

ガルフ:「そう……いわゆる『人間界』と『魔界』がひとつになるんだ。
     だがひとつの場所にふたつのものは同時に存在することはできない。時間と空間は崩壊し──世界は消滅する」

ラグランジェ:「だから、彼女を犠牲にするんですか?  あなたは……ラズリさんを愛してたんじゃなかったんですか?」

ガルフ:「…………。──世界を救うことが、オレの任務だ」

ラグランジェ:「世界なんかどうでもいい。ラズリさんが救われるなら……それでいいじゃないですか」

ガルフ:「世界が滅びればどのみちおしまいだ」

ラグランジェ:「ラズリさんが全てなんだ……。ラズリさんを守ることがボクが全てなんだ!」

ガルフ:「どうやら貴様とは話すだけ無駄のようだな。邪魔をするなら──容赦はしない!」
 

……ラズリ……。見えなくなっちまったな……。……ん?
 


……お、お前は……。

──初めまして、というのも変ね……。会いたかったわ……オニキス……。

……おふ……くろ……?

──ずっと待ってたのよ、ここで……。

……あんた、何言ってんだ……? だいたいなんでこんなとこに……あ……。
 


──さあ、こっちへいらっしゃい……。

……へっ、ヤダね。なんで私があんたの言うこと聞かなきゃなんねーのさ。

──私は母親であなたは娘よ。──そうでしょう?

……勝手なこと言ってんじゃねーよ。

──お母さんはあなたを助けにきたのよ……。

……助ける?  始末をつけるの間違いじゃねーのか? ──全部知ってるんだぜ、あんたたちが何をしてきたのか。

──そう……。でも、私があなたを助けたいのはあなたを愛しているからよ。あなたが……大切な娘だからよ……。
    さあ、おいで……。

……何、言ってんだよ……。

──何を怖がっているの?  私の大切なオニキス……。さあ……。

……何……私を見捨てといて……今更……今更何言ってんだよぉ! 今更よぉ、何だってんだよぉ!

──オニキス……。

……やめろ……。

──オニキス……。

……やめろ……。やめろ!

──オニキス……。

……やめろやめろやめろぉ!!!  私の名を呼ぶなぁ!

──オニキス……。私が、罪の呪縛から解き放ってあげる……。

……うるせー!  お前なんか……。お前なんかぁ!
 


──これが、あなたにしてあげられる、たったひとつのことだから……。
 


──ごめんね……。

……お…か…あ………さん………。
 




リプレイ第二部目次