ゴゴゴゴゴゴゴ……
ゼナ:「あッ」
ニスロク:「開きおった……。(小声で)アンタ……もしや……」
ゼナ:「………………」
GM:ガゴオオオンと扉が開ききる。そしてその奥には──
ゼナ:には?
GM:つるつるした通路が続いている。扉がでかいんで、通路もでかい。
ゼナ:明かりのスイッチが──
GM:もちろん点燈する。
ゼナ:「何かエスペルプレーナの中に似てるね。使われてる金属も……同じだ」
GM:で、その奥に今度は厳重な電子ロック(ゴテゴテしい)がかかったドア(大きい)がある。
ゼナ:リルルじゃ開かない?
GM:今度はムリっぽい。
ゼナ:「どいて。ボクがやってみる」
ゼナ:ハンドヘルドコンピュータからカード(コード付き)を取り出し、挿す。
ぴ……ぴぴぴぴ……ぴ……ぷーーー…………がちゃ:
GM:第1ロック、解除。
ゼナ:「よゥし」
GM:続いて第2、第3ロックを──がちゃ。がちゃ。ぷしゅーーーーーー、と。
ゼナ:「よし……けっこう簡単だ☆」
ニスロク:「をを、さすがだな、少年」
ゼナ:「まかせてよッ!」(にっこり)
そして最後のロックが外され、扉は──開かれた。

GM:扉の奥は小さな部屋になっていて──台座の中央に一本の「槍」が突き刺さっている。
ゼナ:ぐんぐにる?
GM:剣だと十六夜とかぶるからね。……まあ好きな名で呼ぶがよい。
ゼナ:じゃあ、「ぐんぐん煮る」
GM:それはさすがに……(苦笑)
ゼナ:で?
GM:ニスロクが「槍」に手をのばす。
ゼナ:「それは……」
ニスロク:「これが……わしの求めていたもの。求めていた『力』……」
GM:がしっ、と。
ゼナ:「……………」
GM:槍を握った瞬間、しゅるしゅると槍の一部がニスロクにからみつく。
ゼナ:「!!」
リルル:「おじいさん!」
ニスロク:「………………。大丈夫じゃ。制御できる」
ゼナ:黙って見てる。
ニスロク:「とりあえず外に出よう。いつアイツらが追いついてくるか分からんしな」
ゼナ:「は、はい……」
GM:では。てふてふてふと。扉の外──洞窟のとこに出た。
リルル:「誰もいないね……」
ゼナ:「うまくまけたのかな?」
リルル:「分かんないけど……こんなとこ、あんまり長くいたくないなァ」
ゼナ:「……どうして?」
リルル:「どうしてって……こんな暗くてじめじめしたとこ、好き……?」
ゼナ:「そう言われてみたら……そうか……」
ニスロク:「さ、ゆくぞ」
ゼナ:「……道、分かるんですか?」
ニスロク:「…………………………ほ?」
ゼナ:「あの……かなり急いでたから……ボクには分かんないですよ……?」
ニスロク:「少年、マッピングは冒険の基本じゃぞ」
ゼナ:「……すみません……。……あれ?」
ニスロク:「どうした、少年?」
リルル:「ゼナ君?」
ゼナ:「いや、えっと、あれ? おじいさんがここに……。だからボクたち……、あれ?」
ニスロク:「なんと!! わしが悪いと言うのか、少年!!」
リルル:「でも言われてみれば確かに……」
ゼナ:「あ、う、い、いえ! 決してそういうわけじゃ……。……リルル、ねェ」
リルル:「え、あたし? え、うん、まあ、ねえ、おじいさん、ケガしてたし……――ってこれってフォローになってる? ねえ?」
ゼナ:「あははははは。……うん。で、でも、ほら、急いでたし。とりあえず、そう! 早く、早く出ないと!」
ニスロク:「どうやって……?」
ゼナ:「……………………」
ギチョンギチョン:(機械音)
GM:ギチョン。:洞窟の奥(ゼナたちがやってきた方)から音がする。
リルル:「なに……?」
ゼナ:(さっと銃を構えて)「!! 何かいる!」
GM:ギチョン……。姿を現したのは──
ゼナ:のは?
GM:蜘蛛のようなメカに乗った、息子アンド孫たち。あと息子の嫁も加わっている。
ニスロクの息子:「とうとう見つけたぞ!!」
ゼナ:「……ど、どうしましょう……」
ニスロク:「おのれ、こんなところまで……」
リルル:「戦うしか、ない……?」
ゼナ:「…………」(固まってる)
ニスロク:「あの蜘蛛型のメカ──あれは炭坑を行き来したり掘ったりするときに使うモノじゃ。おそらく連絡を受けた息子の嫁が持ってきたのじゃろう。……あれを奪えば地上に帰れる。そういうことじゃ、少年!」
ゼナ:「でも、どうやって……」
ニスロク:「少しは頭を使え、少年!」
ゼナ:何かいい道具は?
GM:武器とライト、あとは細々とした部品とか……。
ニスロク:「とりあえずあのメカからヤツらを引きずり降ろすんじゃ。そうすれば後は……。――ちい、あの機械ごと破壊するのは容易いのだが……」
ゼナ:「そんな! 中の人たちまで死んじゃいますよ!!」
GM:あ、中じゃなくて上に乗ってるだけだから。
ゼナ:あ、そうなの。でも、同じことだよ。
ニスロク:「殺すのは…………構わん。もとよりそのつもりじゃ」
ゼナ:「何で……!! ちょっと待って、話し合いとかで、何とか……」
ニスロク:「わしがなぜこれを手にしたと思っておる。全ては……ヤツらを葬るため」
ゼナ:「そんなこと……。か、家族なんでしょ!?」
ニスロク:「家族だから、じゃよ……、少年」
ゼナ:「……!?」
ニスロク:「ワシの息子は、直にこの街を治める貴族会の一員となる。そして──あやつは『力』で貴族会を牛耳ろうと考えた。偶然話を聞いたわしを殺そうとし……この『槍』を手に入れようとした……」
リルル:「………………」
ニスロク:「わしは逃げるしかなかった。深手を負って、死に掛けとった。そして、少年と出会った。──感謝しとるよ、少年。お前さんのおかげで、わしはあやつを……息子を止めることができる」
ゼナ:「でも……家族を、こ、殺すなんて……そんなこと……」
リルル:「それがおじいさんの……『正義』なんですね……」
ニスロクはニヤリと笑うと、槍を水平に構えた。
GM:槍がさらにしゅるしゅると変化し、体の半分ほどを鎧のように覆う。
リルル:「ゼナ君……あたしたちにこの人は止められない。止める資格なんて、ない……」
ゼナ:「でも……家族同士で殺し合うなんて……そんなの、ダメだよ」
リルル:「あなたも……お父さんと戦ったわ……」
ゼナ:「殺そうとなんてしてない!! ボクは……!! ボクは父さんに、悪いことをして欲しくないだけなんだ!!」
リルル:「同じ事よ……。たまたま殺さずにすんだ……それだけのことよ」
ゼナ:「………………」
リルル:「お父さんを止められる? あの人は……『力』を求めてる。『復讐』を誓ってる。そんな狂気に取り付かれている人を…………本当に止められる?」
ゼナ:「ボクなら、止める。止めようとする」
リルル:「……あたしにはできなかった……。それどころか……」
ゼナ:「リルル……」
リルルは……父さんのことを知ってるのかもしれない……
ボクの知らない父さんを……
そんなことを、ボンヤリ思った……


