OP.1[愛の温度]-Wish you were here- 05


 

 『仮面のもの』たちは、夜道を迷いなく進んでいた。
 

レイチェル:「この先にあるのは……『沈黙の森』?」

ここにいないシュリ:第一部に出てきた、プーがいた森だよね。懐かしいなぁ。

GM:『仮面』は森へと入っていくけど?

レイチェル:更に後を追う。

GM:(やっぱついてくるか……)じゃあレイチェル、ここで『猫判定』して。

レイチェル:猫判定?

GM:近くにいる猫に気づくかどうか、という判定かな。それ関係のスロットの修正値を足してくだされ。

レイチェル:(コロコロ)駄目だ、失敗している。

GM:失敗かぁ。

レイチェル:雑念(猫)にとらわれることなく追跡に専念できる。

GM:(んー、ひとりは逃げないとな。報告できないし)ひとりが立ち止まり、レイチェルを待ち構える。その間にもうひとりが更に奥へ逃げる。

レイチェル:そいつをかわして逃げた方を追うのは無理か。

GM:判定してみる? 修正かなりつくけど。

レイチェル:(コロコロ)駄目か。どうやらGMはどうあっても逃がしたいらしい(笑)。

GM:そういう気遣いはいらないけどね(苦笑)。

レイチェル:ならばせめて残った方を捕えよう。
 

 逃走で力を使い果たしていたのか、動きが鈍くなった『仮面のもの』をレイチェルはあっさり気絶させ、担ぎ上げた。黒衣の下のその身体は驚くほど細く、驚くほど軽かった。
 


レイチェル:「すまない、ひとり逃してしまった」
 

 カゴルマの街に戻ったレイチェルは、自警団の面々と合流した。
 

シュリ:「仕方ないわね。で、彼らはどこへ?」

レイチェル:「『沈黙の森』だ」

ユリア:『沈黙の森』って、何か特別な森だったっけ? 魔法が使えなくなったりとか。

GM:いや、特には何も。

シュリ:プーがいるだけ。裏で世界を統べている恐るべき熊が。

レイチェル:そんなすごい熊だったのか。

GM:そんなすごくはない。

フウゲツ:じゃ、尋問するか。まだ生きてるよな?

レイチェル:問題ない。

ユリア:では、仮面を取ってしまいましょう。

シュリ:顔を見られると、舌噛んで自害するかもしれないけどね。

GM:さすがにそれはないな(苦笑)。──仮面を取ると、ひからびた老人のような、ミイラのような顔が出てくる。

レイチェル:……軽いはずだ。

シュリ:見覚えは?

GM:えーと……(考えて)レイチェルのデータベースの中に、ある。

レイチェル:データバンク。ということはアーケインの関係者か……それとも『ホフヌング』関係者か。

GM:後者だね。『Gシリーズ』の……G-6と呼ばれていた男だ。名前は、グスタフ。

ユリア:Gシリーズは、G-Xが始末したのでは。

GM:その死体を、再利用したの。

シュリ:地球にやさしいね。
 

 そうか?
 

GM:フウゲツ、ちょっと『記憶』で判定してくれる?

フウゲツ:なんだ? (コロコロ)失敗してる。

GM:失敗かぁ。全然関係ないところで仮面を見たことがあった気がするんだけど……それがどこだったか思い出せない。

フウゲツ:なにぃー。うをおおおー!(悶絶)

シュリ:子供の頃閉じ込められた押入れの中だったりして。

ユリア:『仮面のもの』が体育座りして、押入れの中に(笑)。

シュリ&ユリア:あっはっは。

GM:(笑ってるけど、あながちハズレでもないんだよなー……)

フウゲツ:「お前たちの目的はなんだー!」

『仮面のもの』(グスタフ):「……我々……Gの……本来の目的のため……」

フウゲツ:「本来の目的とはなんだ」

『仮面のもの』(グスタフ):「……『神』を……倒す……」

シュリ:神殺しねえ。そのワリに、やってたことは辻斬りレベルだなんて。

『仮面のもの』(グスタフ):「殺せ……。こんな姿だ。こうなった以上……生きて……いても……」

フウゲツ:楽に死ねると思うなよ。

ユリア:というか、一度死んでるのでは。

フウゲツ:フォモまみれになって死ぬがいい。
 

 それは勘弁してください。
 

シュリ:1ミリも動けないようにして、ずっと点滴で生かし続けるって手もあるけど?

GM:つーか、死体を無理矢理動かしてるような状態なので。そのうち、動かなくなるだろう。

フウゲツ:黒幕がいるってことだよな。一体誰が……?

GM:そして、『仮面』たちの武器と、アインの傷が一致しないことも分かる。

フウゲツ:それは、別件ぽいよな。

ユリア:『猫』の仕業れす。

シュリ:「で、コイツらどうする?」

ユリア:「ブルーノア家の地下に、牢があります。正確には、倉庫れすが」

シュリ:「よく知ってるわね」

ユリア:「れれ、そういえば不思議れすね」

フウゲツ:「よっしゃ、そこへ運ぶぜー!」(←あまり深く考えてない)

ユリア:手がかりがなくなってしまったれす。……あ、森に逃げたのがいたんだっけ。

レイチェル:そこがアジトとは限らないが。

フウゲツ:そっちに逃げたんだろ?

シュリ:撹乱するために、わざとそうしたのかも。

レイチェル:親鳥が子供と巣から敵を遠ざけるように。

フウゲツ:……考え過ぎだろ。──いくぞ、『沈黙の森』!!!

GM:アインはどうする? 命に別状はないけど、これ以上動き回るのはムリそうだよ。

ユリア:置いていくれす。

GM:本人は「まだまだ戦えるー!」と騒いでるけどね。

ユリア:気絶させて運ぼう。峰打ちで。

フウゲツ:峰打ちならこのフウゲツにお任せを。ぶんぶんざくざく。

シュリ:刺さってる刺さってる。

GM:では、今後の対策を練ってくだされ。
 

 タカール修道院──

フウゲツ:「ブルーの様子は?」

リリア:「落ち着いたようです。今は眠っています」

フウゲツ:「そうか」

ユリア:下手人が2組いるのれすよね。一組は『猫』で行方がしれない。もう一組は『ホフヌング』の残党で『沈黙の森』へ逃げていった。

GM:そう。そして『仮面のもの』──『Gシリーズ』の成れの果てたちの目的は「『神』を倒す」ことらしいけど、そのワリに行っていたことは一般人をこそこそ殺すという、とても規模の小さなことだった、と。それからどうも黒幕がいるらしいことも分かった。

フウゲツ:なるほど。

ユリア:行方の分かってる方からいくれすか?

レイチェル:夜にもう一度街中をうろつけば、『猫』が出る可能性もある。

ユリア:「『沈黙の森』についての資料は何か残ってないのれすか?」

メイリア:「『沈黙の森』ですか……。森の奥に『緑の守り神』というものがいること。それから、15年前の事件のとき、その『守り神』が半壊したらしいことは分かってますが……」

シュリ:「15年前の事件って?」

メイリア:「『沈黙の森』から復活した魔物が、この街を襲ったんです」

GM:ロゼ(魔獣バージョン)の復活とグレンの一件だね。

フウゲツ:「いこうぜ『沈黙の森』。もたもたしてると、逃げられる可能性もある」

レイチェル:「そうだな」

フウゲツ:「夜明けを待って、出発だ!」

メイリア:「わたしも御一緒します。クレリア伯母様の姪として、がんばりますから」

シュリ:「……別にそのクレリアさんとやらはどうでもいいんだけどね」

メイリア:「何てことを言うんですか。──ああ、伯母様、メイリアはがんばります」(目がキラキラ)



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