この星で生物が生きていける場所は、そんなに広くない。せいぜい、赤道付近だけだろう。
この星のほとんどは<混沌の闇>に覆われており、混沌の力が荒れ狂うその中心──北極点の位置に、<星守の聖地>はあるという。
そこは混沌が生まれ、そして収束する場所でもある。
アリア:「そんな場所があるんだ」
沙夜:「あたしたち星守にだけ伝わる、伝説の地。その地にある<螺旋の門>が、混沌の力を制御している」
リトナ:「混沌を制御──どこかで聞いたような話だね」
沙夜:「でも、今この星の<螺旋の門>は失われてるの。<秩序>を失った<混沌>が際限なく溢れ出し……アルカディアは今の姿となった」
アリア:「大丈夫! その<門>を持ってきたから!」
ドモ・ルール(さっそくスティールの身体を乗っ取った):「<ウロボロス・システム>ってヤツだな」
GM:ウロボロスシステム。別名、秩序の円環。
沙夜:「鍵も扉もある。……でも、鍵穴がない」
ヴァンダイク:「なるほど……<混沌収束点>か。鍵と鍵穴はもともとひとつの場所にあった。牛姫様の角と額の穴だ。そしてそれを扉のところで再びひとつに……シュールだ」
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GM:大体分かってもらえたかな?
ヴァンダイク:その『儀式』には、鍵穴さえあればよいのかな?
GM:ん?
ヴァンダイク:持って歩くのが重いので、鍵穴──キュアの頭──だけ持っていけばいいのか、と。デビルマンの最後みたいに。
GM:理屈で考えればそれでOKだろうけど……さすがにそれはどうなんだろう?
ヴァンダイク:さあ。
GM:ちなみに、<星守の聖地>は召喚獣の故郷でもある。
アリア:へー。
リトナ:その聖地とやらは北極点にあるんでしょ? 随分遠くから配達してたんだねえ。
GM:そだねえ。北極点を目指すなら、北に……<氷の大河>を超えていくことになるね。さっきも少し話したけど、<帝国>とその周辺三国以外は──この4つの国は赤道付近にあるんだけど──黒い霧のようなものに覆われており、普通に歩いて進むのは難しい。
アリア:でも、『誰か〜がこれを〜やらね〜ばならぬ〜』(宇宙戦艦ヤマト)だよね?
ビオ:誰がいくんだ?
アリア:やっぱりあたしたち、じゃない?
GM:レイチェルも関係あるんだけど。
ドモ・ルール:<螺旋の門>とやらが<ウロボロス・システム>なら、当然そういうことになるな。
レイチェル:ふむ。
GM:やるべきことをまとめると……<秩序の円環>と<混沌収束点>と<混沌の剣>を<星守の聖地>の<螺旋の門>があった場所まで運ぶ。<秩序の円環>が扉、<混沌収束点>が鍵穴、<混沌の剣>が鍵となり、<螺旋の門>は閉じられる。
リトナ:閉じるとどうなるんだ?
GM:暴走していた混沌の力の流れが制御され、星の崩壊が止まる。
アリア:それでアルカディアが救われる! ──よし、いこう!!!
ドモ・ルール:てことはなんだ、<真なるアルカディア>を探してたのは無駄足だったのか?
GM:<ウロボロス・システム>を運んでくることができたよ。
ドモ・ルール:それは結果論だろう。
GM:お手本となる星を見ることができた。
リトナ:平和そうに見えても、実際住んでみるといろいろ問題があるんだけどね。
GM:良くも悪くも手本にするということで。
アリア:よし、じゃあすぐにでも出発しよう! 幸い、とっても速そうな『船』もあるし!
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ゼナ:なんか怪しい人たちが来ますよ?(笑)
アルバス:逃げろゼナ、『船』を出せ!(笑)
リューセ:神パワーって、こっちでも使えるの?
GM:(考えて)使えるねえ。
リューセ:わーい、やりたい放題〜。
GM:(苦笑)
アルバス:なんだ、神パワーって。
リューセ:なんだろうね。理不尽な力?
ヴァンダイク:指をクンッと上に向けると地面が大爆発。
GM:そんなナッパレベルの力じゃねーッス(笑)。
アルバス:とにかく逃げろ、ゼナ(と言いながら給湯器のスイッチを押す)。
ゼナ:アルバスさん、それ違います。
トパーズ:話だけも聞いてみたら?
ゼナ:(ヴァンダイクを見て)見覚えのある人たちもいますけど……あんまり乗せたくないなぁ。
リューセ:どうして?
アルバス:それはこのビデオを見れば分かる。
ゼナ:ああっ、いつの間にそんなもの撮ってたんですかっ!
アリアたちは、事情を説明した。<星守の聖地>のこと。<螺旋の門>のこと。そしてそこにいくためにはこの『船』が必要であること。
ゼナ:いきましょう。
リューセ:うん。なんか、他人事じゃない気がするし。
GM:(リューセにとってはそうだろうなぁ)
ゼナ:アルバスさん、いいですか?
アルバス:……リューセがいいって言うなら、いい。
新たに沙夜とスティール、意識のないキュア、それから賢者ゴルディッシモを乗せ、エスペルプレーナは北へ。
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アリア:「んー。ひょっとして、最初から<星守の聖地>を目指した方が、もっと早くこの星を救えたのかなぁ?」
リトナ:「どうだろう。(窓の外を見て)こんな中を、歩いていくのは不可能だったと思うよ。時間もかなりかかるし」
GM:<混沌の剣>の周囲には、<混沌の闇>も寄ってこない。もし剣がなければ、エスペルプレーナといえど無事じゃなかっただろうね。
ヴァンダイク:有効範囲は半径2メートルだが。
リトナ:狭ッ!
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GM:道中特にトラブルはないんだけど……ひとつだけ。キュアの体が、足先から少しずつ消えていっている。
アリア:消える?
GM:消滅してるというか、混沌に呑まれていってるというか。
アルバス:うわー、あんま見たくない光景だな(←昔、同じようなことがあった)。
アリア:あの……それって大変なことなんじゃ。
ヴァンダイク:たどり着く前に全て消えてしまったら、<鍵穴>を失うことになりますな。
ドモ・ルール:キュアそのものもな。
アリア:な、何とかしないと!
リトナ:(考えて)ドモさんを指にはめてみるっていうのはどうかな? 身体の主導権を乗っ取ってしまえば。
ヴァンダイク:指が消えたら、指輪が外れると思うが。
リトナ:そのときは別の手を考えよう。……GM、どう?
GM:指が消えて指輪が取れる(笑)。
リトナ:ダメか。
混沌が、少しずつキュアの身体を蝕んでいく。
アルバス:封印魔法をかけたらどうだ? 時間の流れさえ止めてしまえば大丈夫だろう。
リューセ:アルバス、そんなすごい魔法使えるの?
アルバス:オレだってこの5年で成長してる。生体封印だって……。
GM:(首を横に振って)無理だね。封印魔法は<秩序>に寄った力だけど、<混沌収束点>そのものを押さえ込むには、まるで力が足りない。
アルバス:ダメか。
アリア:てことは……
GM:少しずつ、キュアが消えていくのを見ていることしかできない。
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さっきまでこの『船』が速いと思えていたのが嘘のようだ。今はまるで、泥の中を進んでいるかのようにゆっくりに感じる。
<聖地>に近づくほど、キュアの消滅の速度は上がっているように見える。
もう……下半身がない。
アリア:あうぅ……。
ヴァンダイク:足なんて飾りだから。
一同:(苦笑い)
存在が消える。それが……とても怖い。


