ACT4.0[邂逅]02


 <真なるアルカディア>を目指して西へ西へと旅を続けるレプス04小隊。

 とある村で孤独な老人の死を見取るも、結局手掛かりを得ることはできなかった。

 村を出発して5日。一行は白い<森>へさしかかろうとしていた。
 

GM:木が石化してしまっている森だね。ヴァンさん、こういう森のことを知っているかどうか判定してみて。

ヴァンダイク:基本的に『心』の判定にはプラス10の修正がついているから……(コロコロ)うむ、成功している。

GM:こんな風に石化してしまっている森は<虚ろの森>と呼ばれている。地盤がもろいから気をつけないと危ないよ。

キュア:ナウシカに出てきた腐海の底みたいなかんじ?

GM:うん、そんなかんじ。

ビオ:その辺の木を殴ってみるぞ。

GM:ぱらぱら崩れるよ。木の中は空洞だね。

ビオ:崩れた枝をぱきぱき踏む。

ヴァンダイク:「このへんは地盤がゆるいから気をつけねば──」
 

 ぼこっ!
 

ビオ:「………………誰か引っ張りあげてくれ……」

ヴァンダイク:「無茶を言うな。猫と女と老人に引っ張りあげられるわけがなかろう(笑)」

ビオ:(何とか足を引っ張りあげて)「……ふう、とんでもない森だな」

リトナ:ドモさん(キュア)のリュックに入れてもらおっと。

GM:猫の体重で崩れるとも思えないけど?

リトナ:いいの、単に楽したいだけだから。リュックから顔だけ出して、後ろの方を見ていよう。

ヴァンダイク:「こんな森だ、食料も手に入らんだろう。こういう場所は、さっさと通り抜けてしまうべきだな」

GM:んじゃ、森の奥へと進んでいく。しばらく歩いたところで──聞き耳判定。

リトナ:猫だから修正値でかいぞ。まず失敗はしない。(コロコロ)成功。

ヴァンダイク:(コロコロ)珍しくクリティカル。

GM:成功した人は、どこからかズシンズシンという音が聞こえてくるのに気づいた。クリティカルした人は、音がしてくる方向も分かるし、何だか地面が揺れてる気もする。

ヴァンダイク:「何やら巨大なズシンが近づいてきているようだ」

ビオ:「ズシン……?」

GM:ズシンじゃなくて巨人だよ。葉っぱがないから遠くまで見えるだろう、木の陰から姿を現したのは、身の丈5メートルほどの一つ目の巨人。

キュア:サイクロプス……?

GM:それに近い。んで、右手にはぐったりした女性を握り締めているのだけど……

ヴァンダイク:「姫!」

ビオ:「ハルモニア姫!」
 

 誰だそれは。
 

GM:ハルモニアじゃなくてフェルチアイア。

キュア:<帝国>の姫か……。私は彼女のこと知ってていいの?

GM:いいよ、有名だろうし(……つーか、キュアが知らないはずはないよな)

キュア:うう……それは思わず姫の方に攻撃したくなるかも。

ヴァンダイク:巨人に話は通じないのだろうか。

GM:知能は低いし、このままじゃ姫がどうなるか分かったもんじゃない。巨人が握る力を調節していないのか、意識がないながらも姫は苦しそうだ。まあ、倒すべきモンスターだと思ってくれたらいいよ。……さて、どうする?

リトナ:リュックから出よう。そして木の上に登る。

ヴァンダイク:ぱたぱたと飛んで近づく。

キュア:スライサー(刃のついたブーメランみたいなもの)を構えながら巨人の右の方に回り込む。

GM:ではここから戦闘ってことで。──今回からイニシアティブは全員が振って、大きな目が出た人から行動ってことにしたから。
 

 てなワケで、一斉にサイコロを振る一同。
 

GM:イニシアティブで10振った人いない? じゃあ、9、8、7……3。

キュア&ヴァンダイク&リトナ:はい。

GM:最高値が3か。低いな、みんな。……じゃ、まずキュアから。

キュア:スライサーを巨人の右手(姫を握っている方)に向かって投げつける! (コロコロ)当たっててダメージが……18点。かすり傷だね。

ヴァンダイク:足を狙って攻撃。(コロコロ)96。ファンブル寸前だ(今回からファンブルは98・99・100となった。同じくクリティカルも01・02・03である)

リトナ:木の上から飛びかかりながら、人型に変身するぞ。(コロコロ)53成功。くるくる回りながら変身。爪(猫の爪ではなくて付け爪。ウォ○ズマンの爪を想像してもらうと近いかも)で攻撃するよ。ダメージは両手合わせて2Dでいいよね。

GM:いいよ。攻撃は次のターンね。……で、ビオさんか。

ビオ:スネの辺りを攻撃するぞ。ザクッと30点のダメージ。

GM:丸太よりも太い巨人の足に、ザックリとアックスハルバートが食い込んだ、ってかんじだね。巨人は「軽傷」を負った。

ビオ:よしよし。

GM:巨人は突然攻撃されたのであわてるばかりだ。──んじゃ、次のターン。
 

 次のターンは、イニシアティブで9を振ったビオが一番手となった。
 

ビオ:おらぁ! (コロコロ)……99。

GM:ファンブルだね。勢いよく踏み込んだ足が地面にめり込んでしまった、と。

キュア:さっきと同じくスライサーで攻撃。(コロコロ)……サイの目が死んでます。

GM:かすり傷すら負ってないような状態だな。巨人はキュアの方には興味がないようだ。──んじゃ、さっき痛い攻撃をしてくれて、今は足がはまってて抜けないビオさんに……巨人が左腕を振り下ろすぞ(笑)。

ビオ:「ちょちょ、ちょっと待て、今足が〜!」

GM:(コロコロ)……ちぇ、外れか。巨大なこぶしは、宙を切っただけだね。

ビオ:「あぶねッ! かすった〜……」
 

 ヴァンダイクの攻撃はまたも外れ。そしてリトナの爪が、巨人の側頭部をえぐった。
 

リトナ:爪は片手に3本ずつね。

GM:巨人の頭に6本の筋が……。

リトナ:そのまま巨人の横を飛び越して、背後に着地。

GM:(プレイヤーBを見て)暇そうだね。姫様気がついたことにしようか?

プレイヤーB:んー、そだね。じゃ、軽く口をはさむことにするね。
 

 んで、第3ターン。
 

キュア:今度こそ! (コロコロ)……もういい。当たってるけど、ダメージほとんど与えてない……。

フェルチアイア姫(プレイヤーB):「あぶないじゃないのよ! こっち狙うんじゃないわよ!」

ビオ:それはギョッとするな(笑)。なんか性格変わってるぞ……。

キュア:(フェルチアイア姫って……ああいう人だったんだ……)

GM:で、イニシアティブが7、6、5……

リトナ:あ、オレだ。さっき巨人の背後に着地したから、そのまま振り向きざまに攻撃。

ビオ:それってカ○チョーだぞ……。

リトナ:やってやるさッ! (コロコロ)右尻にサクッと爪で23点のダメージ。

GM:尻に傷持つ巨人ですか……。痛いから、攻撃してきたリトナの方に向きを変えよう。

フェルチアイア:きゃー、落ちる〜!

ビオ:うお、足を抜いてる間に向こうを向かれてしまった。
 

 第4ターン。一番手はGMが取った。
 

GM:(コロコロ)くそ、人型でもリトナに攻撃を当てるのはムリか。

ビオ:んで、俺だな。――明確な意志でもって、巨人にカ○チョーをする(一同笑い)。

GM:ハルバート突き立てるの……?

ビオ:「うおりゃ!!!」
 

 どぶすぅ!!!
 

GM:くあー……ダメージください(泣き笑い)。

ビオ:(コロコロ)お、デカイ目が出たぞ。39点だ。

リトナ:尻に39点……。

GM:なんつーことを……。「重傷」になってしまったぞ。
 

 そしてキュアのスライサーが目を切り裂き、何とも痛々しい状態に……。
 

リトナ:巨人はこっちを向いてるんだよね。んじゃ……おそらくちょうど目の前にあるであろう『モノ』に攻撃。

一同:そ、それって……。

リトナ:(コロコロ)96で外れ! さすがにイヤだったみたい。

ヴァンダイク:ではワシも尻に刃の鞭をびたーんと……(コロコロ)なぜかさっきから当たっておらんな……。ドキドキ緊張してしまったかな。

キュア:今度もアンダースローみたいに投げて、顔を狙う。(コロコロ)うん、当たってる。

GM:さ、次のターンだね。……顔と尻が傷だらけだな……。

ヴァンダイク:そのワリにはなかなか蓄積ダメージが「重傷」にならないな。……やはり尻に鞭打たねばならないか。(コロコロ)……失敗している。美少年の尻でないのがイカンのだな。

ビオ:で、俺か。刺したハルバートをぐりっとひねる。
 

 思わず想像して、顔をしかめる一同。
 

ビオ:(コロコロ)あ、ダメか。

リトナ:では改めて『イチモツ』に攻撃。(コロコロ)ダメージ26点。

GM:リトナの攻撃が結構くるな……。尻にハルバート刺したまま逃げ出したい気分だよ。
 

 だがその望み(?)は叶うことなく、巨人は姫を投げ出し、悶絶しながら前のめりに倒れ込んだ。
 

GM:前のめりに倒れるから……姫はリトナの方に飛んでくる。

リトナ:「にゃー!」(人型のときはしゃべれない)

GM:受け止められるかどうか、『技』と『体』で判定するのだ。

リトナ:(コロコロ)……失敗してるぞ。
 

 ごい〜ん! と頭をぶつける姫とリトナ。
 

フェルチアイア:「へぐぅ……!」

キュア:へぐぅとか言ってるし……。姫のイメージがどんどん変えられていってる……。

GM:でも任せたからには、それが姫の姿なのでありましょうや。
 

 頭をぶつけつつも何とか姫を受け止めたリトナ。だが、地面がもろいせいで下半身が埋まってしまうハメに……。
 

リトナ:「にゃーにゃー!」(誰か、誰か姫を受け取りに来てくれ〜!)

ヴァンダイク:何かにゃーにゃー言っておるな(笑)。……それより巨人にとどめを刺さねば。

ビオ:食えるかな、これ。

ヴァンダイク:干すか燻製にするかすればよかろう。

キュア:……すでに食べることの相談してるし……。

ヴァンダイク:背に腹は変えられないのでな。

リトナ:それより姫をどけてくれ〜!

GM:姫、気がついてるんだから、自分で動けばいいのでは……?

フェルチアイア:あ、そうか。もぞもぞ動いて、リトナの上からどくね。

GM:そしてそこに、黒炎が姿を現す。



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