ACT14.0[深淵]06

リトナ:ほら、早く。

キュア:「だからぁ、戦場で死んだと思われてけど実はコイツらと一緒に旅しててこうしてちゃんと生きてたのッ(めっちゃ投げやり)」

リトナ:……何でそんなにイヤそうなの?

ゴルディッシモ:テーアールピージー(TRPG)なんだから、トークをしよう、トークを。

リトナ:ちゃんと話をしようよ。しゃべれ、キュア。

キュア:だって話をしようとしたらみんなが──

リトナ:ああ、ごめんごめん失礼しました。──さあさ、おしゃべりくださいよキュア様。

ビオ:わはは、態度デケー!(爆笑)

キュア:そういうの慇懃無礼っていうんだよッ、分かってる……?

リトナ:お願いしますよ、ホーント。なーんのお役にもお立ちあそばせないんだから、せめてこういうときぐらいはですねえ。

ドモ・ルール:お前さんが前に出て話さないと、この事態は動かんぞ?

キュア:……私が前に出ても動かない気がしてきた……。

リトナ:あのね、キュア様がおしゃべりあそばしたら動く確率は1%。おしゃべりあそばなんだら、0%。0%って1%の何分の一?

アリア:無限分の一〜!

リトナ:でしょ?

キュア:くうぅぅ……。

GM:(やれやれ……)

ゴルディッシモ:(突然)「あー、今日もモヤシを売りにきたっスよー」

門番:「こッ、これはこれは、ご苦労様です」

ゴルディッシモ:(一行の前を通り過ぎ、門の中へ)

一同:素通りかよーッッ!!!

ゴルディッシモ:いやいやいや。──昔から、風が吹けばモヤシが儲かると言ってな。

リトナ:言わない言わない。

GM:とにかく。君たちの正体があまりにも不明であることと、キュアが本物であることが信じられないというのが門番の言い分。

アリア:キュアが本物である証拠は、本人が持ってるんじゃない?

ヴァンダイク:牛はアレを取るからな──鼻紋。

キュア:ないない。

ドモ・ルール:印籠とかあるだろ。

リトナ:印籠なの?(笑) 普通は指輪とかじゃない?

GM:そうだね、指輪ぐらいは持ってていいだろう。

アリア:あとはあたしたちの身分の証明か……。(しばらく考えて)キュアー、門番の人に責任者を呼んでもらって、その人にだけあたしの正体を明かすってこと伝えて。

キュア:アリアの正体って……なに?

アリア:えーと………………伝えてなかったっけ?

GM:前の国境でスティールにだけは明かしたけど(ACT8.0参照)。キュアは知らない。リトナもビオもドモ・ルールもヴァンダイクも知らない。

ヴァンダイク:ワシは気づいているが、女性は皇族であっても『女』としか識別していないので。興味もないし。

アリア:そっか、話してなかったんだ……。……キュアには話したつもりでいたよぉ。

GM:思ってた以上に打ち解けなかったみたいですな(笑)。

アリア:じゃあ……こっそりキュアとドモにあたしの正体──フェルチアイアだってこと──を話して、その後、国境軍の偉い人に話を通してもらうよ。

GM:ふむ。

リトナ:オレ、耳いいから全部聞こえてるよ。匂いで何となく気づいてたし。

ビオ:じゃあ何だ? アリアの正体知らねえの俺だけか?

アリア:別に隠しておく理由もないんだけどね(笑)。

ビオ:まあいいや、アリアはアリアだ。──話、続けてくれ。

アリア:(キュアとドモに)「あのね……あまり深く聞かれなかったから今まで言わなかったけどぉ。隠してるつもりもなかったんだけどぉ。……結果的に隠してたんだけどぉ。とにかく──あたし、レプス隊の頂点なの」
 

リトナ:「言ってる意味が分かりません」(遠くでツッコミ)

ビオ:「ああ?(←リトナが言ってることの意味が分からない) ──それよりよ、このタコ焼き、高いぞ」

リトナ:「いつの間にそんなものを」

ビオ:「そこの屋台で買った」
 

アリア:「レプス隊の創始者、<帝国>の姫、リースリングの妹──フェルチアイアなの」

キュア:「どうして、正体を隠してたの?」

アリア:「一番の理由は、いろいろ狙われたりしなくて済むから、かな。──それでも、みんなと旅がしたくて、<真なるアルカディア>を見つけたくて……。それで、それに一番近い04小隊と一緒にいくことにしたの」

キュア:01から03は何をしてるワケ?

アリア:さあ……? 黒炎の命令でいろいろやってるみたいなんだけど……。あたし、黒炎が何やってるのかよく知らないし……。実は黒炎があたしの部下っての、ウソなんじゃないかって。
 

リトナ:「確かにその値段は高いねえ。(タコ焼きをひとつ食べて)ソースに、もう少し甘みがほしいな」

ビオ:「屋台だしな。こんな御時世に売ってるだけマシだろ」
 

アリア:「──てことで、あたしは<帝国>の姫なの。今まで黙っててゴメンね」

キュア:「………………」

GM:あんまり驚かないね。

キュア:いや……確かに、身分を隠しておいた方が旅をするときは便利だな、とそっちの方が気になって(タテマエ)。……つーか、プレイヤーとしてはもうとっくに知ってることを驚くのは難しい(ホンネ)。

ゴルディッシモ:こいつはたまげた〜! とでも言っておけ。

アリア:でも……まさかこんな形で正体を明かすことになるとは思わなかったよ……。

キュア:「身分を明かすから、この人たちの。偉い人呼んできて。内密な行動中だし」

GM:(なんでそんな片言なんだ……?)

アリア:「先程までの態度は謝ります。──とても重要で、内密なことなのです」
 

 キュアが王族の証しである指輪を見せ、アリアの態度が改まったこともあって、門番は上司を呼んでくることに決めたらしい。

 程なくして、国境軍の責任者だという男が姿を現した。
 

キュア:「じゃあ……話し合いの場は設けたから、あとはアリアが説明して」

GM:(なんでそうなるかなー……)

国境軍隊長:「これはこれは。御無事だったのですね、キュア様、スティール様」

キュア:「ああ」

国境軍隊長:(アリアを見て)「で、この方は? 何でも、内密な話だそうですが」

ドモ・ルール(スティール):「うむ、この方はキュア様の……言いたくないな……ご友人なのだよ」

リトナ:それは違うでっしょ(あっさり)。

ドモ・ルール:余計なこと言うなー!

リトナ:だってぇ、ねえ。ここまできてウソはよくないよ。

ドモ・ルール(スティール):「そして、<帝国>の姫君であり──和平の使者でもある」

アリア:「正式な使いの者はまだですが、もうすぐ、<帝国><ヴィエイユ>間で同盟が結ばれることになるはずです」 ──結ばれないかもしれませんけど。

ヴァンダイク:なぜなら、我々<帝国>が貴様らに勝利するからだ。

GM:いらんとこだけ出てくるな(笑)。

ドモ・ルール(スティール):「そういうワケで、王都までお連れする。よろしいな?」

国境軍隊長:「お話は分かりました。……いやしかし、まさかそんなことになっているとは」

ドモ・ルール(スティール):「詳しい話はまた国王様からあるはずだ」

アリア:「それから……戦局が大きく変わったことにも関係あるし、国防上でも重要なことなんですが──我々、実は人を追っているのです。──ボルサオという人がここを通ったはずなんですが、ご存じないですか?」

国境軍隊長:「ボルサオって……あの、大富豪の? ……そうですね。──わたしは直接は会ってないのですが、わたしより更に上の者の許可を得ているとのことで、ここを通った者がいたそうです。顔も名前も分からず、正直不審に思っていたのですが……」

キュア:「それだ……」

ドモ・ルール:「あっさり見つかったな……」

アリア:「きっとそれです。──いろいろありがとうございました」

国境軍隊長:「いえ、こちらこそ。数々の無礼、お許しください」

アリア:やっぱりここを通ってたね、ボルサオ。……てゆーかさ、結局あたしが全部聞いてるじゃん。

リトナ:諦めろ、所詮はキュア様ということだ。

 何とか国境を越えた一行は、近くにあった軍の詰め所に一泊することにした。
 

ヴァンダイク:通る通らないでもめている間に、日が暮れてしまったのだね。

リトナ:お城は遠いの?

GM:そうだねー。今から向かって日が暮れるまでに間に合う距離ではないよ。

リトナ:残念、今日は御馳走が食えると思ったのに。

ヴァンダイク:なに、兵士たちもこっそり私腹を肥やしておるから。それを奪ってしまえば。

GM:モヤシを。

アリア:モヤシなのー……?

GM:痩せた土地ばかりなので。

ゴルディッシモ:今日も5トンほど売ってきたので問題ない。

アリア:5トンて……。

GM:てーことで、今夜はモヤシづくし、モヤシ懐石です。

ゴルディッシモ:モヤシは栄養抜群なのだぞ! モヤシはビタミンCが豊富。そしてタンパク質カリウム鉄分を多く含み繊維質も豊富。──鉄を多く含むということは、釘にもなるということだ。

ドモ・ルール:ならんならん。

リトナ:あのさ、猫は繊維質必要ないんだよね……。

ゴルディッシモ:大丈夫! そういうときはクチャクチャクチャペッッと。

リトナ:ホントに吐くしかないからね。

ゴルディッシモ:水だけで育つのだぞ!(←猫が、ではなくモヤシの話)

リトナ:肉食動物には肉を食べさせてください。

ゴルディッシモ&GM:肉だよ。

リトナ:いや、だから『畑の肉』はもういいんだって……。

ゴルディッシモ:(解説の続き)そして更に、消化酵素のアミラーゼを含むので胃腸を整える働きもあるのだぁ!

リトナ:………………。

ゴルディッシモ:……しょうがない、猫には、このモヤシのタンパク質から精製した猫のドッグフードをあげよう。

リトナ:魚ください。

GM:では『畑の魚』を。

ゴルディッシモ:そう、そこのタライで元気よく泳いでいるモヤシを(註:モヤシは普通泳ぎません)

ヴァンダイク:踊り食いか。……踊りながら食べる方の。

ゴルディッシモ:(何やら踊っている)

GM:文章にならない行動はやめてください。せめて「ここで踊っています」と一言。

ゴルディッシモ:今ボクはここで踊っているよ楽しいなイエーイ! さあ読者の皆さんも一緒に。そうそうその調子だ!(棒読み)

アリア:いえーい! ……でもモヤシはいらないや。

ゴルディッシモ:何を言う! モヤシを食べて君もミスモヤシに! レッツ、モヤシっ子!

GM:ひょろひょろやん。

ビオ:しかも、そんだけ太いヤツに言われても説得力ねえよな……。

リトナ:で、さ……。この人理由もなくここまでついてきてるの? 兵の詰め所とやらまで。

ゴルディッシモ:なんだよなんだよ、ボクは君たちが食糧難にあえいでいるというからこうやってだね、ついてきてるのであってね、そりゃ確かに一度も「一緒に来てください」と言われてはいませんが。

キュア:食糧難って……この国ってそんなに飢えてるの?

ゴルディッシモ:この国ではみんな、3年前からモヤシしか食べておりません。

リトナ:またそんなデタラメを。

GM:そうやってモヤシ談義をしてる間に夜は更け、朝がやってくるのだね。

リトナ:……長い夜になりそうだ。



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