ACT3.0[かえるべきばしょ] 05

 商店街エリア──

レイチェル:また戻ってきてしまった……。誰かいる?

GM:(コロコロ)遅い昼飯を買ってきたラウンがいるね。

レイチェル:「あの、こっちに来たって聞いたのだが、ヤオちゃんを見なかったか?」

ラウン:「ぼ、ぼぼぼぼ……あっち……」(走っていったらしき方向を指差す)

レイチェル:「たった今?」

ラウン:(こくこくとうなずく)

レイチェル:「ありがとう」

ラウン:(ローラーブレードで疾走していくレイチェルを見送って)「……かっこいい……」
 

 レイチェルは路地裏で、走っていく子供の後ろ姿を発見した。
 

レイチェル:「ヤオちゃん!」

子供:(ビクッとなる)
 

 一気に加速し、子供──ヤオの前へ回り込んだ。
 

レイチェル:「見つけた……」

ヤオ:(お菓子をかかえて、バタバタ)

レイチェル:「何をしてたの?」

ヤオ:「ちょっと……」

レイチェル:「どこにいたの?」

ヤオ:「ちょっと……」

レイチェル:「ちょっと、じゃ分からない」

ヤオ:「だって、秘密なんだもん」

レイチェル:「エミリーが心配していたぞ」

ヤオ:「知らないもん、あんなババア」

エミリー:ぬわんだとォ〜!

レイチェル:「そんなこと言っちゃダメ。……命が惜しいなら(笑)、訂正しなさい」

ヤオ:「……エミリーおねーちゃん」

レイチェル:「よし。──その食べ物、どうするつもり?」

ヤオ:「秘密だもん」

エミリー:野良イヌかな? 野良ネコかな? 野良ドラゴンだったりして。

レイチェル:(無視して)「どうしても話してくれない?」

ヤオ:「……誰にも言わない?」

レイチェル:「言わない」

ヤオ:「じゃあ、女どーしの秘密ね?」

レイチェル:「分かった」
 

 レイチェルの言葉にヤオは満足そうにうなずき、『森』の方へ歩き始めた。
 

レイチェル:「時間が惜しい。――ヤオちゃん、ちゃんとつかまっててね」
 

 レイチェルはヤオを抱きかかえ――ローラブレードで一気に加速した。

 『魔王の森』入り口──

GM:さて、森に着いたけど?

エミリー:「足跡チェーックッ! ……って、誰かできましたっけ?」

シュリ:「スリーアイが目が見えない分、鼻が利くんじゃない?」

スリーアイ:「……やってみた方がいいか?」

エミリー:「やめときなさいって(笑)」

シュリ:「そーいえば……この『森』、誰かよこさなかったっけ?」

エミリー:「えーと………………………………ユリア?」

GM:名前忘れるなよ。

エミリー:普段、ぼーっとしてるという設定なので(←どこが?)。

シュリ:「そっか、ユリアが帰ってきてないのか……」
 

 「きききぃぃぃぃ……ッ!」
 

一同:「??!」
 

 奇声とともに、食べかけの木の実が頭上から飛んできた。
 

シュリ:(頭を押さえて)「いった〜! ……なに?」
 

 見上げると──野生化したユリアの姿がッ!

一同:うわッ!!!(笑)

シュリ:わずか数時間で?!

ユリア:きききいきいいいいーッ!

GM:さ、戦闘だね。

シュリ:目に見えるなら、撃ってみようかな──殺傷能力充分のこの銃で。

エミリー:……本気?

GM:目標値は、60ね。

シュリ:(コロコロ)99!(笑)

一同:ファンブルかーッッ!

GM:あ〜あ、頭がアフロか。
 

 それがファンブルした場合の、MNNの伝統なのである。
 

シュリ:じゃ、みんなでアフロということで。

エミリー:ひとり問題なさそうなのがいるけど?

シュリ:モッカシンはさらさらのストレートに。

GM:やめてくれ〜!

ユリア:(銃の音で我に返って)「……はれ?」

エミリー:「降りてらっしゃーい!」

ユリア:(素直に木から降りてくる)

エミリー:「きこりには会えたの?」

ユリア:「きこり? ………………。………………。あー(思い出したらしい)、会えなかったんですよぅ〜」

エミリー:「まあいいわ。それより、ボッツ見なかった?」

ユリア:「ボッツ? ………………(思い出し中)メガネなら見ました──木の上から」

エミリー:「それはキリー。……でも、キリーは見たのね?」

ユリア:「うん」

エミリー:「どこで?」

ユリア:「森」

エミリー:役に立たね〜!!!

シュリ:「こうなったら、闇雲に『森』の中に突入していくしか……」

ユリア:「それはやめた方がいいですよ」

シュリ:「あんたに言われてもね……」

ユリア:「ユリアは体験して、かしこくなったんですぅ」

シュリ:「現実的な意見としては……音を頼りにサデルじーさんを探すか、山小屋で帰りを待つか、だけど?」

ユリア:留守番をNPCに任せて、みんなで探しにいくのは?

シュリ:みんなで遭難するわよ。

ユリア:遭難しない工夫をすればいいんですよ。これだけいれば、バカばかりじゃないでしょ?

エミリー:パンをちぎって落としていく、とか……?

ユリア:食べちゃうかも。

エミリー:あのねー……。

ユリア:こういうところに来ると、修行時代のことを思い出して野生化するんです。

シュリ:じゃ、NPCに留守番任せて、ちょっとそのへん探してみようか。

GM:シア・カーキ・スリーアイ・モッカシンがサデルの小屋で留守番ね。
 

 シュリ・ユリア・エミリーは『森』の探索を始める。が、15分も歩かないうちに……
 

シュリ:「ダメだ、これはすぐに迷うわ」

GM:もうギブアップか(笑)。

エミリー:じゃ、どうするんです?

シュリ:大声で「小屋が火事だー!」と叫ぶ。

ユリア:魔法で遠くに声が届くようにするとか?

シュリ:地球のみんなー! おらに元気を分けてくれー!

エミリー:(突然)「サーデールさぁぁぁぁぁぁん!!!」(魔法で声を拡大)

一同:「うぉぅ!?」(ビクッとなる)

サデル「やかましいわ!」(後ろからエミリーの頭をはたく)

エミリー:「何すんのよ!」

サデル:「お前の方こそ何してる! やかましいんじゃ、このバカ娘が!」

エミリー:「うぅー……」

シュリ:「……すぐ近くまで来てたのね……」

エミリー:「えーと……かくかくしかじかで子供を探すのを手伝ってほしいんです」

サデル:「全く、何をやっとるんだか……。……まあええわい、手伝ってやるよ。シルヴァにはいろいろ世話になっとるしな」

ユリア:(小声で)「スリーアイがここにいなくてよかったですね」

シュリ:(同じく小声で)「確かに……。じーさん魔族ハーフ嫌いだしね……」

ユリア:「山小屋に戻ったらマズイんじゃ?」

シュリ:「そうね。(わざとらしく大声で)──時間が惜しいわ、このまま探しにいきましょう!」

サデル:「あ、ああ……。──で、アテとか手掛かりとかあるのか?」

一同:「ない」

サデル:「やれやれ……」

シュリ:あんた山のプロでしょ? 子供ぐらい、すぐ捜し出しなさいよ。

エミリー:そんなアルバスみたいなことを……。

シュリ:「子供の足だから、そんなに奥には行ってないと思う」

サデル:「ふむ……。──よし、いくぞ」



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