シュリ:「知らないです」
ヴァイス:「フウゲツさんじゃなくて?」
村長:「二組来るはずじゃったんだが」
フウゲツ:「一組……というかひとりは俺だとして……もう一組って?」
村長:「おかしいのう……」
ヴァイス:「あの、そんなに気になるなら、僕が探してきましょうか?」
フウゲツ:「仕事のない俺が行ってもいいですけど」
ヴァイス:「フウゲツさんは子供たちの方お願いします」
シュリ:またそうやって楽しようとするし。
ヴァイス:もともと畑仕事とか持久力のいる仕事むいてないし。普段こうやってストレス溜め込んでるんだから、たまにはいいじゃないか〜──と心の中で思っておく。
シュリ:じゃあ、ヴァイスは客人探しをするのね。
GM:そのつもりらしいよ。
ユリア:つもりなだけ?
GM:「一応」「とりあえず」「〜するつもり」「〜するそぶり」は彼の御家芸だからね。
ヴァイス:大事な客人ならちゃんと探すってば。
シュリ:どんな人かも聞かずに?
ヴァイス:聞かなくても、街の人じゃないから分かるよ。
シュリ:800人近い住民全員の顔を覚えてるの!?
フウゲツ:でも覚えてそうではあるね。夜な夜な『アーケイン住民リスト』とか見てそう。
GM:(低ーい声で)コイツは覚えてる〜、コイツも覚えてる〜、コイツは覚えてないから明日チェ〜ック、コイツは何となく覚えてるからサンカク〜……。
フウゲツ:『明日チェ〜ック』っていいなぁ(笑)。ストーカーだ、ストーカー。
ヴァイス:ホントにそんなことやってたら怖すぎる……。「で、村長、お客ってどういう方なんです?」
村長:「ひょっひょっひょ、ワシに聞いても無駄じゃよ」
ヴァイス:「じゃあ何で客人が来るって分かるんですかーッッ!」
村長:「来ることだけは覚えておるんだが……はて、誰が何をしに来るんだったか……」
ヴァイス:「とにかく、それっぽい人を──」
シュリ:(パンパンと手をたたいて)「はい、解散解散!」
ヴァイス:「とにかく、僕は街中を見て回るから。個人的に見回りもしておきたいし」
レイチェル:「……サボリ?」
ヴァイス:「違うッッ!」

ヴァイス:外部からの唯一の接点となってる──はずの──『門』からいくよ。
GM:では、自警団の砦を出てすぐ……結界を張るための『結界石』がはめ込まれた『門』であります。んで、そこから外に出た森の中をうろうろしてると……人影が見えた。マントをまとった3人が、倒れているね。
シュリ:猿と河童と弘法?
GM:それはことわざトリオ。
シュリ:じゃあ、ヤモリ・イモリ・タモリ。
フウゲツ:絶対言うと思った(笑)。
ヴァイス:とりあえず駆け寄って、「大丈夫ですか?」と声をかけるけど。肩を揺らしながら。
シュリ:……自分の肩を?
一同、大爆笑。
ヴァイス:行き倒れてる人のッ!
GM:(それなら『肩を揺すりながら』が正しいのでは……?)
ヴァイス:「大丈夫ですか?」
行き倒れ:「お……おなかが……」
ヴァイス:「痛いんですか?」
行き倒れ:「おなかが……すいたよぉ……」
ぐきゅーくるるるる……
ヴァイス:「確かに、おなか鳴ってますね」
行き倒れ:「レディにそんなこと言っちゃ失礼だよぉ……」
ヴァイス:「女性だったんですか」
行き倒れ:「触り心地で分かってほしかった……」
ユリア:全身なで回していたからね。
フウゲツ:自分の肩をあやしく揺らしながら。
レイチェル:(その姿を想像して大笑い)
ヴァイス:そんなことしてなーいッッ! ──……砦にも食料あるんだっけ?
GM:村長が全部食べてなかったらね。
ヴァイス:「じゃあ、とりあえず食べ物があるところに案内しますから、ついてきてください」
レイチェル:そう言ってヴァイスが背中を見せた瞬間、3人が背後から襲いかかる、と。
フウゲツ:さっきはよくも面妖な動きであたしを〜!
GM:ンなことするかーい!(笑) ──では行き倒れ3人、肩を寄せ合って立ち上がろう。「こんなにふらふらなのに肩も貸してくれないなんて……」
ヴァイス:あう……。でも、3人に肩を貸すなんてムリだよ。
フウゲツ:普通、そういうときは食料をここまで持ってくるよな。
シュリ:それでもいいし、誰か人を呼びにいってもいいし。
ヴァイス:「じゃあ、とりあえずここで待っててください!」(そう言って、砦へ走っていく)
行き倒れ3人組:「「「おーい……」」」

ヴァイス:みんなはもう出掛けた後?
GM:村長がいるよ。お茶漬け食べてる。
村長:「っっっっくはー、たまらんのう〜! ……ひょ?」
ヴァイス:「『ひょ?』じゃなくて……。……ごはんまだ残ってます?」
村長:「2合半ほど」
ヴァイス:「十分です」 ごはんと、お茶と、お茶碗と、何かオカズになるものを……
GM:オカズねえ。村長が食べてるのはお茶漬けだから、鮭をほぐしたのとかしかないぞ?
ヴァイス:他に何かないの?
シュリ:自分がお土産に持ってきたのがあるでしょ?
ヴァイス:動くハムなんて絶対イヤだ。……あとは、フォークとか?
GM:村長は月の民だから箸使ってるけどね(月の民は和風文化)。
ヴァイス:じゃあ木のお椀とフォーク、スプーン……こんなもんか。

3人は──正確には2人は──ものすごい勢いで食べ物を平らげていった。よほど何も食べてなかったらしい。
ひとりは、瑠璃色の髪とエメラルド色の瞳をした女性だった。おそらく20代前半ぐらいだろうが、まだ幼さが残っている。
もうひとりは、亜麻色の髪の女性。こちらはもう少し大人びた印象だが、食べる仕草がどことなく子供っぽい。
最後のひとりは、男性だった。片目で、長いおさげ髪を延ばした長身の男だ。腰には剣の柄の部分だけを下げている。
ヴァイス:トパーズと、マフィと、シェオールか……。
ユリア:ほら、出てきたじゃないれすか。
GM:オレだって最初言われたときビックリしたよ。
ヴァイス:(一通り食べ終わるのを見て)「少しは落ち着きましたか?」
トパーズ(フウゲツ):「……足りない」
ヴァイス:「んな……」
マフィ(シュリ):「3人で2合半じゃねー」
トパーズ:「ねー」
シェオール(GM):「………………てゆーか、食ってない」(全部ふたりに食われた)
ヴァイス:「足りませんでしたか……。じゃあ、食事ができるところ──酒場にでも案内しますんで」
マフィ:(じーっとヴァイスを見てる)
ヴァイス:「……おごりませんよ?」
マフィ:「(心外、という顔をして)何言ってるの? ──お金持ってる人がこんなところで行き倒れてるワケないでしょ?」
トパーズ:「そーよねぇー。──ほら、おサイフからっぽ」
ヴァイス:……このまま見捨ててやろうかと一瞬思ったよ。 「──とりあえず会わせたい人がいるんで、ついてきてください」
シェオール:トパーズ、『とりあえず』の多いヤツだと思わんか?
トパーズ:そうね、うちでも最近、それ言うのが増えた人いるね。
マフィ:いるよねー……何か説明がましいこと言うようになった人が。
トパーズ:ねー、シェオール〜?
GM:……墓穴だったか(笑)。
シェオール:すまん、俺が悪かった。
レイチェル:とりあえずスマンと謝っておくそぶりをみせる、と。
ヴァイス:いきますよッッ!


