ACT5.0[きみはほほえんだ] 05

村長:「お、そうじゃそうじゃ。客人が来るはずだったんじゃが……誰か知らんか?」

シュリ:「知らないです」

ヴァイス:「フウゲツさんじゃなくて?」

村長:「二組来るはずじゃったんだが」

フウゲツ:「一組……というかひとりは俺だとして……もう一組って?」

村長:「おかしいのう……」

ヴァイス:「あの、そんなに気になるなら、僕が探してきましょうか?」

フウゲツ:「仕事のない俺が行ってもいいですけど」

ヴァイス:「フウゲツさんは子供たちの方お願いします」

シュリ:またそうやって楽しようとするし。

ヴァイス:もともと畑仕事とか持久力のいる仕事むいてないし。普段こうやってストレス溜め込んでるんだから、たまにはいいじゃないか〜──と心の中で思っておく。

シュリ:じゃあ、ヴァイスは客人探しをするのね。

GM:そのつもりらしいよ。

ユリア:つもりなだけ?

GM:「一応」「とりあえず」「〜するつもり」「〜するそぶり」は彼の御家芸だからね。

ヴァイス:大事な客人ならちゃんと探すってば。

シュリ:どんな人かも聞かずに?

ヴァイス:聞かなくても、街の人じゃないから分かるよ。

シュリ:800人近い住民全員の顔を覚えてるの!?

フウゲツ:でも覚えてそうではあるね。夜な夜な『アーケイン住民リスト』とか見てそう。

GM:(低ーい声で)コイツは覚えてる〜、コイツも覚えてる〜、コイツは覚えてないから明日チェ〜ック、コイツは何となく覚えてるからサンカク〜……。

フウゲツ:『明日チェ〜ック』っていいなぁ(笑)。ストーカーだ、ストーカー。

ヴァイス:ホントにそんなことやってたら怖すぎる……。「で、村長、お客ってどういう方なんです?」

村長:「ひょっひょっひょ、ワシに聞いても無駄じゃよ」

ヴァイス:「じゃあ何で客人が来るって分かるんですかーッッ!」

村長:「来ることだけは覚えておるんだが……はて、誰が何をしに来るんだったか……」

ヴァイス:「とにかく、それっぽい人を──」

シュリ:(パンパンと手をたたいて)「はい、解散解散!」

ヴァイス:「とにかく、僕は街中を見て回るから。個人的に見回りもしておきたいし」

レイチェル:「……サボリ?」

ヴァイス:「違うッッ!」

GM:ヴァイスからいこうか。どこからいく?

ヴァイス:外部からの唯一の接点となってる──はずの──『門』からいくよ。

GM:では、自警団の砦を出てすぐ……結界を張るための『結界石』がはめ込まれた『門』であります。んで、そこから外に出た森の中をうろうろしてると……人影が見えた。マントをまとった3人が、倒れているね。

シュリ:猿と河童と弘法?

GM:それはことわざトリオ。

シュリ:じゃあ、ヤモリ・イモリ・タモリ。

フウゲツ:絶対言うと思った(笑)。

ヴァイス:とりあえず駆け寄って、「大丈夫ですか?」と声をかけるけど。肩を揺らしながら

シュリ:……自分の肩を?
 

 一同、大爆笑。
 

ヴァイス:行き倒れてる人のッ!

GM:(それなら『肩を揺すりながら』が正しいのでは……?)

ヴァイス:「大丈夫ですか?」

行き倒れ:「お……おなかが……」

ヴァイス:「痛いんですか?」

行き倒れ:「おなかが……すいたよぉ……」
 

 ぐきゅーくるるるる……
 

ヴァイス:「確かに、おなか鳴ってますね」

行き倒れ:「レディにそんなこと言っちゃ失礼だよぉ……」

ヴァイス:「女性だったんですか」

行き倒れ:「触り心地で分かってほしかった……」

ユリア:全身なで回していたからね。

フウゲツ:自分の肩をあやしく揺らしながら。

レイチェル:(その姿を想像して大笑い)

ヴァイス:そんなことしてなーいッッ! ──……砦にも食料あるんだっけ?

GM:村長が全部食べてなかったらね。

ヴァイス:「じゃあ、とりあえず食べ物があるところに案内しますから、ついてきてください」

レイチェル:そう言ってヴァイスが背中を見せた瞬間、3人が背後から襲いかかる、と。

フウゲツ:さっきはよくも面妖な動きであたしを〜!

GM:ンなことするかーい!(笑) ──では行き倒れ3人、肩を寄せ合って立ち上がろう。「こんなにふらふらなのに肩も貸してくれないなんて……」

ヴァイス:あう……。でも、3人に肩を貸すなんてムリだよ。

フウゲツ:普通、そういうときは食料をここまで持ってくるよな。

シュリ:それでもいいし、誰か人を呼びにいってもいいし。

ヴァイス:「じゃあ、とりあえずここで待っててください!」(そう言って、砦へ走っていく)

行き倒れ3人組:「「「おーい……」」」

 自警団の砦──

ヴァイス:みんなはもう出掛けた後?

GM:村長がいるよ。お茶漬け食べてる。

村長:「っっっっくはー、たまらんのう〜! ……ひょ?」

ヴァイス:「『ひょ?』じゃなくて……。……ごはんまだ残ってます?」

村長:「2合半ほど」

ヴァイス:「十分です」 ごはんと、お茶と、お茶碗と、何かオカズになるものを……

GM:オカズねえ。村長が食べてるのはお茶漬けだから、鮭をほぐしたのとかしかないぞ?

ヴァイス:他に何かないの?

シュリ:自分がお土産に持ってきたのがあるでしょ?

ヴァイス:動くハムなんて絶対イヤだ。……あとは、フォークとか?

GM:村長は月の民だから箸使ってるけどね(月の民は和風文化)

ヴァイス:じゃあ木のお椀とフォーク、スプーン……こんなもんか。

 3人は──正確には2人は──ものすごい勢いで食べ物を平らげていった。よほど何も食べてなかったらしい。

 ひとりは、瑠璃色の髪とエメラルド色の瞳をした女性だった。おそらく20代前半ぐらいだろうが、まだ幼さが残っている。

 もうひとりは、亜麻色の髪の女性。こちらはもう少し大人びた印象だが、食べる仕草がどことなく子供っぽい。

 最後のひとりは、男性だった。片目で、長いおさげ髪を延ばした長身の男だ。腰には剣の柄の部分だけを下げている。
 

ヴァイス:トパーズと、マフィと、シェオールか……。

ユリア:ほら、出てきたじゃないれすか。

GM:オレだって最初言われたときビックリしたよ。

ヴァイス:(一通り食べ終わるのを見て)「少しは落ち着きましたか?」

トパーズ(フウゲツ):「……足りない」

ヴァイス:「んな……」

マフィ(シュリ):「3人で2合半じゃねー」

トパーズ:「ねー」

シェオール(GM):「………………てゆーか、食ってない」(全部ふたりに食われた)

ヴァイス:「足りませんでしたか……。じゃあ、食事ができるところ──酒場にでも案内しますんで」

マフィ:(じーっとヴァイスを見てる)

ヴァイス:「……おごりませんよ?」

マフィ:「(心外、という顔をして)何言ってるの? ──お金持ってる人がこんなところで行き倒れてるワケないでしょ?」

トパーズ:「そーよねぇー。──ほら、おサイフからっぽ」

ヴァイス:……このまま見捨ててやろうかと一瞬思ったよ。 「──とりあえず会わせたい人がいるんで、ついてきてください」

シェオール:トパーズ、『とりあえず』の多いヤツだと思わんか?

トパーズ:そうね、うちでも最近、それ言うのが増えた人いるね。

マフィ:いるよねー……何か説明がましいこと言うようになった人が。

トパーズ:ねー、シェオール〜?

GM:……墓穴だったか(笑)。

シェオール:すまん、俺が悪かった。

レイチェル:とりあえずスマンと謝っておくそぶりをみせる、と。

ヴァイス:いきますよッッ!



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