ACT5.0[きみはほほえんだ] 06


 自警団の砦──

GM:腹が減っているのに、こんなジジイ見せられてもなぁ……。

ヴァイス:いや、ほら、村長ならお金たくさん持ってそうだし。

村長:ひょっひょっひょ、お金があったらこんなとこでこんなモン食っとらんわい。

ヴァイス:村長だろうに……。

トパーズ:あたしたちもお金ないもんねー。

マフィ:ねー。

ヴァイス:「とにかく、食事の件は後で何とかしますから、とりあえず──」

マフィ:「今食べたい! 今おなかがすいてるの!」

ヴァイス:「だーかーら、こちらもすぐに食事の用意ができるワケではないと言ってるんです!」

マフィ:「──いくら持ってる?」

ヴァイス:「安月給なんですッッ!」

トパーズ:(こそこそ)「ここはマフィに任せよう」

シェオール:(こそこそ)「そうだな。ヤツももう29歳だしな」

ヴァイス:「……村長、探していたお客人です」

村長:「………………。おぬしら、ホントに客人か?」

マフィ:「わたしたち、客人なの?」

トパーズ:「どーなのよ、おにーさん」

ヴァイス:「ああああああああああああああああ、もう、コイツらはぁぁぁぁぁ〜!」

村長:「こういうことは、ゲインに聞いてくれんと。ワシには分からんわい」

ヴァイス:「はあ……(ためいき)。じゃあ、ゲインさんのところまで案内してきます」

トパーズ:「おなかすいてるのにこんなに連れ回されてねー、ツライよねー」

マフィ:「ねー」

シェオール:「というか……ここはどこなんだろうな」

ヴァイス:とにかく、ゲインさんのところにいく。

 (副)領主ゲイン=オルドレースの家──

ヴァイス:「この3人が行き倒れてたんですけど、村長がお客人が来るような気がするって言ってたのと関係があるのでしょうか──ってこの話は知らないか、領主さんは」

マフィ:……そこまで一気にしゃべるの?

トパーズ:自己完結してるよね。

ヴァイス:……自分でも、ワケ分かんないよ。

マフィ:うん、わたしもワケ分かんない。

ヴァイス:く……。

GM:くさるなくさるな。──……で、ゲインさんはこの件についてちゃんと知っている(笑)。

ゲイン:「お話は聞いています。あなたがたがそうでしたか」

マフィ:「そう……なんですか?」

ゲイン:「ヴァルト=ラィヒ族の方でしょう?」

トパーズ:「そうですそうです」

マフィ:違います。

GM:じゃあ、『マフィとゆかいな仲間たち』?

マフィ:それだと何か問題があったときに責任がわたしに来るから、イヤ。『シェオールと──』

レイチェル:『ゆかいな主人たち』
 

 ……沈黙。
 

トパーズ:あはははは……そのネタ、ワンテンポズレてじわじわ来る(笑)。

ゲイン:「遠路はるばるようこそ。──ヴァイス君、御苦労だったね」

ヴァイス:「いえ……それじゃ、僕はこれで失礼します」
 

 うんうん、とうなずくトパーズたち3人。
 

マフィ:下がってよろしい。

ヴァイス:……なんでそこまで言われないといけないんだ?

シュリ:それにしても……ヴァイスって、人としておかしいよね。肩を揺らしながら近づくなんて。

ヴァイス:はぁーあ……(ためいき)。

GM:では、場面を移そう。(地図を描いて)東の方の畑の──麦の収穫を手伝ってると思ってくれい。

ユリア:むぎーッ!

GM:収穫組はユリアと……無口なオーキッド・スリーアイか。……レイチェルも無口だな。

レイチェル:マズイ。

シュリ:マズくはないでしょ? 黙々と作業が進んでいいんじゃない?

GM:「むぎーッ! むぎーッ!」というユリアの声だけが響く中(笑)、収穫の手伝いをしてるのだね。──じゃ、レイチェルに判定してもらおうかな。『気づくかどうか』だから、そのへんの修正がある特徴がある場合は修正値に加えてね。

レイチェル:分かった。(コロコロ)失敗。

GM:失敗か。では気づかないまま、作業は続く、と。──ユリアも判定してみてくれる? 『地面に埋まってる何かに気づくかどうか』なんだけど。

ユリア:『注意力散漫』ってのあるれす。

GM:注意力散漫か……でもこの場合は作業に集中してないってことでプラスに働く可能性もあるよな……。じゃあ……目標値55で判定してみて。

ユリア:(コロコロ)成功。

GM:成功したか。(成功しなかったら話が進まないとこだったよ……)畑の中に、何か固いモノが埋まっているようだ。宝玉が埋め込んである石、かな。見覚えがあると言えばあるかも。

ユリア:じゃあこっそり掘り出す。

GM:深く埋まってるみたいで、掘り出すことは不可能だよ。

ユリア:懐に入れるってのはムリれすか。じゃあ……見なかったことに。

レイチェル:それはいけない。

ユリア:(スリーアイに)「ねえねえ、これって何れすか?」

スリーアイ:(目隠ししたままひょいと覗き込み)「ああ、これは──」

ユリア:ええー、目隠し取ってくれないのー?

GM:取らないよ(笑)。

スリーアイ:「これは『結界石』だな」

ヴァイス:何でそんなモノが畑に?

GM:逆だよ。『結界石』がある場所に畑を作ってしまったようだ。

ユリア:『結界石』……。『門』のところにはめ込んであるのとは違うの?

GM:同じ材質だよ。だから「見覚えがある」って言ったワケで。……もっとも、こちらの『結界石』は機能してないけど。

ユリア:「これ、お金になりますか?」

スリーアイ:「魔法物ではあるが……金になるという話は聞いたことがない」

レイチェル:……素直に答えてるし。

ユリア:「ちっ。……むぎーッ! むぎーッ!」

スリーアイ:「レイチェル! オーキッドも。ちょっとこっちへ来てくれないか」

レイチェル:「……何か」

オーキッド:「なんだ? お宝でも埋まってたのか?」

スリーアイ:「お宝ではないが……(『結界石』を指差して)これは『結界石』というものだ。大事なモノだから、壊さないように気をつけてくれ」

レイチェル:「ここにあってよいモノなのですか」

スリーアイ:「ここにないとダメなんだ。『結界』を作るための装置だから」

レイチェル:そんなモノがあるところに畑を作らなくても……。

GM:畑の端っこ、あぜ道との境目ぐらいのところだから問題ないっス。

レイチェル:「……分かった」
 

 そしてまた一行は作業に戻り、「むぎーッ!」というユリアの叫びを聞きながら黙々と麦を刈るのだった。

GM:ではかがり火・ヤグラ設置組。メンバーは……シュリ・カーキ・シア・タン・ブルーか。PCはシュリだけな上に、NPCも問題児ばかりだな。

フウゲツ:彼女ならうまくまとめてくれると思いますが。

GM:んで、設営の方では特にイベントがあるワケではないんだけどね。

シュリ:そーなんだ。

GM:自警団の連中以外にも男衆が手伝ってくれるはずだから、うまくコキ使ってくれい(笑)。

シュリ:ヤグラの上からしっぽで指示を。

レイチェル:それはリトナ(猫)

GM:んじゃここで──こんなとこで何だけど──『収穫祭』でどんなことをするか簡単に説明しておこう。前にも言ったように収穫祭は『前夜祭』『本祭』『後夜祭』の3日間。前夜祭は、行事的なことを行う。子供たちが一件一件家を訪ねてまわって、『実りの祈り』を捧げるのだ。

ユリア:ハロウィンみたいだね。あるいはナマハゲ。

GM:本祭は、お祭り。女たちが作った料理を食べ、ワインを飲み、騒ぐ。子供たちの劇もこのときだ。

フウゲツ:フフフ……(不敵な笑み)。

GM:後夜祭は、ダンスパーティ。夜までに片付けをして、夜は若者たちが踊って騒ぐ。

シュリ:その間自警団の仕事はしなくていいの?

GM:その日の夜は、街のおじさんたちが代わりに見回りはしてくれるよ。……とまあ、こんなかんじ。

フウゲツ:本祭まであと3日。すばらしい劇にしてみせますよ!

GM:日が暮れて、みんな家に帰る時間になった。畑から噴水に戻っているレイチェル、ちょっと『心』で判定してくれる?

レイチェル:(コロコロ)成功してます。

GM:畑で『結界石』を見たよね? 帰り道に改めて街の中を見てみると、何カ所か『結界石』が埋まってる場所があるのに気づく。

レイチェル:今までなかったのに、今日いきなり現れたということ?

GM:いや、ずーっとあったんだけど、今までは気づいてなかったのだな。

レイチェル:気づかないことはないと思うが。ロボットだし。

GM:……じゃあ、畑の石を見て、「そういえば街のあちこちに石があったな」と思い当たったことにしよう。

レイチェル:はい。

GM:街の外側を覆っている『結界』より一回り小さい位置に、もうひとつ『結界』がある作りになってるみたいだ。

レイチェル:二重の結界……。

GM:じゃ、もう一回『心』で判定してくれる? 今度は『知識』系のことね。知っているかどうか。

レイチェル:(コロコロ)02。クリティカル。

GM:激しく成功したね。……じゃ、まず「そもそも『結界』は古の民が自分たちを外敵から守るために用いていたものだった」ことに思い当たる。つまり「『結界』について詳しいのは古の民」ってことだね。

レイチェル:ふむふむ。

GM:で、クリティカルしたからさらに教えてあげると……古の民は外部との接触をあまり好まなくて、ほとんどの人たちは森の奥で生活してるんだけど──街の北の方、『魔王の森』に近い居住区にも住んでいるのだな。この人たちは、「いろんな人たちと仲良くしてもいいんじゃな〜い?」って考えの持ち主。

レイチェル:ふむふむ。

GM:で、その北の居住区に住んでる古の民の中でも、『隠者』と呼ばれる人が『結界』についていろいろ詳しいらしい、ということを思い出した──もとい、レイチェルは“知っている”。

シュリ:でもレイチェルは『結界』には興味がない。

レイチェル:そうなのです。

フウゲツ:そしてそのことをそっと心にしまっておく、と。

シュリ:あ、ネコ。

レイチェル:あ、ネコの方にいってしまいそう(笑)。

GM:じゃ……この日は、これで終わりだね。



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