ACT5.0[きみはほほえんだ] 09


 妄想はおいといて、と──
 

GM:ヴァイスはさ、GMや他のキャラが「こうすればいいのに」って思ってる解決策とかも、勝手に「ムリだ」「ダメだ」って自己完結しちゃって、その結果八方塞がりになってるように見えるんだけど。何かしらアクションを起こしてくれないと、こっちもリアクションのしようがない。

レイチェル:時には、当たって砕けるのも大事。

ヴァイス:これまで当たって砕けてばっかりの人生だったんだってば。

シュリ:ネタとしてはおいしいのにねー、砕けるの。

ヴァイス:……前回サデルさんと会ったのは誰?

GM:ユリアとシュリだね。

ヴァイス:じゃあユリアを探そう。

ユリア:ユリアはすばしっこく動いてるから捕まりません。

ヴァイス:うわー、絶対捕まらないぞ、それじゃ。

GM:……もう会えたことにしていいよ、話が進まないから。

ヴァイス:「古の民の人と会いたいんだけど、ユリアはこの間会ったんだよね。その人のところに案内してほしいんだけど」

ユリア:「いいれすよ」

レイチェル:そう言って『森』とは反対の方向に。

ユリア:しかもものすごいスピードで。

ヴァイス:ああ〜、待ってくれ〜! 絶対追いつけない〜!

シュリ:……ホントに走っていっちゃったんだ(笑)。

GM:このままだと、またプッツリ話が途切れてしまうじゃないか。

ヴァイス:黄昏モードに入るな、それは……。

シュリ:ちょっと待って、落ち着いて考えるのよ。ホントにそれでいいの?

フウゲツ:結局会うこともできませんでした、って報告することになりますよ?

シュリ:無能だ……。

GM:君が話を進めないからほとんど出番がないPCがたくさんいるんだぞ。

ヴァイス:………………。
 

 沈黙。
 

GM:……ユリアが走り去ったのは決定、か(笑)。

ユリア:南の方に走っていったら……砦があるね。砦で何か食べていよう。

ヴァイス:北にある『魔王の森』にいくはずなのにユリアは南に走っていっちゃうし、追いつけないし……どうすればいいんだ?

フウゲツ:一度報告に戻る。──接触することすらできません。かなり深く潜ってます、古の民(笑)。

レイチェル:古の民が、悪い。

ヴァイス:責任転嫁してる〜!

GM:(ふう……)どのくらい時間が経過したか、判定してみよう。(コロコロ)(10──10時間経過はあんまりだから、半分の5時間にしておくか)ゲインに頼まれてから5時間が過ぎた。もう夕方だね。

シュリ:5時間中4時間半悩んでるからな〜。

ヴァイス:タイムリミットが来たらどうなるの?

GM:ゲインさんがシュリに頼みにいく(笑)。

シュリ:そしてあたしは快く引き受ける、と。

ヴァイス:人徳の差だね。

シュリ:人徳というか……ゲインさんはちゃんと理由を説明してくれるだろうから。いきなり「仕事だから」とか言わないから。

ユリア:寝たか寝てないかの違いじゃないんれすか? ……ゲインさんと寝たのぅ?(笑)

シュリ:ないない(笑)。

ヴァイス:難しいなぁ……。

シュリ:GM、ホントに一服してきていい?

GM:こちらの話が聞こえる範囲でなら、いいよ。

レイチェル:……疲れるのよね。
 

 レイチェルの痛い一言。
 

ヴァイス:古の民って、ぱっと見て分かるの?

ユリア:額に『古』って書いてるから。

GM:書いてない(笑)。──外見はあまり変わらないよ。

ヴァイス:古の民に知り合いがいそうな人って……誰だ……?

GM:あのさ、なんで「すぐに解決できそうな人」を探すの? PCたちに「僕ひとりじゃどうしようもないから、みんな一緒に考えて」って何で言えないの?

シュリ:そして何でホントにもう二度とあたしのとこに来ないワケ?

ヴァイス:みんな仕事が忙しいんだろうと思ってたから……。

GM:(TRPGなんだぜ? 他のメンバーの出番を増やしてやろう、ぐらいの気遣いができないもんかね……)

ヴァイス:じゃあ、手の空いてそうな自警団のメンバーを探してみるけど──

シュリ:──見つからなかった。

ヴァイス:見つからなかったか。

シュリ:そーじゃなくて、なんで語尾が『けど』なの? 『けど』の後には否定しかつかないよ。

ヴァイス:じゃあ、『自警団のメンバーを探してみるッ!』
 

 その結果、レイチェルと会うことができた。
 

GM:レイチェルは劇の舞台を作ってるんだよね。

ユリア:舞台装置の一部として組み込まれるんれすね。

GM:ちゃうちゃう。

レイチェル:作業をしてます。

ヴァイス:「今、暇?」

レイチェル:「……作業をしてます(苦笑)」

ヴァイス:「古の民に知り合いいない?」

レイチェル:「データとしてはインプットされているが……。……他の人には相談した?」

ヴァイス:「それが、なかなか見つからなくてさ」

フウゲツ:見つからないって……俺はずっと劇の稽古してたのに。──さあこれから夜の稽古だ!

シュリ:どんどん厳しくなってる。

ユリア:何年役者やってんだ!

一同:(大笑い)

フウゲツ:劇団並の劇になりそうだ。
 

 他のメンバーを探すヴァイスとレイチェル。砦でユリアを発見した。
 

ユリア:ずっとここにいたのに。

ヴァイス:さっき案内してって言ったら南の方に全力ダッシュしていったんだよね……これって嫌がらせかな。

ユリア:……どうして分かったのれすか?(笑)

フウゲツ:確信犯だったのか。

ヴァイス:そのおかげで僕が何時間ムダにしたと思ってんだぁ!

GM:……あれからそんなに時間は経ってないぞ。悩んでた時間が長いだけで。

レイチェル:「ユリア、時間がない。案内してやってくれないか」

ユリア:「では本当の『魔王の森』に案内するれす」

ヴァイス:ちょっと待て、「本当の」って何だ〜!

ユリア:「でもユリアは、あのおじいさんとそんなにお話はしてないのれす」

ヴァイス:「家まで案内してくれるだけでいいから」

 『魔王の森』に入ってすぐ サデルの山小屋──

サデル:「……何の用じゃい」

ヴァイス:「こんばんわ、自警団の者です。ちょっとお話があるんですが」

サデル:「なんじゃ?」

ヴァイス:「収穫祭のことでお話があるんですけど。……どう言えばいいかな……収穫祭は、その……街の人たちの交流の場でもあるんですけど、古の民の皆さんの参加が少なくて、できるだけ参加してほしいのですけど……どうして皆さんが参加してくれないのか、そのへんの事情はご存じじゃないですか?」

サデル:「そんなこと、わしが知るか」

ヴァイス:「う……。──サデルさんは、祭りには参加されてるんですか?」

サデル:「わしは、酒場に酒を飲みにいくぐらいだな」

ユリア:「おじいさん、これこれ」(酒のボトルを差し出す)

サデル:「お、気が利くな」

ユリア:フタが空いてますけどね。

サデル:「……飲みさしかい」

レイチェル:「子供がお酒飲んじゃダメ」

ユリア:ユリアは大人れす。電車にひとりで乗れるから大人れす。

ヴァイス:「では……古の民のところに、案内してもらえませんか?」

サデル:「……まあええじゃろう。──ついてこい」
 

 ヴァイス・ユリア・レイチェルの3人は、サデルの案内で『魔王の森』の奥深くへと入っていった。
 

GM:誰か、サイコロひとつ振ってくれる?

ヴァイス:(コロコロ)4。

GM:では2時間が経過した。──すっかり真っ暗になった頃、木でできた質素な家の集まり──古の民の集落にたどり着いたよ。
 

 彼らは火を使うことを好まないらしく、魔法の明かりでぼんやりと照らされている場所以外は闇と同化してしまっている。
 

ヴァイス:じゃあ、一番偉い人のところまで行って話を聞く!

GM:待て待て、急ぎ過ぎるな。──木できた簡素な門の前まで来たところで、サデルが足を止める。

サデル:「わしが案内できるのはここまでだ。ここで待っておるから早ういってこい」

ヴァイス:「え、何でですか?」

サデル:「……会いたくないんじゃよ、ここの連中と」

ヴァイス:「じゃあ……一番偉い人がどこに住んでいるか教えてもらえませんか?」
 
サデル:「そんなもん、一番奥に決まっておる」

ヴァイス:「ありがとうございます。──じゃ、いってきます」

サデル:(木の根元に座り、ユリアからもらった酒を飲み始める)

ヴァイス:飲んでるよ……。帰り道、迷いそうだなぁ……。
 

 門には、見張りがふたり立っていた。木の棒を交差させ、ヴァイスたちの行く手をさえぎる。
 

古の民の門番:「何者か!」

ヴァイス:「自警団のヴァイスです。こちらの長に用があって参りました」

古の民の門番:「こんな時間に何の用か」

ヴァイス:「……そうなんだよなぁ……。──今度の祭りのことで、古の民のみなさんにも参加していただきたく、お願いに参りました」

古の民の門番:(フン、と鼻で笑い)「武器のチェックだけはさせてもらおう」

ヴァイス:(レイチェルを見て)は。

ユリア:『全身これ武器』れすね。

GM:門番も、あまりいい顔はしてないね。

ヴァイス:「レイチェルは、ここで待っててくれる?」

レイチェル:「分かった」

古の民の門番:「──こっちだ、ついてこい」

レイチェル:では、門番の代わりに門を守っていよう(笑)。



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