GM:今日は本祭だよ。中央広場に設けられた舞台では歌や踊りが披露され、通りに作られた露店では、採れたばかりの麦で作ったパンや、たくさんのワイン、あぶり肉にお菓子などが並べられている。特にコーラルおばさんが作った『赤ワインとヨーグルトのクリームを使ったケーキ』は大人気で、長い行列ができている。
そして、いよいよ子供たちの劇が始まろうとしていた。
フウゲツ:「お前たちはこの日のために一年間(?)努力してきた。──さあ、アカデミー賞はお前たちのモノだ!」
子供(ヴァイス):「アカデミー賞って何ですかー?」
フウゲツ(シュリ):「お前はそんなこと知らんでよい! 欲しいのは監督賞だ!」
ヴァイス:欲しいのは監督賞と作品賞だけなんだ……。
フウゲツ:ちょっとドキドキしてきました。──さあ、いくぞ!
村長:(舞台から少し離れた祭壇の上で)「お、始まるようじゃぞ」
古の民の長:「我らが『月蛇の民』に伝わる古き物語。いかなるものに仕上がっているか、楽しみです」

『螺旋の王』
螺旋の王:「わたしは何者であるか」
王は問うた。
螺旋の王:「月の蛇<ウロボロス>よ、全ての螺旋をしろしめす、新月の蛇よ――わたしは何者なのであろうか?」
月の蛇:「あなたが、そういう問を持つのは、あなたが完全ではないからである」
姫は問うた。
螺旋の姫:「海蛇<ヴリトラ>よ、全ての螺旋をしろしめす、満月の蛇よ――わたしは誰のために唄うのでしょうか?」
海蛇:「あなたが、そういう問を持つのは、あなたが完全ではないからである」
龍に噛まれた『愛』から『憎』がわかたれた。
龍に噛まれた『結』から『裂』がわかたれた。
龍に噛まれた『光』から『重力』がわかたれた。
龍:「わたくしは、力であります」
龍は答えた。
混沌の魔王:「わたしはおまえになり、おまえはわたしになるのだ」
闇の彼方へ消え去りぬ。

フウゲツ:高みを目指してるから、かなり目標値は高め(サイコロの値を小さめ)に設定しなければ。一般の人は95とかで十分なんだろうけど、クリティカルに近い値を振らないと、俺は納得はいかない。
シュリ:じゃあ……10以下とか?
ヴァイス:それだけの目を振ったら、マジでアカデミー賞クラスだよ。
フウゲツ:ドキドキドキ……。いきますッッ!(コロコロ)──08!!!
一同:ををををををををををーッ!
GM:スゴイなぁ……出るときは出るもんだねー。
フウゲツ:(舞台の上で子供たちと抱き合って)「お前たちならやってくれると信じていたぞ!」
子供たち:「監督〜!」
フウゲツ:夕日を指差して、みんなで涙しながらそっちを見ていよう。
レイチェル:そしていつまでも舞台から降りない(笑)。
フウゲツ:『敏腕プロデューサー』という特技を追加しておこう。
GM:さてさて、それでは本日最後のイベントとなりました。『Harvest Rain(豊饒の雨)の乙女』の選定会でございます。……要は、美人コンテストの延長みたいなものなんだけどね。
シュリ:そっか……じゃあ始まるまでに、レイチェルと買い物にいっておこっと。
ヴァイス:プロデュースするんだ。
シュリ:そうそう。あたしとしてはレイチェルにオシャレさせて、「あの美人だれ?!」という視線を集めてみたいのよ。
ヴァイス:なるほど。
シュリ:あたしは、たぶんこれまでに一度ぐらいは選ばれてるだろうし。今年はいいや。
ユリア:乙女じゃないことがバレてるし。
GM:ふさわしくない、と(笑)。
レイチェル:そうかも。
ヴァイス:……で、今から投票しろって?
GM:そういうこと。
さてさて。今年の『Harvest Rainの乙女』は誰に決まるのか……。
GM:──じゃあ、エントリーした乙女たちを発表しますか。一番、シルヴァ。
ヴァイス:ばーさんじゃないかー!
GM:でも毎年エントリーしてる(笑)。──2番、トキオさん。
レイチェル:トキオさんはダメ。人妻は……ダメです。
GM:冗談です。2番、ユリア。3番、スノウ。4番、シア。
フウゲツ:そして突如エントリーが決定したヤオ。
GM:大穴だね。
フウゲツ:マジ大穴です。
ヴァイス:突如現れたダークホースだね。しかも自信がついて、アイドルのオーラをキラキラまとってる。
GM:では、5番、ヤオ。そして6番が飛び入り参加の背の高い美女。
シュリ:あたしがプロデュースしたレイチェルよ!
レイチェル:ドレスを着て、とまどっています。
シュリ:しかもミニスカ!
フウゲツ:わお。
レイチェル:ミニスカはちょっと……。
シュリ:じゃあ、ミニスカでなくてもいいわ。――でも下着は黒よ!
レイチェル:……黒……。
GM:以上6名から選んでくれい。ひとり10ポイントあげるから、好きなように割り振っていいよ。
というワケで始まった選考会。プレイヤーたちが投票用紙に書き込む音が静かに響く。
GM:(集計して)──では、結果発表でーす! 紅白みたいに、一票ずつ入れていくよ。
<集計中>
|
シルヴァ:
ユリア: スノウ: シア: ヤオ: 謎の美女: |
●●
●● ●● ●● ●● ●● |
シュリ:シルヴァばーちゃん票が入ったんだ。
<集計中>
|
シルヴァ:
ユリア: スノウ: シア: ヤオ: 謎の美女: |
●●
●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● ●●●●● |
ヴァイス:お、いいかんじだね。
<集計中>
|
シルヴァ:
ユリア: スノウ: シア: ヤオ: 謎の美女: |
●●
●● ●●●●●●●●● ●●●●● ●●●●●●●●● ●●●●●●●●● |
ヴァイス:3人に絞られたかー。
<集計中>
|
シルヴァ:
ユリア: スノウ: シア: ヤオ: 謎の美女: |
●●
●● ●●●●●●●●● ●●●●● ●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●● |
フウゲツ:一騎打ちだ。プロデューサー席でドキドキしてる。
<集計中>
|
シルヴァ:
ユリア: スノウ: シア: ヤオ: 謎の美女: |
●●
●● ●●●●●●●●● ●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●● |
GM:以上!
一同:同点か〜!
GM:おもしろい結果になったねー。──てことで、決選投票だ。今度はひとり5票ずつ。
紙を回収し、一枚ずつ読み上げていくGM。
GM:ヤオ3、レイチェル2。……スノウに5。
一同:(大笑い)
フウゲツ:俺です、俺。熱烈ファンを演じてみました。
シュリ:ヴァイスじゃなかったんだ。
GM:ヤオ1、レイチェル4。ヤオ4、レイチェル1。で……ヤオ1、レイチェル4。──てことは……
シュリ:レイチェルだね。
GM:『Harvest Rainの乙女』は謎の美女(レイチェル)に決定ー!!!
一同:おめでとー!(パチパチパチパチ)
GM:毎回おいしい役だね、君は。
レイチェル:……舞台の上でかなり困ってます。
GM:じゃあ、あとは自由に飲んだり食べたりしてくだされ。
ヴァイス:僕は街の見回りに。
GM:ほえ?
ヴァイス:いいじゃんかよ〜。
GM:(にやーっと笑って)まーじめ〜!
シュリ:したいなら、誰も止めないよ。
フウゲツ:ああ、誰も相手をしてくれないからか。
ヴァイス:フ……。……お祭りにも警備員さんとかいるでしょ。そういうことそういうこと。
GM:見回りしていると、ゲインさんに会う。例年より、魔族ハーフや古の民の参加人数が多いらしいよ。
ヴァイス:それはよかった。
日が暮れて、宴はいよいよ盛り上がる。楽しい夜が、ふけていく……


