GM:今日は後夜祭。午前中は後片付けで、午後は夜のダンスパーティの準備。
一同:ふんふん。
GM:で、夜からパーティなんだけど……みんな誰を誘うかとか決めてるの?
ユリア:当然れす。
シュリ:あ、決めてなかった。
ヴァイス:レイチェルはモテモテだろうね〜。
GM:だいたい決まってるのかな? んじゃ、時間を進めるよ。
夜──蒼天には満月が輝き、少なめに焚かれたかがり火が、広場を幻想的に照らし出す。
GM:モッカシンがDJ──音楽係。スティールさんが外に作られた簡易BARで、カクテルとかを作ってくれている。
シュリ:いいかんじだね〜。
GM:さて。みんなどうしてるのかな?
ユリア:アインと踊ってます。──ようやくアイン登場。……お客人は?
GM:トパーズはお仕事がある。シェオールとマフィは……どうなんだろうね。――シュリは? 向こうから来るとしたら……いっぱい来そうだな(笑)。
シュリ:フウゲツのところに行ってみようかな。
フウゲツ:ををッ!?
シュリ(レイチェル):「それとも、好きな子としか踊らないってやつ? 私のこと、好きにな〜る好きにな〜る。……好きになった?」
フウゲツ(レイチェル):「……微塵も」
一同:(大爆笑)
フウゲツ:俺は、壁の花です。次のプロデュースのことで頭がいっぱい。
GM:レイチェルは?
ヴァイス:引く手数多だと思うよー。
シュリ:誰を選ぶ?
レイチェル:最初に誘われた人。
フウゲツ:村長?(笑)
GM:『Harvest Rainの乙女』はお仕事があるから、ダンスパーティはちょっと我慢してね。
シュリ:それは残念。
ユリア:駕籠(かご)に乗って、『魔王の森』へ運ばれていくのれすね。
GM:違う違う。──で、ヴァイスはぁ?
ヴァイス:街の見回り、かな。
シュリ:見回りなんだ。スノウは誘わないんだ。
ヴァイス:だって、みんなダンスパーティにいくみたいだし……。
GM:じゃあ──スノウが……
レイチェル:ヴァイス、あっさり流された(笑)。
GM:だって予想通りだったし。それを前提にシナリオ組んできたし。
ユリア:それは……なかなかスゴイ話れすね。
GM:まーねー。──んで、スノウが、シュリとバッティングだね。
シュリ:やっぱり。
スノウ:好きにな〜る好きにな〜る。……好きになった?
フウゲツ:微塵も。
シュリ:好きにな〜る好きにな〜る。……好きになった?
フウゲツ:微塵も。
GM:どっちを選ぶのかなー?
フウゲツ:大問題だ。
ユリア:どっちも選ぶというのは?
フウゲツ:もっと問題だ。
GM:で……シアが食べるのに夢中。カーキは飲んでる。タンとブルーは会場の隅でほそぼそと飲み食い。オーキッドは……壁の花その2かな。
ヴァイス:よかったら見回りしてくれるように頼んでみるけど?
シュリ:今日の見回りは、元自警団のおじさんたちがやってくれるんでしょ?
GM:でもヴァイスは見回りするつもりみたいだよ。
シュリ:てゆーか、ヴァイス、この状況(フウゲツとシュリとスノウ)はほっといていいの?
ユリア:見て、いたたまれなくなって見回りにいったんれすね(笑)。
GM:僕の方に来てくれると思ってたのに、って?
ヴァイス:全部僕の思い込みだった……イタタタタ……。
レイチェル:自分から行動することは一切考えずに。今年こそ、と思ってないんだ。
シュリ:今年こそ向こうが来てくれる、と思ってたんじゃない?

「よかったら……踊ってもらえませんか?」
「あたしも、踊ってほしいんだけどな」
声の主はシュリだった。
胸元が大胆に開いたドレスにスノウは圧倒され、自分の幼いかんじのドレスに目をやり、落胆する。
……いいなあ、シュリ……。
シュリもまた、ヴァイスが出ていくのを見ながら心の中で悪態をついていた。
ちょっとぉ、アンタがこっちに来るだろうと思ったからあたしもこっちに来たのに……。アンタがスノウと踊ってくれないと、あたしがフウゲツと踊れないでしょー……。
フウゲツ:(世話になってる義理もあるし……)「シュリ殿、すみませんが……今夜は……」
シュリ:「あ、ヒド……」
フウゲツ:すみません……。
シュリ:仕方ないから、別の相手を探そう。
GM:大丈夫、君にはマーロ=クリンスキーがいるから。
シュリ:断る(即答)。……じゃあ、名もなき誰かと。カッコイイのと。
もう一度シュリに頭を下げてから、フウゲツはスノウと向き合った。髪を上げてひとつにまとめた今夜のスノウは、少し大人っぽく見える。

スノウ:「お願いします。……あんまり、うまくないけど」
いいのか……? スノウは……ノエルの妹だぜ……?
だが、彼女に対して好意を持ち始めているのもまた事実。
フウゲツ:「――こちらこそ」
フウゲツはスノウの手を取り腰に手を回すと──音楽に合わせて、一歩踏み出した。

少しおどけた口調で、スティールは簡易BARのカウンターに腰掛けているシアに話しかけた。
シア:「おいし〜ですよぉ〜」
いつもよりもスローな口調で返事を返すシア。
シア:「しあわせ〜な夜です〜」
カーキ:「……なーにが幸せだよ。いつも通り食って飲んでしてるだけじゃねーか」
隣りに座っていたカーキが、口をとがらせる。
シア:「そんなこと〜ないですよ〜。お祭りは楽しいから好きです〜。こーんな日は寝るのがもったいないですぅ〜」
カーキ:「ほぉーう」
シア:「ダンスだって好きですよぉ〜? さっき一緒に踊ったじゃないですかぁ〜」
にへへ、と笑いながらカーキのほっぺをつつく。
カーキ:「あんなのはダンスとは言わねー」
スティール:「君もシアもまだまだってことかい?」
空になったカーキのグラスにワインを注ぎながら、スティールが話をまぜかえす。
シア:「お祭りはぁ、感謝の気持ちをしめす日ですぅ、人と人とのつながりを、確認する日ですぅ」
カーキ:「ほー。……母親の受け売りか?」
シア:「そうとも言います〜。……わたしはぁ…………カーキとだってつながっていたい」
ぶーーーー!
シアの言葉に、カーキはワインを吹き出した。
カーキ:「ア、アホなこと言ってんじゃねー!」
シア:「……心の話です」
カーキ:「……もちろん分かってて言ったさ」
スティール:「若いなぁ、カーキも」
カーキ:「マスターも余計なこと言わなくていいっスから」
ワインを飲み干し、カーキは立ち上がった。
カーキ:「帰って寝る」
スティール:「もうかい?」
カーキ:「祭りとかこういうウゼェの、キライだから」
スティール:「言動不一致だよ、カーキ。こんな日ぐらい照れなくてもいいだろうに。それに――」
カーキ:「それに……?」
スティール:「帰るなら、そこの眠り姫もつれていってやってくれないかい?」
横を見ると――シアが気持ちよさそうに眠っていた。
カーキ:「……誰が今夜は寝ないって……?」
ブツブツ言いながらも、カーキはシアを背中に背負った。
スティール:「あー、それから――」
カーキ:「もういいっス」
スティール:「あ、そう」
砦に向かって歩き出したカーキを見送りながら……スティールは心の中で言葉を続けた。
スティール:(シアは酔うと「女好き」の父親の性格が騒ぐらしいから、襲われないようになー……)


