ACT9.0[ゆがみのむこう] 06


 オルディネールの家──

ヴァイス:「──というワケなので、これから古の民の集落へいってきます」

シュリ:リーダーひとりで。

ヴァイス:え?

シュリ:一回いったことあるんだからいいじゃない。

ヴァイス:誰がいくにしても、隠者さんに紹介状書いてもらったら?

GM:では書きましょう。『これこれこういう連中がいきます、よろしく オルディネール』

シュリ:『連中』じゃなくて『ヤツ』だから。

ヴァイス:やっぱり僕ひとりなのか……。……でも、別に危険はないよね?

レイチェル:『魔王の森』はとても危険だ。

ヴァイス:あれ……?

シュリ:「富士の樹海にいってきて」って言われてるようなもんよ?

ヴァイス:あれ、前は道案内のじいさんがいなかった?

GM:いたねぇ。……それが何か?

ヴァイス:その人に道案内を頼むッ!

エミリー:それから、わたしたちも半分いじわるで言ってるんですから「ついて来て」って言えば……。

シュリ:半分? 八割いじわるでしょ?

ヴァイス:でも「ついて来て」って頼む理由が……。

一同:理由ってあんたねー……。

GM:さ、どうするんだ?

ヴァイス:……じゃ、いこうか。

一同:…………………………(顔を見合わせる)。

フウゲツ:この間は、なに?(苦笑) 俺、ついていきます。

シュリ:フウゲツがいくならあたしもいく。
 

 てことで……一行はぞろぞろと『魔王の森』へ──
 

ユリア:その前に、寮に寄っていくれす。

GM:ん?

ユリア:お酒を持っていかないと。

GM:あ、そうか。サデルじいさんに渡すんだね。

 『魔王の森』 サデルの山小屋──

サデル:(のそり、と出てきて)「ん、なんじゃまたお前か」

ユリア:「はいどうぞ」

サデル:「おお、これはなかなかいい酒だ」

シュリ:(小声で)「一気、一気、一気……」

GM:飲んでいいの?

フウゲツ:まだダメ。

サデル:「この酒にこのメンツ……今日は何を頼みにきた?」

ユリア:「そこの緑色のが何かあなたに言いたいそうれす」

フウゲツ:「ええと……かくかくしかじかで、石職人に会いに『古の民』の集落にいきたいんです」

サデル:「ふん、仕方ないのう……。……どうでもよいが、緑色の方が話すんじゃなかったのか?」

フウゲツ:「気にしなーい、気にしなーい」

サデル:「まあええわい、ついてこい」

エミリー:「お願いしまーす!」

フウゲツ:後で一気飲み見せてくれ〜。
 

 一行は、サデルとともに森の奥へ。
 

GM:ではレイチェル、『心』で判定してくれるかな?

レイチェル:(コロコロ)成功している。

GM:なーんか違和感を感じる。なーんか、機械の調子が悪い。

レイチェル:それは……どういうこと?

GM:ノイズが混じるというか……奇妙な電磁波を感じるというか。

レイチェル:それは……ちょっと立ち止まる。

エミリー:ちゃんとメンテナンスしてないからですよぉ。

シュリ:そろそろ車検の時期なんじゃない?

ユリア:なくなった右目がうずくのれすね。

レイチェル:……なくなってない。

GM:(なんでこうボケたがるかなー……)

レイチェル:その違和感は、この森に入ってから?

GM:街にいたときも、ずっとそういうかんじが微かにあった。この森に入ってからそれが強まったかんじ。

レイチェル:そういうことなら、もっと前に言ってくれないと。

GM:ごめんごめん。

フウゲツ:「レイチェル、どうした?」

レイチェル:「……いや、何でもない」

フウゲツ:「そうか。──じゃあいくぞ」

GM:じゃあ、せっかくだから誰かサイコロ振ってくれる?

フウゲツ:(コロコロ)32〜!

GM:成功はしてるか。時々立ち止まりつつ、サデルは道を確かめるようにして進んでいく。

エミリー:もしかして迷いました……?

GM:いや、そうではないみたいだけど……何か違和感を感じているようだ。

レイチェル:私も辺りを見て、前回来たときと同じかどうか確かめてみよう。

フウゲツ:違和感か……。どうも俺の口調もおかしい気がするだわさ。

GM:それは関係ない。──道は、あってるみたいだよ。

シュリ:磁場がおかしいってこと……?

サデル:「『人払い』の結界が強くなっているのか……?」

GM:んじゃ、もう一度判定。

フウゲツ:(コロコロ)……95。

GM:それは失敗だ。

サデル:「……すまん、道に迷った」

一同:をいーッッ!!

ユリア:ああ! よく見れば酒ビンの中身が半分に!

GM:飲んでない飲んでない。……でも報酬は半分でいいかも。

エミリー:いや、飲みかけをもらっても……。

フウゲツ:いや! じいさんは悪くない! 誰のせいでもない、磁場のせいだ!(←アンタのサイコロのせい)

GM:ではここで気配感知を。

ユリア:(キャラクターシートを見て)『殺気感知』とか関係ある?

GM:ないです。

エミリー:『ジェシー様(エミリーが熱を上げてるプロレスラー)の気配』とかは。

シュリ:こんなところにジェシー様がいたらビックリだって(笑)。
 

 判定の結果、フウゲツ以外が成功。
 

GM:ちょうどフウゲツの背後の茂みに出現したんだな。……こういうのが、立ってる。

 それは──『仮面の人』だった。皆の視線が、フウゲツの背後に集中する。
 

フウゲツ:(振り返って)「────ッッッ!!!」(声にならない悲鳴)
 

 奇妙な表情の仮面だった。目の部分に当たるであろう黒い穴は、空虚な闇へと繋がっていそうな、それでいて全てを見透かしているような、そんな錯覚を覚える。身体のラインがまるで分からないストンとした黒衣は、まるでその者が影から出現したのではないかと思わせる。
 奇妙さ。違和感。居心地の悪さ。恥ずかしさ。見たくないが目を離せない。そんな存在。
 

シュリ:……それは、もちろん仮面じゃないよね。

GM:仮面です。

フウゲツ:……ごめん、今マジで怖かった。こんなのが背後にいたら、ワタシ逃げるアルよ。

GM:そうしてるうちに、その『仮面の人』はすうっと消えてしまう。

シュリ:……そいつが立ってた茂みの方にいってみる。

GM:何もないよ。

シュリ:そっか……。

フウゲツ:コイツ、夢に出そうなぐらい怖かった……プレイヤーが。寝れない〜!

レイチェル:「一度、道が分かる場所まで戻りませんか? 来た道は記憶(記録)しているので」

エミリー:「それはいい手かも」

シュリ:「正義は常に前にあるのよ!」

一同:「………………」

フウゲツ:「一旦戻ろう。……ていうか帰りたい……」

GM:戻るんだね。……これでファンブル振ったら笑うぞ。

レイチェル:(コロコロ)96。……ファンブルではないが、失敗。

GM:ますます迷ったねー……。

エミリー:このポンコツ〜!

ヴァイス:まあまあ。そういうエミリーだって、道なんか全然覚えてないんだから。

サデル:「うーむ、困ったのう……」(ぼやきつつ、酒をグビグビ)

エミリー:飲むなーッ!



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