オルディネールの家──
ヴァイス:「──というワケなので、これから古の民の集落へいってきます」
シュリ:リーダーひとりで。
ヴァイス:え?
シュリ:一回いったことあるんだからいいじゃない。
ヴァイス:誰がいくにしても、隠者さんに紹介状書いてもらったら?
GM:では書きましょう。『これこれこういう連中がいきます、よろしく オルディネール』
シュリ:『連中』じゃなくて『ヤツ』だから。
ヴァイス:やっぱり僕ひとりなのか……。……でも、別に危険はないよね?
レイチェル:『魔王の森』はとても危険だ。
ヴァイス:あれ……?
シュリ:「富士の樹海にいってきて」って言われてるようなもんよ?
ヴァイス:あれ、前は道案内のじいさんがいなかった?
GM:いたねぇ。……それが何か?
ヴァイス:その人に道案内を頼むッ!
エミリー:それから、わたしたちも半分いじわるで言ってるんですから「ついて来て」って言えば……。
シュリ:半分? 八割いじわるでしょ?
ヴァイス:でも「ついて来て」って頼む理由が……。
一同:理由ってあんたねー……。
GM:さ、どうするんだ?
ヴァイス:……じゃ、いこうか。
一同:…………………………(顔を見合わせる)。
フウゲツ:この間は、なに?(苦笑) 俺、ついていきます。
シュリ:フウゲツがいくならあたしもいく。
てことで……一行はぞろぞろと『魔王の森』へ──
ユリア:その前に、寮に寄っていくれす。
GM:ん?
ユリア:お酒を持っていかないと。
GM:あ、そうか。サデルじいさんに渡すんだね。

『魔王の森』 サデルの山小屋──
サデル:(のそり、と出てきて)「ん、なんじゃまたお前か」
ユリア:「はいどうぞ」
サデル:「おお、これはなかなかいい酒だ」
シュリ:(小声で)「一気、一気、一気……」
GM:飲んでいいの?
フウゲツ:まだダメ。
サデル:「この酒にこのメンツ……今日は何を頼みにきた?」
ユリア:「そこの緑色のが何かあなたに言いたいそうれす」
フウゲツ:「ええと……かくかくしかじかで、石職人に会いに『古の民』の集落にいきたいんです」
サデル:「ふん、仕方ないのう……。……どうでもよいが、緑色の方が話すんじゃなかったのか?」
フウゲツ:「気にしなーい、気にしなーい」
サデル:「まあええわい、ついてこい」
エミリー:「お願いしまーす!」
フウゲツ:後で一気飲み見せてくれ〜。
一行は、サデルとともに森の奥へ。
GM:ではレイチェル、『心』で判定してくれるかな?
レイチェル:(コロコロ)成功している。
GM:なーんか違和感を感じる。なーんか、機械の調子が悪い。
レイチェル:それは……どういうこと?
GM:ノイズが混じるというか……奇妙な電磁波を感じるというか。
レイチェル:それは……ちょっと立ち止まる。
エミリー:ちゃんとメンテナンスしてないからですよぉ。
シュリ:そろそろ車検の時期なんじゃない?
ユリア:なくなった右目がうずくのれすね。
レイチェル:……なくなってない。
GM:(なんでこうボケたがるかなー……)
レイチェル:その違和感は、この森に入ってから?
GM:街にいたときも、ずっとそういうかんじが微かにあった。この森に入ってからそれが強まったかんじ。
レイチェル:そういうことなら、もっと前に言ってくれないと。
GM:ごめんごめん。
フウゲツ:「レイチェル、どうした?」
レイチェル:「……いや、何でもない」
フウゲツ:「そうか。──じゃあいくぞ」
GM:じゃあ、せっかくだから誰かサイコロ振ってくれる?
フウゲツ:(コロコロ)32〜!
GM:成功はしてるか。時々立ち止まりつつ、サデルは道を確かめるようにして進んでいく。
エミリー:もしかして迷いました……?
GM:いや、そうではないみたいだけど……何か違和感を感じているようだ。
レイチェル:私も辺りを見て、前回来たときと同じかどうか確かめてみよう。
フウゲツ:違和感か……。どうも俺の口調もおかしい気がするだわさ。
GM:それは関係ない。──道は、あってるみたいだよ。
シュリ:磁場がおかしいってこと……?
サデル:「『人払い』の結界が強くなっているのか……?」
GM:んじゃ、もう一度判定。
フウゲツ:(コロコロ)……95。
GM:それは失敗だ。
サデル:「……すまん、道に迷った」
一同:をいーッッ!!
ユリア:ああ! よく見れば酒ビンの中身が半分に!
GM:飲んでない飲んでない。……でも報酬は半分でいいかも。
エミリー:いや、飲みかけをもらっても……。
フウゲツ:いや! じいさんは悪くない! 誰のせいでもない、磁場のせいだ!(←アンタのサイコロのせい)
GM:ではここで気配感知を。
ユリア:(キャラクターシートを見て)『殺気感知』とか関係ある?
GM:ないです。
エミリー:『ジェシー様(エミリーが熱を上げてるプロレスラー)の気配』とかは。
シュリ:こんなところにジェシー様がいたらビックリだって(笑)。
判定の結果、フウゲツ以外が成功。
GM:ちょうどフウゲツの背後の茂みに出現したんだな。……こういうのが、立ってる。

それは──『仮面の人』だった。皆の視線が、フウゲツの背後に集中する。
フウゲツ:(振り返って)「────ッッッ!!!」(声にならない悲鳴)
奇妙な表情の仮面だった。目の部分に当たるであろう黒い穴は、空虚な闇へと繋がっていそうな、それでいて全てを見透かしているような、そんな錯覚を覚える。身体のラインがまるで分からないストンとした黒衣は、まるでその者が影から出現したのではないかと思わせる。
奇妙さ。違和感。居心地の悪さ。恥ずかしさ。見たくないが目を離せない。そんな存在。
シュリ:……それは、もちろん仮面じゃないよね。
GM:仮面です。
フウゲツ:……ごめん、今マジで怖かった。こんなのが背後にいたら、ワタシ逃げるアルよ。
GM:そうしてるうちに、その『仮面の人』はすうっと消えてしまう。
シュリ:……そいつが立ってた茂みの方にいってみる。
GM:何もないよ。
シュリ:そっか……。
フウゲツ:コイツ、夢に出そうなぐらい怖かった……プレイヤーが。寝れない〜!
レイチェル:「一度、道が分かる場所まで戻りませんか? 来た道は記憶(記録)しているので」
エミリー:「それはいい手かも」
シュリ:「正義は常に前にあるのよ!」
一同:「………………」
フウゲツ:「一旦戻ろう。……ていうか帰りたい……」
GM:戻るんだね。……これでファンブル振ったら笑うぞ。
レイチェル:(コロコロ)96。……ファンブルではないが、失敗。
GM:ますます迷ったねー……。
エミリー:このポンコツ〜!
ヴァイス:まあまあ。そういうエミリーだって、道なんか全然覚えてないんだから。
サデル:「うーむ、困ったのう……」(ぼやきつつ、酒をグビグビ)
エミリー:飲むなーッ!


