レイチェル:また『古の民』のところではないだろうか。食料問題も一段落したことだし。
GM:ほぉーうほう、そうですか。
レイチェル:……な、なに?
GM:いや、別に(ニヤリ)。
『古の民』の集落──
GM:今日も今日とて『扉』を開くための調査をしている『古の民』の面々とレイチェルであります。んで……長であるエイドシックがちょっと席をはずしてる間に、研究員のまとめ役でもあり、組織のNO.2でもあるおじさんがレイチェルに近づいてくる。
レイチェル:「………………」
『古の民』の男:「やれやれ、これほど調べても原因が分からんというのはどういうことなのだろうなぁ」
レイチェル:「原因を究明するには与えられたデータが不足しています。更なる調査が必要でしょう」
『古の民』の男:「いっぱしの口をきくな? 人間にでもなったつもりか?」
レイチェル:「それはありません。……私は機械だ。それはどこまで行っても変わらない」
『古の民』の男:「ふ、ふん、分かっているならいいんだ。(歪んだ笑みを浮かべ)……いっそ、自爆でもしてみたらどうだ? オマエが消えれば、『結界』が消えるかもしれんぞ?」
レイチェル:「それはできません」
GM:さすがに、しないか。
レイチェル:最高権限を持つマスターの命令ならば、自爆だってする。だが、今はそれを行う理由がない。自爆をすれば『結界』が開くという根拠もない。
GM:確かに。……んじゃ、エイドシックが戻ってきて、調査再開だ。

GM:さてフウゲツ。君の前には、スノウの姉、ノエルが姿を現す。
フウゲツ:「……ついにノエルが見えるようになってしまったか。俺もヤキが回ったかな」
ノエル:(腰に手を当て)「失礼ねえ、せっかくこうやって話ができるようになったのに」
フウゲツ:「本物なのか……?」
ノエル:「本物って、ワケではないけど……想い出みたいなもの、かな」
フウゲツ:「そうか……。──こうやってちゃんと顔が見れて……なんか、満足しちゃったな、俺」
ノエル:「だから成仏しろ、って?」
フウゲツ:「そうは言ってない。君はこうして……俺の傍にいてくれるのか?」
ノエル:「この街が、このままならね」
フウゲツ:「どういうことだ……?」
ノエル:「『ウロボロスの輪』」
フウゲツ:「ウロボロスって……地底湖にあったアレか?」
ノエル:「そう。<月蛇>が見せる、現実を少し捻じ曲げた世界。特殊な磁場によって脳内に直接構成された、半仮想現実世界とでもいうべき空間──それが、アーケインなのよ」
ここにいないヴァイス:全ては幻ってこと?
GM:さあどうだろう。『仮面のもの』、猫、ノエル、ロゼ、過去の追体験、そして実は7話のトカゲ。少なくともこの辺は幻覚。直接脳に作用し、『見えてる』『聞こえてる』と思った幻だよ。……それ以外にも、まだ幻覚なものがあるかもしれない。
ここにいないレイチェル:機械である私には関係ないはずなのだけど、『仮面』は見えた。
GM:レイチェルの場合は電磁波によるノイズと……そして君が<世界の中心>ってこと。
レイチェル:世界の……中心……。
GM:そして、地下水路の魔法陣が、その効果を高める結果となった。幻覚作用が強くなって、初めて姿を現した幻覚もある。
フウゲツ:ノエルや『仮面』だな。
ここにいないユリア:ほとんどの幻覚はそうなんじゃないれすか。
ここにいないシュリ:発動前から見えていたのはロゼと……トカゲ?
レイチェル:なぜトカゲ。
GM:以上が、アーケインの秘密のほとんどかな。
ここにいないエミリー:ふーん……。だから何、って気がしないでもないけど。
ヴァイス:いや……目的とかそういうのはともかくとして……ひとつ気になることが。
シュリ:なに?
ヴァイス:この街のどこからどこまでが幻覚なんだろう、て……。
ユリア:実は全てが。
ヴァイス:え?
ユリア:ヴァイス以外は全て幻。全てはヴァイスの妄想。
ヴァイス:それは嫌だなぁ。
GM:………………。
フウゲツ:なぜアーケインにそんなものが、という疑問もあるな。
レイチェル:『古の民』はこのことを知っているのだろうか。
GM:どうなんだろうねぇ。──ひとつ裏設定を明かしておくと……『ホフヌング』、それからヘルタークス(ACT11.0に出てきたサリースの父親)はこのことを知っていた。んで、何かの実験に使おうと思っていたところに、丁度ゲインたちが逃げ込んだ。
シュリ:へええ。
GM:だから脱走者であるゲインたちをわざと放っておいて、更に機会があれば『実験台』にしようと思っていた。──とまあ、そういう話。
エミリー:それでもやっぱり、だから何ってかんじ。
GM:話をフウゲツとノエルに戻そう。
フウゲツ:「スノウ……」
ノエル:「え?」
フウゲツ:「スノウが……言ってた。『あたしは……姉さんみたいになりたかった』って」
ノエル:(照れたように笑って)「そう」
フウゲツ:「『髪を伸ばしてるのも、そうだからだ』って……言ってた」
ノエル:「だからって……だからって、”こんなとこ”まで似なくていいのにね」
フウゲツ:「スノウのこと……やっぱり、知ってたのか」
ノエル:「うん。……あたしと、同じ運命をたどってしまったね」
フウゲツ:「……ああ」
ノエル:「あ、違う、違うの」
フウゲツ:「え?」
ノエル:「襲われたとか命を落としたとかってことじゃなくて……そうじゃなくて……『目覚めた』のよ、あたしも、スノウも」
フウゲツ::「………………?」
わずかな、間。
ノエル:「──『G』が、覚醒したの」

──そのとき、世界が揺れた。


